二年目の春・3
翌日曜になるとこの日は明日菜の誕生日を祝うことになっていて、横島を始め少女達が密かに準備をしたりしていた。
正確には誕生日は月曜なのだが火曜は修学旅行に出発することもあり、一日早めて日曜の夜にゆっくり祝おうということになっている。
「あれー? 高畑先生だ。」
そんな中美砂達は明日菜に洋服か洋服に会うアクセサリーでもプレゼントしようかと麻帆良市近郊にあるショッピングモールに来ていたが、ある意味一番ショッピングモールに似つかわしくない高畑に出会っていた。
「明日菜へのプレゼントですか?」
「ああ、そうだよ。 何がいいか悩んでなかなか決められなくてね。」
今夜明日菜の誕生会を行うことは高畑も知っているし、主導してるのがタマモなので明日菜の家族と言える高畑も当然誘っている。
美砂達が見かけたのは女子中高生の少女達が集まるショップで一人で服なんかを見ていた高畑であり、場所柄から麻帆良の生徒も多いので何人かの少女にからかわれるように声を掛けられていた。
「何をあげても喜ぶと思いますよ。」
「そうだよ。 高畑先生が昔あげた髪飾りなんて今でも使ってるしね。」
ちょうどいいからと一緒に明日菜へのプレゼントを見て回る高畑と美砂達だが、モテないといいつつ常に女性に囲まれていた横島と違い本当に女性と付き合った経験もない高畑は真面目に何をプレゼントすればいいか分からず悩んでいたらしい。
これがまだ他の教え子なら文房具などあげればいいのだが、明日菜は家族であり他の教え子と同じというのも味気ないと理解はしてるようであった。
「髪飾りか。」
美砂と円は知らないようだったが付き合いが長い桜子は明日菜が高畑が麻帆良に来たばかりの頃に始めてあげた髪飾りを未だに大切に使っているのを知っていたらしく教えるも、それを聞いた高畑は忘れていた訳ではないが驚きの表情を見せる。
「何年か前言ってたよ。 高畑先生から始めて貰った大切なものなんだって。」
正直それほど自分を想ってくれていたことにずっと気付かなかった高畑は、あの髪飾りも明日菜が単に気に入って使ってるのだとばかり思っていたのだ。
そして同時にガトウから預かった明日菜と共に完全なる世界の追っ手に怯えながら、他に頼る宛もなく麻帆良に逃げてきた頃を思い出してしまう。
「高畑先生?」
「いや、何でもないよ。」
もしかすると自分は明日菜のことを恩人から預かった子供として大切にはしても家族として受け止めてなかったのかもしれないとこの時思ってしまうが、流石にそれを教え子の少女達に話すことは出来ない。
それに明日菜とはまだ終わった訳ではないので十分これからでも出来るはずなのだ。
「せっかくだし今日は私達が選ぶの手伝いますよ。 タマちゃんいわく私達は高畑先生も明日菜もみんな家族らしいですから。」
「お父さんにしては若いしお兄ちゃんにしては年が離れてるわよね。」
「叔父さんって感じ?」
一瞬の合間に悲しみとも後悔とも取れる表情を見せた高畑に美砂達は気づくがそこを指摘する者は居なく、三人は今日は高畑のプレゼント選びを手伝うと告げると高畑は家族でどんなホジションなのかという話題で盛り上がり始める。
魔法使いって本当幸せそうな人少ないねと心のなかで思う三人だが、タマモ的には高畑も家族なので自分達で元気にしてあげようと思うのかもしれない。
「ずいぶん家族が増えたな。」
一方家族という形に悩み後悔したことを見抜かれたかのように偶然にも家族だからと半ば冗談のように語る少女達に高畑はヒヤリとした心境になりつつも、いつの間にか増えた家族に想いを馳せることになる。
正確には誕生日は月曜なのだが火曜は修学旅行に出発することもあり、一日早めて日曜の夜にゆっくり祝おうということになっている。
「あれー? 高畑先生だ。」
そんな中美砂達は明日菜に洋服か洋服に会うアクセサリーでもプレゼントしようかと麻帆良市近郊にあるショッピングモールに来ていたが、ある意味一番ショッピングモールに似つかわしくない高畑に出会っていた。
「明日菜へのプレゼントですか?」
「ああ、そうだよ。 何がいいか悩んでなかなか決められなくてね。」
今夜明日菜の誕生会を行うことは高畑も知っているし、主導してるのがタマモなので明日菜の家族と言える高畑も当然誘っている。
美砂達が見かけたのは女子中高生の少女達が集まるショップで一人で服なんかを見ていた高畑であり、場所柄から麻帆良の生徒も多いので何人かの少女にからかわれるように声を掛けられていた。
「何をあげても喜ぶと思いますよ。」
「そうだよ。 高畑先生が昔あげた髪飾りなんて今でも使ってるしね。」
ちょうどいいからと一緒に明日菜へのプレゼントを見て回る高畑と美砂達だが、モテないといいつつ常に女性に囲まれていた横島と違い本当に女性と付き合った経験もない高畑は真面目に何をプレゼントすればいいか分からず悩んでいたらしい。
これがまだ他の教え子なら文房具などあげればいいのだが、明日菜は家族であり他の教え子と同じというのも味気ないと理解はしてるようであった。
「髪飾りか。」
美砂と円は知らないようだったが付き合いが長い桜子は明日菜が高畑が麻帆良に来たばかりの頃に始めてあげた髪飾りを未だに大切に使っているのを知っていたらしく教えるも、それを聞いた高畑は忘れていた訳ではないが驚きの表情を見せる。
「何年か前言ってたよ。 高畑先生から始めて貰った大切なものなんだって。」
正直それほど自分を想ってくれていたことにずっと気付かなかった高畑は、あの髪飾りも明日菜が単に気に入って使ってるのだとばかり思っていたのだ。
そして同時にガトウから預かった明日菜と共に完全なる世界の追っ手に怯えながら、他に頼る宛もなく麻帆良に逃げてきた頃を思い出してしまう。
「高畑先生?」
「いや、何でもないよ。」
もしかすると自分は明日菜のことを恩人から預かった子供として大切にはしても家族として受け止めてなかったのかもしれないとこの時思ってしまうが、流石にそれを教え子の少女達に話すことは出来ない。
それに明日菜とはまだ終わった訳ではないので十分これからでも出来るはずなのだ。
「せっかくだし今日は私達が選ぶの手伝いますよ。 タマちゃんいわく私達は高畑先生も明日菜もみんな家族らしいですから。」
「お父さんにしては若いしお兄ちゃんにしては年が離れてるわよね。」
「叔父さんって感じ?」
一瞬の合間に悲しみとも後悔とも取れる表情を見せた高畑に美砂達は気づくがそこを指摘する者は居なく、三人は今日は高畑のプレゼント選びを手伝うと告げると高畑は家族でどんなホジションなのかという話題で盛り上がり始める。
魔法使いって本当幸せそうな人少ないねと心のなかで思う三人だが、タマモ的には高畑も家族なので自分達で元気にしてあげようと思うのかもしれない。
「ずいぶん家族が増えたな。」
一方家族という形に悩み後悔したことを見抜かれたかのように偶然にも家族だからと半ば冗談のように語る少女達に高畑はヒヤリとした心境になりつつも、いつの間にか増えた家族に想いを馳せることになる。