二年目の春・3
図書館探険を終えると週末を迎えるが、この週末は女子中等部三年の生徒は間近に迫った修学旅行に行く準備をする者達が多かった。
修学旅行自体は火曜に出発して土曜に帰ってくることになるものの、向こうで着る服なんかを買うならばこの週末しかないので買い物に出掛ける生徒は多いらしい。
「指が痛いよ~。」
さてそんなこの日であるが木乃香達図書館探険組が徹夜明けで居ない中、横島の店は明日菜とさよがバイトと手伝いに入っている。
そして美砂達三人は修学旅行用の買い物ではなく店の地下で楽器の練習を朝からしていた。
3ーAの修学旅行先はハワイなので夏物の服や少しだが海で泳げる時間もあるので水着も必要なのであるが、服はハニワ兵に頼んでいて水着も異空間アジトで使った物が二着ほどあるのでそちらを持っていくらしく新たに買う予定はないらしい。
それよりも遅れぎみのバンドの楽器練習を最近は熱心に行っているが、基本的にギターやベースは練習を重ねていけば弦を押さえる指が痛くなったりと大変である。
ただまあ地道な練習が必要なのは明らかなので横島にヒーリングで治療して貰ったりしながら頑張っていたが。
「気楽にやれよ。 あんまり根を詰め過ぎてもダメだからな。」
地下室への入り口は厨房や控え室のあるバックヤードにあるので周りの目を気にせず魔法なんかを使えるのが利点であり、美砂達は指を治療してもらったり楽器を教えてもらいながら練習を続けていた。
まあ週末は横島も暇ではないので仕事の合間に少し教えてる程度だが。
「こんなの公開出来るわけないわね。 本当。 万が一露見したら魔法協会だけで済まされないわよ。」
一方この日女子中等部では刀子と高畑が修学旅行中のことなど打ち合わせをしていた。
超と葉加瀬の拠点の制圧にオーバーテクノロジーの押収など麻帆良に残る刀子は数少ない全ての秘密を知る人間としてやることが山ほどあるが、肝心の超と葉加瀬の身柄は高畑が監視して万が一にも逃亡などされないように麻帆良に連れ帰らなくてはならない。
加えてないとは思うが秘密結社完全なる世界が高畑が居ない麻帆良を狙って潜入しにくることも十分あり得る話であり、基本的には土偶羅が監視していて出し抜かれる心配がないとはいえ事前に準備やその時の打ち合わせは必要である。
「やっぱり私は学園長も高畑先生も甘いと思うわ。 修学旅行に行かせてる場合じゃないもの。 生徒の為を思うなら心を鬼にして今すぐにでも二人は拘束するべきだわ。 横島君の力を借りれば現状の計画でも十分なんでしょうけど、どうせ拘束してしまうなら早い方がいいもの。」
ただ刀子はやはり近右衛門や高畑が甘いと考えており、そのやり方に不満も感じていた。
動機は何であれやろうとしていることは完全にテロ行為であり、いくら麻帆良での犠牲者を極限まで減らす計画を立てても魔法公開そのものによる世界の混乱ではどれだけ犠牲者が出るか分からない。
結局近右衛門も高畑も横島の情報収集能力と戦闘能力に無意識にでも甘えてるようにしか感じず、そこも刀子が気に入らない原因になる。
もちろん超と葉加瀬の二人も生徒である事実は変わらないし刀子もそこを考慮しない訳ではないが、そもそも超の計画は学園や教師の指導でどうにかなる問題のレベルではないのだ。
二人の処分をどうするかはともかくとして、拘束くらいはさっさと済ませるべきで下手に情けをかけるととんだしっぺ返しが来るような気がして不安だった。
修学旅行自体は火曜に出発して土曜に帰ってくることになるものの、向こうで着る服なんかを買うならばこの週末しかないので買い物に出掛ける生徒は多いらしい。
「指が痛いよ~。」
さてそんなこの日であるが木乃香達図書館探険組が徹夜明けで居ない中、横島の店は明日菜とさよがバイトと手伝いに入っている。
そして美砂達三人は修学旅行用の買い物ではなく店の地下で楽器の練習を朝からしていた。
3ーAの修学旅行先はハワイなので夏物の服や少しだが海で泳げる時間もあるので水着も必要なのであるが、服はハニワ兵に頼んでいて水着も異空間アジトで使った物が二着ほどあるのでそちらを持っていくらしく新たに買う予定はないらしい。
それよりも遅れぎみのバンドの楽器練習を最近は熱心に行っているが、基本的にギターやベースは練習を重ねていけば弦を押さえる指が痛くなったりと大変である。
ただまあ地道な練習が必要なのは明らかなので横島にヒーリングで治療して貰ったりしながら頑張っていたが。
「気楽にやれよ。 あんまり根を詰め過ぎてもダメだからな。」
地下室への入り口は厨房や控え室のあるバックヤードにあるので周りの目を気にせず魔法なんかを使えるのが利点であり、美砂達は指を治療してもらったり楽器を教えてもらいながら練習を続けていた。
まあ週末は横島も暇ではないので仕事の合間に少し教えてる程度だが。
「こんなの公開出来るわけないわね。 本当。 万が一露見したら魔法協会だけで済まされないわよ。」
一方この日女子中等部では刀子と高畑が修学旅行中のことなど打ち合わせをしていた。
超と葉加瀬の拠点の制圧にオーバーテクノロジーの押収など麻帆良に残る刀子は数少ない全ての秘密を知る人間としてやることが山ほどあるが、肝心の超と葉加瀬の身柄は高畑が監視して万が一にも逃亡などされないように麻帆良に連れ帰らなくてはならない。
加えてないとは思うが秘密結社完全なる世界が高畑が居ない麻帆良を狙って潜入しにくることも十分あり得る話であり、基本的には土偶羅が監視していて出し抜かれる心配がないとはいえ事前に準備やその時の打ち合わせは必要である。
「やっぱり私は学園長も高畑先生も甘いと思うわ。 修学旅行に行かせてる場合じゃないもの。 生徒の為を思うなら心を鬼にして今すぐにでも二人は拘束するべきだわ。 横島君の力を借りれば現状の計画でも十分なんでしょうけど、どうせ拘束してしまうなら早い方がいいもの。」
ただ刀子はやはり近右衛門や高畑が甘いと考えており、そのやり方に不満も感じていた。
動機は何であれやろうとしていることは完全にテロ行為であり、いくら麻帆良での犠牲者を極限まで減らす計画を立てても魔法公開そのものによる世界の混乱ではどれだけ犠牲者が出るか分からない。
結局近右衛門も高畑も横島の情報収集能力と戦闘能力に無意識にでも甘えてるようにしか感じず、そこも刀子が気に入らない原因になる。
もちろん超と葉加瀬の二人も生徒である事実は変わらないし刀子もそこを考慮しない訳ではないが、そもそも超の計画は学園や教師の指導でどうにかなる問題のレベルではないのだ。
二人の処分をどうするかはともかくとして、拘束くらいはさっさと済ませるべきで下手に情けをかけるととんだしっぺ返しが来るような気がして不安だった。