二年目の春・3
「あめやまないね。」
超鈴音の問題への対応が決まった翌日は朝から雨だった。
草花にとっては恵みの雨であるがタマモや庭の猫達にとっては少しつまらないようで、猫達は横島が作った猫ハウスや車庫で雨宿りをしていてタマモは一階の店内の窓から曇り空を見上げて雨が止まないかなと見上げている。
「今日はずっと雨みたいだからな。 なんかして遊ぶか?」
雨の日の横島の店は客の入りが良くなく結構暇であった。
料理やスイーツが美味しい店として麻帆良ではそこそこ名が知られているものの、店は駅から少し歩いた裏通りの交差点にあるのでどちらかと言えば近所の常連が主な客になる。
麻帆良カレーや木乃香の料理大会の活躍で現在では忙しい日が増えたが、駐車場もない喫茶店なだけに雨が降ると客足は鈍るらしい。
「うん! おりがみでどうぶつさんつくる!」
店内には静かに読書をする客と少し遅い朝食を食べに来た客など居るが、横島は少し隙になったのでタマモと折り紙で遊ぶことにした。
当初と違い忙しい日が増えた影響でタマモとゆっくり遊べる時間が減っていた為、雨の日なんかは出来るだけタマモと遊ぶようにしているのだ。
大分前に常連の年配者がプレゼントしてくれた折り紙の本を見ながら横島とタマモは動物を二匹づつ作っていき、二人が座っているテーブルはまるで折り紙動物園のようになっていく。
横島はそんな様子を見ながら本物の動物園や水族館や遊園地なんかにそろそろ連れて行ってあげないとダメかと考えていた。
異空間アジトを含めるとそれなりに遊びには連れて行っているが、未だに連れて行ってない場所は多い。
加えて最近は手軽さから異空間アジトに遊びに行く機会が多いが、あまりあちらばかり片寄らせずにこの世界でも普通に遊びに連れて行かないとなとも思う。
この先タマモが学校に通うようになったりしたら同年代の友達も出来るだろうし、秘密にしなきゃいけない思い出ばかりだと辛いだろうと思うのだ。
「今度みんなで動物園か水族館でもいくか?」
「うん! いきたい!!」
横島自身も両親からいろいろな思い出を作ってもらった記憶は今でも忘れていない。
真剣に折り紙を折るタマモにふと声をかけてみると、タマモは喜びを全面に表した満面の笑みで即答した。
「今夜みんなに話してみようか。 コールデンウィーク辺りなら一日か二日くらい休んでもいいしな。」
この世界で普通に遊びに行くには少女達の都合上休日に出掛けるしかなくどこに行っても混雑するだろうなとの思いが頭を過るが、それもまた思い出かと思うとコールデンウィーク辺りにどこに連れて行ければと考えを巡らせていく。
問題があるとすればお金だがだが、横島は費用を自分が出せば大丈夫だろうと見ている。
少女達は遠慮するだろうがタマモもタマモで遊びに行くのはみんなで行くんだと言って聞かないので、そこはなんとか言いくるめようかと考えていた。
横島としては日頃から店やタマモの世話で助けてくれてるし、元々横島自身は人に奢られることにあまり抵抗がないのであるなら出せばいいとしか考えてない。
少なくとも年に数回はタマモをこの世界で普通に遊びに連れて行こうと決めて、どんなところがいいかとの話に花を咲かせる。
超鈴音の問題への対応が決まった翌日は朝から雨だった。
草花にとっては恵みの雨であるがタマモや庭の猫達にとっては少しつまらないようで、猫達は横島が作った猫ハウスや車庫で雨宿りをしていてタマモは一階の店内の窓から曇り空を見上げて雨が止まないかなと見上げている。
「今日はずっと雨みたいだからな。 なんかして遊ぶか?」
雨の日の横島の店は客の入りが良くなく結構暇であった。
料理やスイーツが美味しい店として麻帆良ではそこそこ名が知られているものの、店は駅から少し歩いた裏通りの交差点にあるのでどちらかと言えば近所の常連が主な客になる。
麻帆良カレーや木乃香の料理大会の活躍で現在では忙しい日が増えたが、駐車場もない喫茶店なだけに雨が降ると客足は鈍るらしい。
「うん! おりがみでどうぶつさんつくる!」
店内には静かに読書をする客と少し遅い朝食を食べに来た客など居るが、横島は少し隙になったのでタマモと折り紙で遊ぶことにした。
当初と違い忙しい日が増えた影響でタマモとゆっくり遊べる時間が減っていた為、雨の日なんかは出来るだけタマモと遊ぶようにしているのだ。
大分前に常連の年配者がプレゼントしてくれた折り紙の本を見ながら横島とタマモは動物を二匹づつ作っていき、二人が座っているテーブルはまるで折り紙動物園のようになっていく。
横島はそんな様子を見ながら本物の動物園や水族館や遊園地なんかにそろそろ連れて行ってあげないとダメかと考えていた。
異空間アジトを含めるとそれなりに遊びには連れて行っているが、未だに連れて行ってない場所は多い。
加えて最近は手軽さから異空間アジトに遊びに行く機会が多いが、あまりあちらばかり片寄らせずにこの世界でも普通に遊びに連れて行かないとなとも思う。
この先タマモが学校に通うようになったりしたら同年代の友達も出来るだろうし、秘密にしなきゃいけない思い出ばかりだと辛いだろうと思うのだ。
「今度みんなで動物園か水族館でもいくか?」
「うん! いきたい!!」
横島自身も両親からいろいろな思い出を作ってもらった記憶は今でも忘れていない。
真剣に折り紙を折るタマモにふと声をかけてみると、タマモは喜びを全面に表した満面の笑みで即答した。
「今夜みんなに話してみようか。 コールデンウィーク辺りなら一日か二日くらい休んでもいいしな。」
この世界で普通に遊びに行くには少女達の都合上休日に出掛けるしかなくどこに行っても混雑するだろうなとの思いが頭を過るが、それもまた思い出かと思うとコールデンウィーク辺りにどこに連れて行ければと考えを巡らせていく。
問題があるとすればお金だがだが、横島は費用を自分が出せば大丈夫だろうと見ている。
少女達は遠慮するだろうがタマモもタマモで遊びに行くのはみんなで行くんだと言って聞かないので、そこはなんとか言いくるめようかと考えていた。
横島としては日頃から店やタマモの世話で助けてくれてるし、元々横島自身は人に奢られることにあまり抵抗がないのであるなら出せばいいとしか考えてない。
少なくとも年に数回はタマモをこの世界で普通に遊びに連れて行こうと決めて、どんなところがいいかとの話に花を咲かせる。