二年目の春・3

そしてそのあとも女性陣は海を満喫していき、横島は今回も女性陣の水着姿を夕方まで満喫することになる。

流石に昔のようにあからさまにガン見した訳ではないが、見て記憶に焼き付けるくらいの役得は許されるだろうというのが横島の本音だった。

ちなみに自分達は横島の眼中にないと考えてる夕映やのどかの水着姿も横島は普通に楽しんでいたが。

視点としては半分は保護者のような視点だが半分は女性としても見ている。

基本的にはまだ子供だと思ってはいるが、百パーセント子供かと言われるとそれもまた違う訳で。

出会って一年が過ぎ確実に成長していく少女達を間近で見て居られるのは、横島にとって幸せだと言えることだった。



その後今回の異空間アジトでの滞在は夕食を食べて丸一日滞在して、元の時間である一日前の出発した時間の一分後に帰っていく。

高畑と刀子と雪広さやかは元居た場所に送られて、他の少女達も横島の家で飲み直すことになったエヴァ一家以外は停電前に女子寮に帰って行った。


「やっぱ相性が悪いか。」

そして横島は少女達を見送ると二階に上がり停電が始まる前からエヴァとチャチャゼロと酒を飲み始め、しばらくはタマモがやりたいと言い出したトランプをみんなでしていたが停電になると流石に見えにくくなり終わりとなる。

停電後は昼間に作ったキャンドルの明かりでしばらくおしゃべりをしていたが、タマモは遊び疲れたのかいつもより早く眠気が来てしまいこの日はさよと一緒に寝ると二人の部屋に戻っていく。

タマモとさよが居なくなったことで横島は少し気になっていた今日の高畑の霊動シミュレーターのデータを取り寄せエヴァと一緒に見ていたが、この日高畑はアーウェルンクスシリーズとの対戦を繰り返していた。


「タカミチの能力だとこのクラスの魔法障壁を破るのは厳しいからな。」

結果については十五戦十五引き分けと負けてはないが勝ててもなく、勝てない最大の理由がアーウェルンクスシリーズが使う高度な魔法障壁を高畑の能力では破るのが難しいという事情がある。

咸卦法と居合い拳を極めたと言っていい高畑ではあるが魔法障壁を破るには最近使えるようになった魔法など役に立つ訳もなく咸卦法を使った物理的な力で破壊するしかないが、アーウェルンクスも無能ではないので魔法障壁を破壊させるような戦いはしないのが勝てない理由だった。

無論魔法障壁といえど耐えられる力の限度はありそれ以上の力を加えれば破壊できるが、困ったことにアーウェルンクスの戦闘能力は高畑と同等かそれ以上なのだ。

まあ高畑も負けない戦いが出来てる時点で評価出来るが、アーウェルンクスとの戦いの相性の悪さに横島は少し頭を悩ませる。


「さてさて、どうすっかな。」

正直あまり余計な口出しをする気はないが、このままでは高畑がアーウェルンクスに勝てるようになる前に魔法世界が消滅するだろう。

万が一アーウェルンクスと戦うことになっても高畑には任せられないのが現状だった。


「自分で考えるだろう。 奴も子供じゃない。」

一方のエヴァとしてはあくまで高畑自身に考えさせるつもりらしく自分から手を出す気はないらしい。

まあ彼女はアーウェルンクスと高畑の戦いにあまり興味なく、最悪自分ならば勝てるとの自信があるからそれでいいのだろうが。



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