二年目の春・2
一方タマモは庭でスケッチブックにお絵描きをしていた。
桜が終わったとはいえまだ風は少し冷たいが日向ぼっこをするには心地よい気候で、ようやく芽が出始めた草花や野菜と猫達が寝転ぶ姿を描いている。
「それはおはなのめだからいたずらしちゃだめ。」
そんな庭の猫達は元々付近の猫達が入れ替わり立ち替わり来ていた横島宅の庭だが、昨年の末頃からはある程度固定されたメンバーが多い。
実は今年に入って以降は庭に住み着く猫が増えたので、住み着いた猫の何匹かをタマモと猫本人の了解の元で異空間アジトに移住させてもいる。
いくら広い庭とはいえあまり集めると近所の目も気になるので仕方ないことであった。
横島としては今後は猫達の移住や麻帆良と異空間アジトの猫達を時々入れ替えるなどして、猫の数を調整するつもりだ。
麻帆良の場合は特殊な土地なのであまりないが野良猫などが増えすぎると保健所などに処分されかねないし、避妊手術を受けさせるのも横島は好きじゃないので対策に先手を打ったらしい。
ちなみに今年の春には庭で数匹の子猫が産まれていて、横島達や茶々丸は元よりタマモなんかは特に可愛がっていたりする。
「おさんぽはあぶないからひとりでいっちゃだめだよ。」
今年生まれた子猫はタマモにとって初めての年下の子達であり、今度は私がお姉さんだと張り切っていた。
元々ビッケとクッキは同い年のような関係であり他の猫達はみんな年上なので、実はタマモと猫達の関係はタマモが猫達に守られたり散歩に連れていってもらっている関係でもあるのだ。
今までは木乃香達にしろ猫達にしろみんな年上なので、年下の友達が出来たことが嬉しくて仕方ないらしい。
そして同じ頃二階ではハニワ兵が今年の夏の為に早くも夏服の製作に励んでいた。
ハニワ兵の個室である洋裁部屋はなんというか縫製工場かと疑いたくなるほどの機材や素材がたくさんあり、いつの間にか生産能力を上げている。
なおこの春には芦コーポレーションの新規事業としてオンラインショッピングサイトをつい先日立ち上げた影響で、横島宅のハニワ兵は異空間アジトの洋服作りが趣味の仲間達と一緒に土偶羅の許可のもとでこっそりと手作り洋服のオンラインショップを開店していた。
芦コーポレーションのオンラインショッピングサイトは同社のSNSであるカグヤと連動しているが、ハニワ兵達は自分達の店をオンラインSHOPオトヒメと名付けている。
当初はオリヒメと名付けやようとしていたようだが、珍しく横島がオリヒメは嫌だと言ったらしくオトヒメになったらしい。
ちなみにこのオンラインショッピングサイトは雪広グループと那波グループとの専属契約により両社や両社と親交がある麻帆良派企業の商品を一手に扱う為、オンラインショッピングサイト立ち上げ早々に品数や種類が日本最大規模となり注目を集めていた。
まあ商品確保から物流の仕組みなど具体的な販売システムはほぼ雪広と那波グループの既存の物流システムを用いることで初めて可能なことであり、外部から見ると雪広及び那波グループのインターネット事業を外注してるようにしか見えなかったが。
ただこれで両社と芦コーポレーションの事業が共同で拡大するのは確実であり、横島を可能な限り自分達の枠組みに取り込みたい近右衛門達からすると一段落といったところが本音だろう。
信頼や少女達との関係など現時点では横島と麻帆良を繋ぐ鎖は多いが、横島側から提供される情報の価値を考えると早く相応の利益を返す必要があった。
加えていくら土偶羅とはいえ同程度のオンラインショップを全国規模で展開するには、人材からノウハウや設備の取得に年単位の時間がかかり現状でも存在するオンラインビジネスに参入するには時間がかかりすぎるという問題も現実にはある。
結果としてみるとこの件は誰もが損をせず得する流れとなり進んでいた。
桜が終わったとはいえまだ風は少し冷たいが日向ぼっこをするには心地よい気候で、ようやく芽が出始めた草花や野菜と猫達が寝転ぶ姿を描いている。
「それはおはなのめだからいたずらしちゃだめ。」
そんな庭の猫達は元々付近の猫達が入れ替わり立ち替わり来ていた横島宅の庭だが、昨年の末頃からはある程度固定されたメンバーが多い。
実は今年に入って以降は庭に住み着く猫が増えたので、住み着いた猫の何匹かをタマモと猫本人の了解の元で異空間アジトに移住させてもいる。
いくら広い庭とはいえあまり集めると近所の目も気になるので仕方ないことであった。
横島としては今後は猫達の移住や麻帆良と異空間アジトの猫達を時々入れ替えるなどして、猫の数を調整するつもりだ。
麻帆良の場合は特殊な土地なのであまりないが野良猫などが増えすぎると保健所などに処分されかねないし、避妊手術を受けさせるのも横島は好きじゃないので対策に先手を打ったらしい。
ちなみに今年の春には庭で数匹の子猫が産まれていて、横島達や茶々丸は元よりタマモなんかは特に可愛がっていたりする。
「おさんぽはあぶないからひとりでいっちゃだめだよ。」
今年生まれた子猫はタマモにとって初めての年下の子達であり、今度は私がお姉さんだと張り切っていた。
元々ビッケとクッキは同い年のような関係であり他の猫達はみんな年上なので、実はタマモと猫達の関係はタマモが猫達に守られたり散歩に連れていってもらっている関係でもあるのだ。
今までは木乃香達にしろ猫達にしろみんな年上なので、年下の友達が出来たことが嬉しくて仕方ないらしい。
そして同じ頃二階ではハニワ兵が今年の夏の為に早くも夏服の製作に励んでいた。
ハニワ兵の個室である洋裁部屋はなんというか縫製工場かと疑いたくなるほどの機材や素材がたくさんあり、いつの間にか生産能力を上げている。
なおこの春には芦コーポレーションの新規事業としてオンラインショッピングサイトをつい先日立ち上げた影響で、横島宅のハニワ兵は異空間アジトの洋服作りが趣味の仲間達と一緒に土偶羅の許可のもとでこっそりと手作り洋服のオンラインショップを開店していた。
芦コーポレーションのオンラインショッピングサイトは同社のSNSであるカグヤと連動しているが、ハニワ兵達は自分達の店をオンラインSHOPオトヒメと名付けている。
当初はオリヒメと名付けやようとしていたようだが、珍しく横島がオリヒメは嫌だと言ったらしくオトヒメになったらしい。
ちなみにこのオンラインショッピングサイトは雪広グループと那波グループとの専属契約により両社や両社と親交がある麻帆良派企業の商品を一手に扱う為、オンラインショッピングサイト立ち上げ早々に品数や種類が日本最大規模となり注目を集めていた。
まあ商品確保から物流の仕組みなど具体的な販売システムはほぼ雪広と那波グループの既存の物流システムを用いることで初めて可能なことであり、外部から見ると雪広及び那波グループのインターネット事業を外注してるようにしか見えなかったが。
ただこれで両社と芦コーポレーションの事業が共同で拡大するのは確実であり、横島を可能な限り自分達の枠組みに取り込みたい近右衛門達からすると一段落といったところが本音だろう。
信頼や少女達との関係など現時点では横島と麻帆良を繋ぐ鎖は多いが、横島側から提供される情報の価値を考えると早く相応の利益を返す必要があった。
加えていくら土偶羅とはいえ同程度のオンラインショップを全国規模で展開するには、人材からノウハウや設備の取得に年単位の時間がかかり現状でも存在するオンラインビジネスに参入するには時間がかかりすぎるという問題も現実にはある。
結果としてみるとこの件は誰もが損をせず得する流れとなり進んでいた。