二年目の春・2
そして日曜の夜は新人研修のラストを飾る食事会であった。
場所は昨年末に学園主催のクリスマスパーティを行った麻帆良ホテルの大ホールになる。
新人に加えて既存の魔法協会員の参加も自由らしくそれなりの人数が集まるらしい。
「食事会はいいんだが、古ちゃん達がなぁ。」
食事会の内容は新人の歓迎会らしくタダ飯タダ酒だと喜ぶ横島であるが、少し頭の痛い問題は古菲と豪徳寺達に目をつけられたことか。
先日のカラオケでもさっそく今度一緒に修行をしようと何度か誘われており、横島は地味に対応に困っていた。
彼らの厄介なところは三度の飯よりバトルが好きなだけで根が善人でありきちんと礼儀も弁えてることだろう。
いっそ《ヒャッハー!バトルしようぜ!》などと勝手なことをいうならば逆に対応が楽なのだが。
「良かったら参加してください!」
「うちも良かったら……。」
そんな横島達はおしゃべりをしながら会場の大ホールに入るとすぐに大学生くらいの魔法協会員に囲まれて、次々とチラシやパンフレットを手渡される。
「西洋魔法研究会? こっちは東洋呪術研究会に民俗魔法研究会 に武装解除魔法愛好会?」
チラシやパンフレットの内容はよく大学などであるサークルの勧誘チラシと同じで、研究会やら愛好会などの名前の団体の魔法協会内サークルの勧誘チラシらしい。
「初めまして、関東魔法協会へようこそ。 実は今夜の食事会から魔法協会内サークルの勧誘規制が解除されるのよ。 うちは美容魔法研究会だから女の子も多いわ。 良かったら顔を出してみて。」
夕映とのどかは知っていたようだが横島を含めて他の少女達は一体何事だと目を白黒させるも、大学生の美人な女性が騒がしい訳を説明してくれていた。
なんというかノリが大学生そのものであるが、成人の魔法協会員もサークルには所属してるらしく中にはかなりお堅いサークルもあるようである。
ちなみに先に来ていたらしい古菲と豪徳寺達は、魔法バトル同好会なる名前を見ただけで内容が分かるサークルのちょっとむさ苦しい面々と盛り上がっていた。
「君が横島君か!? これ君の作った符だろう!!」
「ええ、確かにそうっすけど……。」
そして横島であるが何故かまるでロボットアニメに出てくる博士と呼ばれてそうな白髪の年配者に声を掛けられている。
年のわりにエキセントリックな雰囲気で発明品を爆発させてそうな危ない感じのする男性は、横島が以前魔法協会の新年会で皿を温めたり冷やしたりするのに使った超小型のお札を手に横島に詰めよっていて横島は気圧されるように返事をした。
「我が符術研究会は君を歓迎しよう!」
「あの、まだ入るって言ってないんですけど……。」
「大丈夫じゃ! 遠慮するな。 君の実力があればすぐにも予算が下りる! 明日にも貧乏から脱出じゃ!!」
この男性というかジジイはどうやら人の話を聞くタイプではないらしく、横島の肩をバンバンと叩くとサークルに入ることを前提に一人で話を進めていく。
周りの魔法協会員なんかはその様子に横島に同情するような視線を向けてることから、彼は相当変わり者で有名らしい。
「教授強引な勧誘はダメですよ。 それと彼は昨年の後半から魔法協会の支援者に加わってるほどで決して貧乏ではありません。」
このままでは勝手にサークルに入ることを決められてしまうと困惑する横島と少女達であるが助けは思いの外早く現れた。
「おお、明石くんか! ワシは気にせんから大丈夫じゃ!」
「教授が気にしなくてもダメです。」
助けに入ったのは横島も少女達も顔なじみである裕奈の父である明石教授だった。
場所は昨年末に学園主催のクリスマスパーティを行った麻帆良ホテルの大ホールになる。
新人に加えて既存の魔法協会員の参加も自由らしくそれなりの人数が集まるらしい。
「食事会はいいんだが、古ちゃん達がなぁ。」
食事会の内容は新人の歓迎会らしくタダ飯タダ酒だと喜ぶ横島であるが、少し頭の痛い問題は古菲と豪徳寺達に目をつけられたことか。
先日のカラオケでもさっそく今度一緒に修行をしようと何度か誘われており、横島は地味に対応に困っていた。
彼らの厄介なところは三度の飯よりバトルが好きなだけで根が善人でありきちんと礼儀も弁えてることだろう。
いっそ《ヒャッハー!バトルしようぜ!》などと勝手なことをいうならば逆に対応が楽なのだが。
「良かったら参加してください!」
「うちも良かったら……。」
そんな横島達はおしゃべりをしながら会場の大ホールに入るとすぐに大学生くらいの魔法協会員に囲まれて、次々とチラシやパンフレットを手渡される。
「西洋魔法研究会? こっちは東洋呪術研究会に民俗魔法研究会 に武装解除魔法愛好会?」
チラシやパンフレットの内容はよく大学などであるサークルの勧誘チラシと同じで、研究会やら愛好会などの名前の団体の魔法協会内サークルの勧誘チラシらしい。
「初めまして、関東魔法協会へようこそ。 実は今夜の食事会から魔法協会内サークルの勧誘規制が解除されるのよ。 うちは美容魔法研究会だから女の子も多いわ。 良かったら顔を出してみて。」
夕映とのどかは知っていたようだが横島を含めて他の少女達は一体何事だと目を白黒させるも、大学生の美人な女性が騒がしい訳を説明してくれていた。
なんというかノリが大学生そのものであるが、成人の魔法協会員もサークルには所属してるらしく中にはかなりお堅いサークルもあるようである。
ちなみに先に来ていたらしい古菲と豪徳寺達は、魔法バトル同好会なる名前を見ただけで内容が分かるサークルのちょっとむさ苦しい面々と盛り上がっていた。
「君が横島君か!? これ君の作った符だろう!!」
「ええ、確かにそうっすけど……。」
そして横島であるが何故かまるでロボットアニメに出てくる博士と呼ばれてそうな白髪の年配者に声を掛けられている。
年のわりにエキセントリックな雰囲気で発明品を爆発させてそうな危ない感じのする男性は、横島が以前魔法協会の新年会で皿を温めたり冷やしたりするのに使った超小型のお札を手に横島に詰めよっていて横島は気圧されるように返事をした。
「我が符術研究会は君を歓迎しよう!」
「あの、まだ入るって言ってないんですけど……。」
「大丈夫じゃ! 遠慮するな。 君の実力があればすぐにも予算が下りる! 明日にも貧乏から脱出じゃ!!」
この男性というかジジイはどうやら人の話を聞くタイプではないらしく、横島の肩をバンバンと叩くとサークルに入ることを前提に一人で話を進めていく。
周りの魔法協会員なんかはその様子に横島に同情するような視線を向けてることから、彼は相当変わり者で有名らしい。
「教授強引な勧誘はダメですよ。 それと彼は昨年の後半から魔法協会の支援者に加わってるほどで決して貧乏ではありません。」
このままでは勝手にサークルに入ることを決められてしまうと困惑する横島と少女達であるが助けは思いの外早く現れた。
「おお、明石くんか! ワシは気にせんから大丈夫じゃ!」
「教授が気にしなくてもダメです。」
助けに入ったのは横島も少女達も顔なじみである裕奈の父である明石教授だった。