二年目の春・2

それから横島達は翌日の土曜も翌翌日の日曜も最後の食事会以外は魔法協会の新人研修に参加することはなく、普段と変わらぬ週末を過ごしていた。

店はもちろん週末は学生で賑わっているが、あやかと夕映とのどかは超鈴音と共に納涼祭の会議と麻帆良カレーの会議にも参加している。

納涼祭に関しては残り五ヶ月を切り続々と具体的な決定が下されており、スポンサーや祭り会場もすでに決定していた。

スポンサーは芦コーポレーションをメインに雪広・那波両グループなど十数社にも及ぶスポンサーが付いていて、その影響もあり予算の目処が着いたことから会場も昨年の麻帆良湖畔公園をメイン会場として普段陸上競技などで使う麻帆良総合スタジアムを第二及会場として確保している。

内容も以前少し触れた通り麻帆良祭や既存の大小様々な夏祭りとの差別化の為に食に特化した祭りとすることが決まっているので、北は北海道から南は沖縄までご当地グルメを集める予定になっていた。

理想としては四十七都道府県全てからのご当地グルメを集めたいのだが、現状では北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄の地方区に分けて屋台を出す案で調整している。

ちなみに学園のサークル及び一般参加の枠も当然あり学園のサークルに関しては昨年協力してくれたサークルは主催者推薦枠での出店が既に決定していて、更に納涼祭実行委員会では残りのサークル及び一般参加枠の決定を麻帆良祭で一般人による投票で決定したいと調整を急いでいた。

これに関しては納涼祭実行委員会として麻帆良祭に参加したいとの意見があり、書類審査を通過した出店希望者には麻帆良祭で出店してもらい一般の人達に美味しい屋台や店を投票してもらう仕組みの予定だ。

元々納涼祭参加希望者のほぼ全てが麻帆良祭参加予定であることを利用して、納涼祭実行委員会では告知と投票の仕組みを作るだけでいいので比較的資金も手間もかからないことから考えられた案になる。

実は当初は料理大会の開催もとの案もあったが、場所の確保や設備の準備に資金と手間がかかりすぎるからと断念したなんて話もあるが。


次に麻帆良カレーに関しては、今月十五日に正式に実行委員会認定の麻帆良カレー提供店が発表されることになっていた。

すでに実行委員会及び提供店側の準備はほぼ終わっていて、あとは発表を待つばかりとなっている。

公式認定の麻帆良カレー提供店は二十五店からの始まりであり、これには横島のマホラカフェは元より超包子・雪広系ファミレス・学園の食堂棟に加えて宮脇兄妹の宮脇食堂も正式に加わる。

麻帆良カレーの方は昨年から今年の麻帆良祭に照準を合わせていただけに、すでに麻帆良市内各地での広報ポスターや地元メディアでの告知までいろいろ予定してるらしい。

横島は双方ともに相変わらずほとんどタッチしてないが、あやかや夕映とのどかはこの二つの仕事が大詰めなことで最近特に忙しかった。




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