二年目の春・2
その後は刀子が帰った店内で掃除や明日の仕込みをしていく横島であるが、なんとなく刀子が気にしていた葉加瀬のことを少し考えていた。
元々横島は葉加瀬のことをあまり気にしてなかったが、その理由として超鈴音とは交流があるが葉加瀬とはほとんど交流がないことがある。
麻帆良祭の時には超や千鶴と共に一緒に作業したし、横島自身も彼女が嫌いだという訳ではなく逆に嫌われてるとの認識もない。
ただ横島は基本的に店に来ない人間とは交流がなく葉加瀬は研究馬鹿なので店に来ないだけである。
突き詰めればお互い興味がないという人間関係では一番合わない関係だった。
相手に対して特に感情も興味もないので、木乃香達3ーAでは横島を意識的に避けている千雨よりもある意味縁遠いと言っても過言ではない。
現時点で超鈴音の計画に関しては超本人を止めると計画が止まることは確実であり、横島としては仮にその影響が自分の身内とも言える少女達や世話になっている近右衛門達に及ばないかとは考えるが超の側に着いた葉加瀬のその後についてはこれまた興味がないとの一言に尽きる。
超の技術を持つ彼女はいろいろこの先の世界に影響しそうだが実は超の技術はすでに土偶羅が密かに取得している上、茶々丸という現物まで横島の側にあるのではっきり言えば彼女を確保または保護なんかはする気は横島にはない。
まあ万が一の際に木乃香達や近右衛門が彼女を心配し助けたいと願うならば手を貸すくらいの気持ちはあるが、横島は本当にどっちでもいいという無関心さなのだ。
正直近右衛門も超鈴音ならばともかく葉加瀬単独ならばどうとでも出来るのだろうが、刀子は革命ともテロとも言える計画を行う理由がある超よりもたいした理由もなく協力する葉加瀬に苛立ちを感じたのだろうと横島は思う。
「科学に魂を売るか。」
そのままこの日の後片付けと仕込みを終えた横島は火の始末や戸締まりを確認して一階の店舗から外に出ていた。
外はすっかり夜であり西洋風な街並みと趣のある街灯の先に見えた月にふと視線を奪われると、横島は何故か先程刀子が好きではないと言ったその言葉が頭に浮かぶ。
実は生真面目な刀子と違い、横島は科学でも悪魔でも魂を売りたければ売ればいいと考えるので特にその点は否定的ではなかった。
超の技術を手に入れそれを葉加瀬がどうする気かは知らないが、卑怯なことでも裏技でも何でも使うのに慣れている横島からすると彼女のお手並み拝見というのが現状である。
現時点で横島は麻帆良や自分に影響が大きい超鈴音の計画を認めるつもりはないので、九割九分九厘彼女の計画は成功しないだろう。
先程刀子と本人も含めて身内が普通に生きられないと語ったが、実はそれは横島が居なければという前提もつく。
その上で葉加瀬本人は自身の行く先をどう考えてるのか刀子も横島も知りたいとは思ったが、現状ではそもそも横島も近右衛門も超の計画を外部に露見させるつもりなど全くない。
それどころか近右衛門は魔法協会幹部にも知られることなく片付けたいと考えているので、実は葉加瀬や他の協力者の家族や親戚縁者に危険が迫る可能性は彼女達が土偶羅や近右衛門を出し抜かないとあり得ないという宝くじもビックリな確率でしかあり得ないことなのだ。
「下っ端は辛いからなぁ。」
いろいろ考えたが葉加瀬のことは当面は驚異ではなく、彼女が超鈴音の技術をどうするか次第ということになる。
そしてそれよりも横島は刀子がこの話に関連して少し語っていた、魔法協会の末端の一般的な家族の苦労の方が気になっていた。
横島自身は元々下っ端以下といえる立場だったし、かつて最愛の女も自身を下っ端魔族だと語っていたことを思い出してしまうのだ。
出来ることならばそんな刀子とその家族に何かしてやりたいと考えていくことになる。
結局横島は現時点でも葉加瀬には興味がなかった。
元々横島は葉加瀬のことをあまり気にしてなかったが、その理由として超鈴音とは交流があるが葉加瀬とはほとんど交流がないことがある。
麻帆良祭の時には超や千鶴と共に一緒に作業したし、横島自身も彼女が嫌いだという訳ではなく逆に嫌われてるとの認識もない。
ただ横島は基本的に店に来ない人間とは交流がなく葉加瀬は研究馬鹿なので店に来ないだけである。
突き詰めればお互い興味がないという人間関係では一番合わない関係だった。
相手に対して特に感情も興味もないので、木乃香達3ーAでは横島を意識的に避けている千雨よりもある意味縁遠いと言っても過言ではない。
現時点で超鈴音の計画に関しては超本人を止めると計画が止まることは確実であり、横島としては仮にその影響が自分の身内とも言える少女達や世話になっている近右衛門達に及ばないかとは考えるが超の側に着いた葉加瀬のその後についてはこれまた興味がないとの一言に尽きる。
超の技術を持つ彼女はいろいろこの先の世界に影響しそうだが実は超の技術はすでに土偶羅が密かに取得している上、茶々丸という現物まで横島の側にあるのではっきり言えば彼女を確保または保護なんかはする気は横島にはない。
まあ万が一の際に木乃香達や近右衛門が彼女を心配し助けたいと願うならば手を貸すくらいの気持ちはあるが、横島は本当にどっちでもいいという無関心さなのだ。
正直近右衛門も超鈴音ならばともかく葉加瀬単独ならばどうとでも出来るのだろうが、刀子は革命ともテロとも言える計画を行う理由がある超よりもたいした理由もなく協力する葉加瀬に苛立ちを感じたのだろうと横島は思う。
「科学に魂を売るか。」
そのままこの日の後片付けと仕込みを終えた横島は火の始末や戸締まりを確認して一階の店舗から外に出ていた。
外はすっかり夜であり西洋風な街並みと趣のある街灯の先に見えた月にふと視線を奪われると、横島は何故か先程刀子が好きではないと言ったその言葉が頭に浮かぶ。
実は生真面目な刀子と違い、横島は科学でも悪魔でも魂を売りたければ売ればいいと考えるので特にその点は否定的ではなかった。
超の技術を手に入れそれを葉加瀬がどうする気かは知らないが、卑怯なことでも裏技でも何でも使うのに慣れている横島からすると彼女のお手並み拝見というのが現状である。
現時点で横島は麻帆良や自分に影響が大きい超鈴音の計画を認めるつもりはないので、九割九分九厘彼女の計画は成功しないだろう。
先程刀子と本人も含めて身内が普通に生きられないと語ったが、実はそれは横島が居なければという前提もつく。
その上で葉加瀬本人は自身の行く先をどう考えてるのか刀子も横島も知りたいとは思ったが、現状ではそもそも横島も近右衛門も超の計画を外部に露見させるつもりなど全くない。
それどころか近右衛門は魔法協会幹部にも知られることなく片付けたいと考えているので、実は葉加瀬や他の協力者の家族や親戚縁者に危険が迫る可能性は彼女達が土偶羅や近右衛門を出し抜かないとあり得ないという宝くじもビックリな確率でしかあり得ないことなのだ。
「下っ端は辛いからなぁ。」
いろいろ考えたが葉加瀬のことは当面は驚異ではなく、彼女が超鈴音の技術をどうするか次第ということになる。
そしてそれよりも横島は刀子がこの話に関連して少し語っていた、魔法協会の末端の一般的な家族の苦労の方が気になっていた。
横島自身は元々下っ端以下といえる立場だったし、かつて最愛の女も自身を下っ端魔族だと語っていたことを思い出してしまうのだ。
出来ることならばそんな刀子とその家族に何かしてやりたいと考えていくことになる。
結局横島は現時点でも葉加瀬には興味がなかった。