二年目の春・2
一方エヴァ宅ではエヴァとチャチャゼロが昼間っから酒を飲んでいた。
例年ならば花粉症に悩まされていたエヴァは呪いからの解放により花粉症からも解放されたからか最近は機嫌もいい。
相変わらず自堕落な生活を送っているが表向きは呪いにかかったままということになっているので、家で大人しくしてるのが一番だという事情もある。
欲を言えば何処か桜の名所にでも行って花見酒といきたいところだが、桜は見たいが人混みはあまり好きではないので家で飲んでいた。
「茶々丸はどうした?」
「マタ花壇ジャネエカ?」
先日横島に頼んで異空間アジト産の酒を大量に貰ってからは酒に不自由してなく気兼ねなく飲んでいる二人であるが、ふと気がつくと先程まで家事をしていた茶々丸の姿が見えない。
特に用事がある訳ではないが何となく気になったエヴァはチャチャゼロが指摘した家の裏に行ってみることにする。
「マスター、何か用事でしょうか?」
元々森に囲まれているエヴァ宅は特に庭らしいものもなく、去年などは茶々丸が敷地内の草刈りを定期的に行うくらいであった。
しかし今年の春は何故か花壇が作りたいと言い出し、エヴァの許可の元で家の裏に花壇を作っていたのだ。
「いや。」
ホームセンターから購入してきたレンガで囲われた小さな花壇には花の種や球根を植えたらしく、暇さえあれば茶々丸はそれを眺めて芽が出るのを楽しみにしている。
エヴァもチャチャゼロも特に理由は聞いてないが、恐らく昨年から通っていた横島宅の庭を見ていて自分も植物を育てたくなったのであろうと予想していた。
「桜の木でも植えましょうか。」
「うむ、それはいいな。」
家の周りは針葉樹の森であり、はっきり言って一年を通して代わり映えのしない景色である。
元はメガロメセンブリア人の屋敷があった場所なのであえて周囲の街から見えないようにしたのだろうが、エヴァは正直あまり好きな景色ではない。
自分では草花を育てたいとは思わないが元々可愛いものが好きだったりと女の子らしい趣味志向もあるので、茶々丸が花壇を作るのには賛成だった。
とりあえずは小さな花壇から始めて広げていく予定らしく、ゆくゆくは樹木も植えたいと語り桜の木も植えたいと語る茶々丸は充実した表情を見せる。
そんな茶々丸にエヴァは思えばこの一年余りで変わったなと改めて思う。
自らの創造主である超鈴音に反旗を翻したかと思えば、こうして花壇を作ったりと日常を楽しむことも忘れない。
超鈴音の件は未だに考えてるようではあるが、それに対し機械的にすぐに答えを出さないことこそが茶々丸の成長と言えよう。
いつまで続くかは分からないが、こんな日々がしばらくは続いて欲しいとエヴァは春の風を感じながら願っていた。
例年ならば花粉症に悩まされていたエヴァは呪いからの解放により花粉症からも解放されたからか最近は機嫌もいい。
相変わらず自堕落な生活を送っているが表向きは呪いにかかったままということになっているので、家で大人しくしてるのが一番だという事情もある。
欲を言えば何処か桜の名所にでも行って花見酒といきたいところだが、桜は見たいが人混みはあまり好きではないので家で飲んでいた。
「茶々丸はどうした?」
「マタ花壇ジャネエカ?」
先日横島に頼んで異空間アジト産の酒を大量に貰ってからは酒に不自由してなく気兼ねなく飲んでいる二人であるが、ふと気がつくと先程まで家事をしていた茶々丸の姿が見えない。
特に用事がある訳ではないが何となく気になったエヴァはチャチャゼロが指摘した家の裏に行ってみることにする。
「マスター、何か用事でしょうか?」
元々森に囲まれているエヴァ宅は特に庭らしいものもなく、去年などは茶々丸が敷地内の草刈りを定期的に行うくらいであった。
しかし今年の春は何故か花壇が作りたいと言い出し、エヴァの許可の元で家の裏に花壇を作っていたのだ。
「いや。」
ホームセンターから購入してきたレンガで囲われた小さな花壇には花の種や球根を植えたらしく、暇さえあれば茶々丸はそれを眺めて芽が出るのを楽しみにしている。
エヴァもチャチャゼロも特に理由は聞いてないが、恐らく昨年から通っていた横島宅の庭を見ていて自分も植物を育てたくなったのであろうと予想していた。
「桜の木でも植えましょうか。」
「うむ、それはいいな。」
家の周りは針葉樹の森であり、はっきり言って一年を通して代わり映えのしない景色である。
元はメガロメセンブリア人の屋敷があった場所なのであえて周囲の街から見えないようにしたのだろうが、エヴァは正直あまり好きな景色ではない。
自分では草花を育てたいとは思わないが元々可愛いものが好きだったりと女の子らしい趣味志向もあるので、茶々丸が花壇を作るのには賛成だった。
とりあえずは小さな花壇から始めて広げていく予定らしく、ゆくゆくは樹木も植えたいと語り桜の木も植えたいと語る茶々丸は充実した表情を見せる。
そんな茶々丸にエヴァは思えばこの一年余りで変わったなと改めて思う。
自らの創造主である超鈴音に反旗を翻したかと思えば、こうして花壇を作ったりと日常を楽しむことも忘れない。
超鈴音の件は未だに考えてるようではあるが、それに対し機械的にすぐに答えを出さないことこそが茶々丸の成長と言えよう。
いつまで続くかは分からないが、こんな日々がしばらくは続いて欲しいとエヴァは春の風を感じながら願っていた。