二年目の春・2
「ほら、そこふざけてると怪我するわよ!」
同じ頃刀子は女子中等部の校庭で部活をする生徒達の監督をしていた。
本来刀子は文化部の顧問を幾つか努めていて運動部の顧問ではないが、教師は職業柄忙しいので時々生徒の監督くらいはすることがある。
ただ麻帆良学園では中等部そのものが複数あり中にはスポーツ専攻の中等部なんかもあって、基本的に女子中等部の運動部はあまり厳しくはない。
それに麻帆良学園では元々メガロメセンブリアが運営していたこともあって過去には一般的な日本の学校ほど部活動に学園側が熱心でなかったという事実もあるし、加えて日本独特の精神論や体育会系のやり方をかなり早い段階から否定していた歴史もある。
その影響もあってか麻帆良学園では個々ではオリンピック選手やプロ選手を輩出することはあっても、部活動単位での強豪校として知られている訳ではない。
まあ近年はスポーツに科学的なトレーニングをいち早く取り入れるなどしてそれなりに知られてはいるが、女子中等部はどちらかといえばそこまで熱心でないのが現状だった。
「疲れた~!! もう切り上げてマスターのとこでも遊びに行こうよ。」
「いいわね。 でも今日って確か休みで屋台のイベントやる日じゃなかった?」
「あれ? そうだっけ? 先生、今日ってお店休みでしたっけ?」
この日刀子が監督してたのは陸上部で顧問がいないからか自主練習らしく、お昼頃には帰る生徒が多くいる。
何人か残っている生徒もそろそろ帰ってとおしゃべりをしていたが、ふと横島の店の話になると今日休みかどうかはっきりしないらしく確認しようと刀子に尋ねていた。
「今日は休みよ。 世界樹前広場に行けば屋台やってるだろうけど絶対混んでるわよ。」
当然知っているだろうと尋ねる生徒達だが、中等部では横島と刀子が親しいのは最早知らぬ者が居ないほど有名になっているのだ。
最初に麻帆良亭の復活をした日には店の手伝いまでして、その時のエプロン姿の写真が出回っているなんて事情もあるが。
一応刀子は木乃香とは昔からの知り合いで友人だからと言い訳を語ってはいるものの、木乃香達がガチガチに固めてる横島の周囲にただ一人入り込んでいるらしい大人の女性ということで噂好きな女子中学生の注目を集めている。
元々横島が来た昨年から性格が変わったというか、以前と比べて話しやすくなったと評判だけに横島とは男女の関係なのではとの噂も相変わらずあった。
「うわっ~、休みか。 流石に今から行って並ぶのもね。」
その結果現状では刀子も横島や木乃香達と親しいのをある程度認めていて、というか下手に否定すると噂に尾びれどころか手足が生えて走り出すほどになるので親しい友人だとは認めることにしている。
まあ流石に異性の生徒だとあまり親しくすると問題になるのだろうが、木乃香達は同性であり横島は学園とは無関係なので現状では特に問題にはなってない。
「先生の顔パスでなんとかなんないんですか?」
「なるわけないでしょ。」
もう部活を続ける気はないらしく校庭の芝生に座り込んでこのあとの話をする生徒達を、刀子は少し困ったように眺めながら他の生徒達にも気を配って監督してく。
同じ頃刀子は女子中等部の校庭で部活をする生徒達の監督をしていた。
本来刀子は文化部の顧問を幾つか努めていて運動部の顧問ではないが、教師は職業柄忙しいので時々生徒の監督くらいはすることがある。
ただ麻帆良学園では中等部そのものが複数あり中にはスポーツ専攻の中等部なんかもあって、基本的に女子中等部の運動部はあまり厳しくはない。
それに麻帆良学園では元々メガロメセンブリアが運営していたこともあって過去には一般的な日本の学校ほど部活動に学園側が熱心でなかったという事実もあるし、加えて日本独特の精神論や体育会系のやり方をかなり早い段階から否定していた歴史もある。
その影響もあってか麻帆良学園では個々ではオリンピック選手やプロ選手を輩出することはあっても、部活動単位での強豪校として知られている訳ではない。
まあ近年はスポーツに科学的なトレーニングをいち早く取り入れるなどしてそれなりに知られてはいるが、女子中等部はどちらかといえばそこまで熱心でないのが現状だった。
「疲れた~!! もう切り上げてマスターのとこでも遊びに行こうよ。」
「いいわね。 でも今日って確か休みで屋台のイベントやる日じゃなかった?」
「あれ? そうだっけ? 先生、今日ってお店休みでしたっけ?」
この日刀子が監督してたのは陸上部で顧問がいないからか自主練習らしく、お昼頃には帰る生徒が多くいる。
何人か残っている生徒もそろそろ帰ってとおしゃべりをしていたが、ふと横島の店の話になると今日休みかどうかはっきりしないらしく確認しようと刀子に尋ねていた。
「今日は休みよ。 世界樹前広場に行けば屋台やってるだろうけど絶対混んでるわよ。」
当然知っているだろうと尋ねる生徒達だが、中等部では横島と刀子が親しいのは最早知らぬ者が居ないほど有名になっているのだ。
最初に麻帆良亭の復活をした日には店の手伝いまでして、その時のエプロン姿の写真が出回っているなんて事情もあるが。
一応刀子は木乃香とは昔からの知り合いで友人だからと言い訳を語ってはいるものの、木乃香達がガチガチに固めてる横島の周囲にただ一人入り込んでいるらしい大人の女性ということで噂好きな女子中学生の注目を集めている。
元々横島が来た昨年から性格が変わったというか、以前と比べて話しやすくなったと評判だけに横島とは男女の関係なのではとの噂も相変わらずあった。
「うわっ~、休みか。 流石に今から行って並ぶのもね。」
その結果現状では刀子も横島や木乃香達と親しいのをある程度認めていて、というか下手に否定すると噂に尾びれどころか手足が生えて走り出すほどになるので親しい友人だとは認めることにしている。
まあ流石に異性の生徒だとあまり親しくすると問題になるのだろうが、木乃香達は同性であり横島は学園とは無関係なので現状では特に問題にはなってない。
「先生の顔パスでなんとかなんないんですか?」
「なるわけないでしょ。」
もう部活を続ける気はないらしく校庭の芝生に座り込んでこのあとの話をする生徒達を、刀子は少し困ったように眺めながら他の生徒達にも気を配って監督してく。