二年目の春・2
そのまま行列は途切れることなく営業は続くが、お昼頃になるとお昼過ぎに休憩時間を挟むために明らかに休憩前に間に合わない人は整理券を配り一旦行列を解散させていた。
食べるまで全体で一時間半から二時間は平均して並んでおり中には文句をつける者も居たが、混雑や休憩時間は事前に告知しているので混乱するほどではない。
この辺りはイベント慣れしている主催サークルが抜かりなく対応しているので、坂本夫妻や横島達は負担がなかったことは幸いだろう。
「みなさん、お疲れさまです。」
そして休憩時間に入ると屋台の裏に仮設のテーブルが置かれ同じく付近の屋台から買ってきた食事が用意されていた。
現状では何人かのサークルの人は説明のために屋台の前に出ているが、横島達を含めたほとんどはようやく一息つけることになる。
「評判は上々ですよ。」
すでにお昼が過ぎてることもあり坂本夫妻を含めたみんな空腹で食べながら午前の報告を始めるが、主催サークルの人間が売り上げや評判など報告をするが全体的に上々のようであった。
「みんな青空の下での洋食もいいって言ってますね。」
見上げれば屋台の裏にも桜があり、桜を見ながらの昼食となっている。
特設ステージからの音楽が聞こえたりと賑やかで、これぞ日本の花見といった雰囲気だ。
「こういう機会はなかなかないものね。」
木乃香達も横島も主催サークルの大学生達も坂本夫妻からするとみんな自身の子供より若い孫に近いだけに、そんなメンバーと一緒に仕事が出来ることが坂本夫妻の妻は楽しいように見える。
ただ問題も全くない訳ではなく元々屋台としては不向きな洋食を提供してるだけに、イベントの注目度から考えると人を捌ききれてないのが現状だった。
しかしこればっかりは仕方ないとしか言いようがなく、下手に大量提供しようとして質を落とすのは本末転倒なので仕方ない。
まあもし次回以降似たようなことをするならばメニューをもう少し考えるべきかもしれないが、麻帆良亭の名前でやる限りはそれもまた難しい。
結局は坂本夫妻が店を閉める前に悩んだ悩みに近いものがあることからもこの問題は難しく、何から何まで上手くいくものではないと木乃香達はもちろんのこと横島も実感することになる。
「それにしても募金いっぱい集めたな。」
一方よほどお腹を空かせていたのか口の周りに焼きそばのソースをつけながらズルズルと焼きそばを頬張るタマモの前には、午前中にタマモが持っていた募金箱がそのまま置かれていた。
「うん! みんなぼきんしてくれたの!」
それほど小さい箱ではないが募金箱はすでに八分目を越えるほど入っていて結構重さがある。
タマモは凄いでしょと言いたげに胸を張り笑顔を見せるが、僅か半日でしかも行列の整理をしていたタマモが集めたにしてはかなりの量になる。
「重かったろ? 無理しちゃダメだぞ。」
日頃からお手伝いを浴するタマモであるが、今日の働きはまた別格だった。
横島はとりあえず午後は少し休むようにと言うものの本人が拒否してしまい一緒に頑張ると言って聞かないので、せめて新しい募金箱に交換するようにと言うしかなかった。
食べるまで全体で一時間半から二時間は平均して並んでおり中には文句をつける者も居たが、混雑や休憩時間は事前に告知しているので混乱するほどではない。
この辺りはイベント慣れしている主催サークルが抜かりなく対応しているので、坂本夫妻や横島達は負担がなかったことは幸いだろう。
「みなさん、お疲れさまです。」
そして休憩時間に入ると屋台の裏に仮設のテーブルが置かれ同じく付近の屋台から買ってきた食事が用意されていた。
現状では何人かのサークルの人は説明のために屋台の前に出ているが、横島達を含めたほとんどはようやく一息つけることになる。
「評判は上々ですよ。」
すでにお昼が過ぎてることもあり坂本夫妻を含めたみんな空腹で食べながら午前の報告を始めるが、主催サークルの人間が売り上げや評判など報告をするが全体的に上々のようであった。
「みんな青空の下での洋食もいいって言ってますね。」
見上げれば屋台の裏にも桜があり、桜を見ながらの昼食となっている。
特設ステージからの音楽が聞こえたりと賑やかで、これぞ日本の花見といった雰囲気だ。
「こういう機会はなかなかないものね。」
木乃香達も横島も主催サークルの大学生達も坂本夫妻からするとみんな自身の子供より若い孫に近いだけに、そんなメンバーと一緒に仕事が出来ることが坂本夫妻の妻は楽しいように見える。
ただ問題も全くない訳ではなく元々屋台としては不向きな洋食を提供してるだけに、イベントの注目度から考えると人を捌ききれてないのが現状だった。
しかしこればっかりは仕方ないとしか言いようがなく、下手に大量提供しようとして質を落とすのは本末転倒なので仕方ない。
まあもし次回以降似たようなことをするならばメニューをもう少し考えるべきかもしれないが、麻帆良亭の名前でやる限りはそれもまた難しい。
結局は坂本夫妻が店を閉める前に悩んだ悩みに近いものがあることからもこの問題は難しく、何から何まで上手くいくものではないと木乃香達はもちろんのこと横島も実感することになる。
「それにしても募金いっぱい集めたな。」
一方よほどお腹を空かせていたのか口の周りに焼きそばのソースをつけながらズルズルと焼きそばを頬張るタマモの前には、午前中にタマモが持っていた募金箱がそのまま置かれていた。
「うん! みんなぼきんしてくれたの!」
それほど小さい箱ではないが募金箱はすでに八分目を越えるほど入っていて結構重さがある。
タマモは凄いでしょと言いたげに胸を張り笑顔を見せるが、僅か半日でしかも行列の整理をしていたタマモが集めたにしてはかなりの量になる。
「重かったろ? 無理しちゃダメだぞ。」
日頃からお手伝いを浴するタマモであるが、今日の働きはまた別格だった。
横島はとりあえず午後は少し休むようにと言うものの本人が拒否してしまい一緒に頑張ると言って聞かないので、せめて新しい募金箱に交換するようにと言うしかなかった。