二年目の春・2
以前にも少し説明したが地元の高校や大学ならいざ知らず関東圏の麻帆良学園に親元を離れて通うのは、学費はともかく生活費や寮費を考慮すると一般家庭では楽ではないのだ。
ならば地元の高校や大学に進学すればいいと思うかもしれないが、一般的な高校や大学とは教育方針が違う麻帆良学園は人気であり苦労しても入れたいと願う親が世の中には居るのが現実であった。
実は昨年の麻帆良祭で有名になった麻帆良カレーなんかもその一翼を担っていたりするが。
単純な偏差値などでは測れない成果を生徒が産み出したのは何も麻帆良カレーが初ではない。
前例がさほど多くはないものの生徒の活動が企業と結び付き利益になることは麻帆良学園の特徴の一つとしても上げられる。
「ぼきんおねがいします!」
「お嬢ちゃん、その年でボランティアに参加してるのか? よし募金しよう。」
一方そんな学生達が雑談をしてる頃、タマモは何故か募金箱を首から下げて募金をお願いしていた。
屋台が開店する頃になると麻帆良学園の生徒によるボランティアサークルが今回のイベントの一貫として奨学金基金の募金活動をしようと、隣のブースで募金をお願いする活動をしていたのだがそれに興味を持ったタマモが屋台の仕事をしつつ募金もお願いすることを始めていたのである。
まだ幼いタマモが募金箱を持ちながら仕事をすると大人と比べて募金箱が一際大きく見えてしまい、その光景に微笑ましさを感じると同時にタマモの純粋な心が伝わるようであった。
ちなみにタマモに関しては店の常連に近所や散歩コースの住人の間では割と有名な子供だったが、学生に関しても女子中高生や大学生を中心にそれなりに顔を知られている。
昨年の体育祭では保護者による野球大会で横島が臨時に出場した女子中等部チームの優勝写真に写ったりしたし、横島はもちろんのこと木乃香や夕映など周りが有名人なので必然的にタマモの存在も結構有名だった。
人懐っこいタマモはとにかく顔が広く友達も多いので、行列に並ぶ人にメニューのチラシを配って待ち時間を教えつつ次々と募金を集めることに成功する。
「タマモのやつ募金の意味分かってるのか?」
「大丈夫ですよ。 この前私達が教えましたから。」
その頃横島は次々と入る注文を受けて忙しく働いていたが、屋台の前が騒がしくなりタマモの募金活動に気づいていた。
横島自身は相変わらずタマモの躾などしてないので募金と言いつつお金を集めるタマモが意味を理解してるのかと心配そうに見ているが、周りの木乃香達や坂本夫妻はその様子に笑ってしまう。
日頃から良くも悪くもいい加減な横島であるが、タマモに関しては子煩悩というか親馬鹿なのだ。
自分のモノにならないときちんと理解してるのかと不安なようだが、その点に関しては近くで同じく調理しているのどかが先日みんなで教えたことを伝えていた。
「そっか、ならいいんだが。」
結局のどかの言葉を信じてタマモのことは大人しく見守ることにするが、それでも心配なのはまだあるらしく時々タマモの方をチラチラと見ていくことになる。
正直横島としてはなんでタマモがあんなに他人思いのいい子になったのか分からず相変わらず不思議な気分でもあったが。
ならば地元の高校や大学に進学すればいいと思うかもしれないが、一般的な高校や大学とは教育方針が違う麻帆良学園は人気であり苦労しても入れたいと願う親が世の中には居るのが現実であった。
実は昨年の麻帆良祭で有名になった麻帆良カレーなんかもその一翼を担っていたりするが。
単純な偏差値などでは測れない成果を生徒が産み出したのは何も麻帆良カレーが初ではない。
前例がさほど多くはないものの生徒の活動が企業と結び付き利益になることは麻帆良学園の特徴の一つとしても上げられる。
「ぼきんおねがいします!」
「お嬢ちゃん、その年でボランティアに参加してるのか? よし募金しよう。」
一方そんな学生達が雑談をしてる頃、タマモは何故か募金箱を首から下げて募金をお願いしていた。
屋台が開店する頃になると麻帆良学園の生徒によるボランティアサークルが今回のイベントの一貫として奨学金基金の募金活動をしようと、隣のブースで募金をお願いする活動をしていたのだがそれに興味を持ったタマモが屋台の仕事をしつつ募金もお願いすることを始めていたのである。
まだ幼いタマモが募金箱を持ちながら仕事をすると大人と比べて募金箱が一際大きく見えてしまい、その光景に微笑ましさを感じると同時にタマモの純粋な心が伝わるようであった。
ちなみにタマモに関しては店の常連に近所や散歩コースの住人の間では割と有名な子供だったが、学生に関しても女子中高生や大学生を中心にそれなりに顔を知られている。
昨年の体育祭では保護者による野球大会で横島が臨時に出場した女子中等部チームの優勝写真に写ったりしたし、横島はもちろんのこと木乃香や夕映など周りが有名人なので必然的にタマモの存在も結構有名だった。
人懐っこいタマモはとにかく顔が広く友達も多いので、行列に並ぶ人にメニューのチラシを配って待ち時間を教えつつ次々と募金を集めることに成功する。
「タマモのやつ募金の意味分かってるのか?」
「大丈夫ですよ。 この前私達が教えましたから。」
その頃横島は次々と入る注文を受けて忙しく働いていたが、屋台の前が騒がしくなりタマモの募金活動に気づいていた。
横島自身は相変わらずタマモの躾などしてないので募金と言いつつお金を集めるタマモが意味を理解してるのかと心配そうに見ているが、周りの木乃香達や坂本夫妻はその様子に笑ってしまう。
日頃から良くも悪くもいい加減な横島であるが、タマモに関しては子煩悩というか親馬鹿なのだ。
自分のモノにならないときちんと理解してるのかと不安なようだが、その点に関しては近くで同じく調理しているのどかが先日みんなで教えたことを伝えていた。
「そっか、ならいいんだが。」
結局のどかの言葉を信じてタマモのことは大人しく見守ることにするが、それでも心配なのはまだあるらしく時々タマモの方をチラチラと見ていくことになる。
正直横島としてはなんでタマモがあんなに他人思いのいい子になったのか分からず相変わらず不思議な気分でもあったが。