二年目の春・2
翌朝横島が起きたのはまだ夜明け前だった。
少し眠そうなタマモと一緒に起きた横島は、身支度を整え前日から泊まっていた坂本夫妻と前日の夜から手伝いに来ている弟子の藤井と共に仕込みを始める。
さよとタマモは庭の猫達にご飯をあげたり庭の草花に水をあげたりしたあとで手伝うが、この日はとにかく仕込みが多いので包丁を使わせてないタマモと料理が苦手なさよでも手伝えるような雑用がいくらでもあった。
食材に関しては朝一番で雪広グループの配送で届いているがこの日は小型の配達トラック一台全てが麻帆良亭の食材であり、このトラックは今日はそのまま近くで待機して桜祭り会場まで仕込んだ食材などを運んでくれることになっている。
「はれてよかったね!」
「てるてる坊主がお天気をよくしてくれたのかもね。」
そんなこの日の天気は夜明け前から快晴だった。
東の空が明るくなり始めると綺麗な朝焼けが見えていて、窓から差し込む朝の日差しに雑用をしていたタマモとさよは思わず手を止めて魅入ってしまう。
この日の天気予報は曇りのち一時的に雨だとの予報が前日にはされていたので、さよとタマモでてるてる坊主を作って二階の窓際に吊るしていたのだ。
その成果があったのかなかったのか不明だが、予報は見事に外れている。
「おはようございます~。」
「タマちゃん、おはよう。」
そして夜が明けて街が動き始めた頃になると木乃香達四人が手伝いにやって来た。
調理自体は会場の特設屋台にて行うが可能な仕込みは店でやっていく予定なので、木乃香達も仕込みや雑用を手伝い準備をしていく。
ちなみに横島も木乃香達もこの日は完全にボランティアになっていて無報酬で働くことに決めている。
当初横島は木乃香達にはバイト代を普通に払うつもりだったものの、そこは木乃香達がキッパリと拒否していた。
別にボランティアをしたいというほど強い意志がある訳ではないのだが、横島の存在もあって自分達が恵まれてるという自覚はあるのでこういう時くらいは一緒にボランティアをしようと木乃香達で話し合ったらしい。
「木乃香ちゃん、ショートケーキ頼むわ。」
そのまま一つ一つ確認しながら仕込みは続くがメニューはやはり店で出すよりは少なく、夏場などに人気だった手作りアイスクリームやパフェなんかは手間と設備の関係で販売出来ないのでスイーツはケーキのみにして種類も限定している。
メインの料理も手間と設備の関係で完全には販売出来ないが、それでも当初の予定よりはだいぶ増えていて人気のあるメニューはほぼ作ることになっていた。
ただその分だけ調理が出来るメンバーは大変ではあったが。
「任せといてな。」
今回横島は料理の仕込みに手が離せずケーキは完全に木乃香に任せていて、木乃香は明日菜に力のいる作業をのどかに繊細な作業を手伝ってもらいつつケーキを焼いていく。
ケーキ自体はオーソドックスな物を選んでいたが味は坂本夫妻の要望で昔ながらの味にしていて、日頃横島の店で販売してるケーキとはひと味違う。
一階の厨房は仕込みで場所がないのでこの日の朝食は坂本夫妻の妻が二階で作った物をみんなで食べると、いよいよ仕込んだ食材などと共に祭り会場に移動することになる。
少し眠そうなタマモと一緒に起きた横島は、身支度を整え前日から泊まっていた坂本夫妻と前日の夜から手伝いに来ている弟子の藤井と共に仕込みを始める。
さよとタマモは庭の猫達にご飯をあげたり庭の草花に水をあげたりしたあとで手伝うが、この日はとにかく仕込みが多いので包丁を使わせてないタマモと料理が苦手なさよでも手伝えるような雑用がいくらでもあった。
食材に関しては朝一番で雪広グループの配送で届いているがこの日は小型の配達トラック一台全てが麻帆良亭の食材であり、このトラックは今日はそのまま近くで待機して桜祭り会場まで仕込んだ食材などを運んでくれることになっている。
「はれてよかったね!」
「てるてる坊主がお天気をよくしてくれたのかもね。」
そんなこの日の天気は夜明け前から快晴だった。
東の空が明るくなり始めると綺麗な朝焼けが見えていて、窓から差し込む朝の日差しに雑用をしていたタマモとさよは思わず手を止めて魅入ってしまう。
この日の天気予報は曇りのち一時的に雨だとの予報が前日にはされていたので、さよとタマモでてるてる坊主を作って二階の窓際に吊るしていたのだ。
その成果があったのかなかったのか不明だが、予報は見事に外れている。
「おはようございます~。」
「タマちゃん、おはよう。」
そして夜が明けて街が動き始めた頃になると木乃香達四人が手伝いにやって来た。
調理自体は会場の特設屋台にて行うが可能な仕込みは店でやっていく予定なので、木乃香達も仕込みや雑用を手伝い準備をしていく。
ちなみに横島も木乃香達もこの日は完全にボランティアになっていて無報酬で働くことに決めている。
当初横島は木乃香達にはバイト代を普通に払うつもりだったものの、そこは木乃香達がキッパリと拒否していた。
別にボランティアをしたいというほど強い意志がある訳ではないのだが、横島の存在もあって自分達が恵まれてるという自覚はあるのでこういう時くらいは一緒にボランティアをしようと木乃香達で話し合ったらしい。
「木乃香ちゃん、ショートケーキ頼むわ。」
そのまま一つ一つ確認しながら仕込みは続くがメニューはやはり店で出すよりは少なく、夏場などに人気だった手作りアイスクリームやパフェなんかは手間と設備の関係で販売出来ないのでスイーツはケーキのみにして種類も限定している。
メインの料理も手間と設備の関係で完全には販売出来ないが、それでも当初の予定よりはだいぶ増えていて人気のあるメニューはほぼ作ることになっていた。
ただその分だけ調理が出来るメンバーは大変ではあったが。
「任せといてな。」
今回横島は料理の仕込みに手が離せずケーキは完全に木乃香に任せていて、木乃香は明日菜に力のいる作業をのどかに繊細な作業を手伝ってもらいつつケーキを焼いていく。
ケーキ自体はオーソドックスな物を選んでいたが味は坂本夫妻の要望で昔ながらの味にしていて、日頃横島の店で販売してるケーキとはひと味違う。
一階の厨房は仕込みで場所がないのでこの日の朝食は坂本夫妻の妻が二階で作った物をみんなで食べると、いよいよ仕込んだ食材などと共に祭り会場に移動することになる。