二年目の春
「主と姫御子はまだ見つからぬか。」
「世界は広いからね。 ただ姫御子はともかく主まで見つからないのはちょっと想定外かな。 主を封じれる場所は限られてるとおもったんだけど。 やはり鍵を握るのは近衛詠春かもしれない。 奴ならば主と姫御子の行方を知っているだろう。」
同じ頃、魔法世界の辺境の古い遺跡で秘密結社完全なる世界のデュナミスとフェイトが会っていた。
土偶羅による暴露により関西呪術協会への潜入に失敗したフェイトは、その後は自身が開発した他人への成り代わりの魔法を用いて地球と魔法世界の双方で主たる創造主と魔法世界の鍵である黄昏の姫御子を探しているが未だに手掛かりさえ掴めないままだった。
関西への潜入の失敗のあと正体がバレた原因が不明なため日本を後回しにした結果なのだが、フェイトはやはり詠春が創造主や姫御子の行方を知っていると考えてるようである。
ただ土偶羅による暴露の後もフェイトは二度ほどメガロメセンブリアの工作員に自身の痕跡を見つかっていて、それが原因で一部では存在を疑問視する声があったフェイトが健在だとメガロメセンブリアに露見したことが地味に痛かった。
メガロメセンブリアはフェイトが地球や魔法世界の霊的な要所に出没してることも掴んでいるので、フェイトの主と姫御子の捜索は以前ほど簡単ではなくなっている。
ちなみにこれに関しては土偶羅は無関係で純粋にメガロメセンブリアの諜報機関の実力によるものになる。
「クルト・ゲーデルの失脚と高畑・T・タカミチの動きが止まったことはプラスだけど、あの二人がただ黙っているはずもないからそっちも警戒しないとダメだし。」
ここのところフェイトは詠春の支配する関西への潜入を再び考えタイミングを見計らっているが、メガロメセンブリアの追手が厳しくなってる現状とクルトと高畑の動きが読めないことで安易に動けなくなっていた。
そもそもフェイトが探し物の鍵を握ると見ている詠春は二十年前の大戦からの宿敵であり、デュナミスなどは特に詠春を良く知っている。
仮に詠春が創造主や姫御子の行方を知っていても安易に教えるはずはなく、詠春の口を割らせるには相応の策が必要だった。
実はフェイトは詠春の娘である木乃香を捕らえて詠春から情報を引き出そうという考えもあったが、フェイトが調べた限りでは最近は高畑が木乃香の護衛に加わっているとの情報もあり迂闊に手が出せない。
「まるで誰かがこちらの手の内を見抜いているみたいだな。」
「ならいっそ方針転換してサウザンドマスターの息子でも狙ってみるかい? 少なくとも近衛詠春の娘よりは捕らえやすいしタカミチは動くんじゃないかな。」
今まで可能な限りリスクを避けて来たフェイトであるが、この先はどの方法を選んでもリスクは高まってしまう。
まあかつてのように再び活動を控えるなりすればリスクが少なくはなるが、残された時間が限られてる以上はあまり悠長なことは言ってられなかった。
結局現状で高畑や詠春から情報を得るにはエサを用意するなり周辺で騒ぎを起こすなり何かしらの策が必要なのだ。
ただ詠春や高畑の近くで木乃香を捕らえるよりは単純に考えてネギを捕らえる方が簡単ではあるが、こちらはこちらで魔法世界のみならず地球側の魔法協会にも監視されてるので見つかる可能性が高くなる。
最終的にリスクを避けて再び活動を控えるか、リスクを覚悟で動くか決断の時を迎えていた。
「世界は広いからね。 ただ姫御子はともかく主まで見つからないのはちょっと想定外かな。 主を封じれる場所は限られてるとおもったんだけど。 やはり鍵を握るのは近衛詠春かもしれない。 奴ならば主と姫御子の行方を知っているだろう。」
同じ頃、魔法世界の辺境の古い遺跡で秘密結社完全なる世界のデュナミスとフェイトが会っていた。
土偶羅による暴露により関西呪術協会への潜入に失敗したフェイトは、その後は自身が開発した他人への成り代わりの魔法を用いて地球と魔法世界の双方で主たる創造主と魔法世界の鍵である黄昏の姫御子を探しているが未だに手掛かりさえ掴めないままだった。
関西への潜入の失敗のあと正体がバレた原因が不明なため日本を後回しにした結果なのだが、フェイトはやはり詠春が創造主や姫御子の行方を知っていると考えてるようである。
ただ土偶羅による暴露の後もフェイトは二度ほどメガロメセンブリアの工作員に自身の痕跡を見つかっていて、それが原因で一部では存在を疑問視する声があったフェイトが健在だとメガロメセンブリアに露見したことが地味に痛かった。
メガロメセンブリアはフェイトが地球や魔法世界の霊的な要所に出没してることも掴んでいるので、フェイトの主と姫御子の捜索は以前ほど簡単ではなくなっている。
ちなみにこれに関しては土偶羅は無関係で純粋にメガロメセンブリアの諜報機関の実力によるものになる。
「クルト・ゲーデルの失脚と高畑・T・タカミチの動きが止まったことはプラスだけど、あの二人がただ黙っているはずもないからそっちも警戒しないとダメだし。」
ここのところフェイトは詠春の支配する関西への潜入を再び考えタイミングを見計らっているが、メガロメセンブリアの追手が厳しくなってる現状とクルトと高畑の動きが読めないことで安易に動けなくなっていた。
そもそもフェイトが探し物の鍵を握ると見ている詠春は二十年前の大戦からの宿敵であり、デュナミスなどは特に詠春を良く知っている。
仮に詠春が創造主や姫御子の行方を知っていても安易に教えるはずはなく、詠春の口を割らせるには相応の策が必要だった。
実はフェイトは詠春の娘である木乃香を捕らえて詠春から情報を引き出そうという考えもあったが、フェイトが調べた限りでは最近は高畑が木乃香の護衛に加わっているとの情報もあり迂闊に手が出せない。
「まるで誰かがこちらの手の内を見抜いているみたいだな。」
「ならいっそ方針転換してサウザンドマスターの息子でも狙ってみるかい? 少なくとも近衛詠春の娘よりは捕らえやすいしタカミチは動くんじゃないかな。」
今まで可能な限りリスクを避けて来たフェイトであるが、この先はどの方法を選んでもリスクは高まってしまう。
まあかつてのように再び活動を控えるなりすればリスクが少なくはなるが、残された時間が限られてる以上はあまり悠長なことは言ってられなかった。
結局現状で高畑や詠春から情報を得るにはエサを用意するなり周辺で騒ぎを起こすなり何かしらの策が必要なのだ。
ただ詠春や高畑の近くで木乃香を捕らえるよりは単純に考えてネギを捕らえる方が簡単ではあるが、こちらはこちらで魔法世界のみならず地球側の魔法協会にも監視されてるので見つかる可能性が高くなる。
最終的にリスクを避けて再び活動を控えるか、リスクを覚悟で動くか決断の時を迎えていた。