平和な日常~冬~6
結局仮契約の話は横島が自制したことと流石に桜子以外の少女達が勢いで仮契約したいと言い出さなかったことでこの日はうやむやになるが、少女達は魔法使いも意外とミーハーというか俗っぽいんだなと感心というか親近感を感じることになる。
魔法のことを知って一ヶ月以上過ぎるが、少女達が会った魔法関係者は身近な人以外では刹那のみであり今一つ普通の魔法使いについて知らないのだ。
「一応大丈夫みたいだな。」
そしてその夜には横島が自宅のリビングで改めてパクティオーと呼ばれる仮契約について調べていた。
基本的には魂で契約する魔法の一種であるが、この世界では魔族や妖怪も契約することがあるようなので恐らく横島でも問題はないようである。
まあ実際に複数の魂の力を持つ横島の魂は特殊なので従者側にすると契約魔法で解析出きるか微妙なラインではあるが。
「あの、先程話していたパクティオーって私も出来るんですか?」
「出来るみたいだな。 基本的に魂があれば可能らしい。 ただ生きてる存在が死ぬと契約は解除されるし、幽霊は成仏するとダメっぽいな。 あくまでも現世にのみ有効らしい。」
ちなみに横島が仮契約のことを調べてるのを見ていたさよは幽霊の自分も契約出来るのか気になるらしく尋ねていたが、基本的に魂で契約するので可能だが成仏というかあの世に行くとダメらしかった。
たださよの場合は別に仮契約がしたい訳ではなく、純粋な疑問として尋ねていただけのようだが。
「魔法って、凄いんですね。」
「西洋魔法が普及したのは、このパクティオーってのも一因かもな。 簡単になんちゃって魔法使いになれるし。」
少し調べてみたが魔法の才能と仮契約で得られるアーティファクトの良し悪しには直接的な関係はなく、契約者のその時の才能や能力によって得られるアーティファクトが変わるとのことに横島は西洋魔法の普及の一因だろうかと思う。
小難しい理想や理念がそうそう人々に受け入れられるとは思えないが、割りと簡単な実利があると西洋魔法も受け入れやすいのだろうと考えていた。
「ほんと私って。」
一方自宅に戻った刀子は軽く自己嫌悪に陥っていた。
いつものことではあるが横島が冗談のようにアプローチして来るのを拒否するのが一種のお約束になっているが、刀子自身はそんな自分の立場に複雑なモノを感じている。
「横島君の気持ちも理解するんだけどね。」
すっかりネタというか漫才のようにオチまでつく形にされてる刀子であるが、そもそもの問題として横島がまだ未成年の少女達との距離というか関係を意外に気にしてるのは刀子のみならず周りは気付いている。
ある意味横島は刀子に拒否される形で少女達との距離のバランスを取っていると言えるが、それを理解しても正直何度も同じことをされると気持ちがいいものではない。
何より致命的なのは横島本人が刀子に好意はあるが同時に自分では友人以上になれないと早々に諦めてることだろう。
「誰かは知らないけど、恨むわよ。」
木乃香達とも何度か話したが横島の女性に対する認識や価値観は微妙に変であり普通ではない。
特に横島自身が絡むと余計におかしくなり理解に苦しむが、その原因を作った女性が過去に居るのだろうと木乃香達は話している。
以前はそれが横島を騙した悪い女だと考えられていたが、実は最近はそれが悪い女ではなく酷く不器用な女だったのではとの憶測もあった。
友人以上恋愛未満で恋人になりたくてもなれない関係を拗らせた女が居たのではと噂していて、刀子も横島の女性に対する価値観には過去の女性の影がちらつくと感じている。
結果として顔も知らない誰かを恨みたくなる刀子であるが、どのみち横島と自分の関係を進めるには少女達がもう少し成熟する時間が必要なのだろうと思いため息をこぼすことになる。
魔法のことを知って一ヶ月以上過ぎるが、少女達が会った魔法関係者は身近な人以外では刹那のみであり今一つ普通の魔法使いについて知らないのだ。
「一応大丈夫みたいだな。」
そしてその夜には横島が自宅のリビングで改めてパクティオーと呼ばれる仮契約について調べていた。
基本的には魂で契約する魔法の一種であるが、この世界では魔族や妖怪も契約することがあるようなので恐らく横島でも問題はないようである。
まあ実際に複数の魂の力を持つ横島の魂は特殊なので従者側にすると契約魔法で解析出きるか微妙なラインではあるが。
「あの、先程話していたパクティオーって私も出来るんですか?」
「出来るみたいだな。 基本的に魂があれば可能らしい。 ただ生きてる存在が死ぬと契約は解除されるし、幽霊は成仏するとダメっぽいな。 あくまでも現世にのみ有効らしい。」
ちなみに横島が仮契約のことを調べてるのを見ていたさよは幽霊の自分も契約出来るのか気になるらしく尋ねていたが、基本的に魂で契約するので可能だが成仏というかあの世に行くとダメらしかった。
たださよの場合は別に仮契約がしたい訳ではなく、純粋な疑問として尋ねていただけのようだが。
「魔法って、凄いんですね。」
「西洋魔法が普及したのは、このパクティオーってのも一因かもな。 簡単になんちゃって魔法使いになれるし。」
少し調べてみたが魔法の才能と仮契約で得られるアーティファクトの良し悪しには直接的な関係はなく、契約者のその時の才能や能力によって得られるアーティファクトが変わるとのことに横島は西洋魔法の普及の一因だろうかと思う。
小難しい理想や理念がそうそう人々に受け入れられるとは思えないが、割りと簡単な実利があると西洋魔法も受け入れやすいのだろうと考えていた。
「ほんと私って。」
一方自宅に戻った刀子は軽く自己嫌悪に陥っていた。
いつものことではあるが横島が冗談のようにアプローチして来るのを拒否するのが一種のお約束になっているが、刀子自身はそんな自分の立場に複雑なモノを感じている。
「横島君の気持ちも理解するんだけどね。」
すっかりネタというか漫才のようにオチまでつく形にされてる刀子であるが、そもそもの問題として横島がまだ未成年の少女達との距離というか関係を意外に気にしてるのは刀子のみならず周りは気付いている。
ある意味横島は刀子に拒否される形で少女達との距離のバランスを取っていると言えるが、それを理解しても正直何度も同じことをされると気持ちがいいものではない。
何より致命的なのは横島本人が刀子に好意はあるが同時に自分では友人以上になれないと早々に諦めてることだろう。
「誰かは知らないけど、恨むわよ。」
木乃香達とも何度か話したが横島の女性に対する認識や価値観は微妙に変であり普通ではない。
特に横島自身が絡むと余計におかしくなり理解に苦しむが、その原因を作った女性が過去に居るのだろうと木乃香達は話している。
以前はそれが横島を騙した悪い女だと考えられていたが、実は最近はそれが悪い女ではなく酷く不器用な女だったのではとの憶測もあった。
友人以上恋愛未満で恋人になりたくてもなれない関係を拗らせた女が居たのではと噂していて、刀子も横島の女性に対する価値観には過去の女性の影がちらつくと感じている。
結果として顔も知らない誰かを恨みたくなる刀子であるが、どのみち横島と自分の関係を進めるには少女達がもう少し成熟する時間が必要なのだろうと思いため息をこぼすことになる。