平和な日常~冬~6
一方この日の横島はいつもと同じく普通に自分の店を営業していた。
バレンタインのおかげでずっと機嫌がいいままの横島であるが、実は今日が本来ならばネギが麻帆良に来る日だということをすっかり忘れている。
横島にとって超鈴音の歴史は所詮は余所の世界の話であり、多少気にする程度で具体的な日にちなど興味がない。
「横島さん、雛人形買うつもりなん?」
「ああ、ウチはタマモもさよちゃんも女の子だから雛人形なくちゃあな。」
そんな横島であるが今日は雛人形のことを調べていて、どうやらタマモとさよの為に雛人形を買ってやろうかと考えてるらしい。
「木乃香ちゃんなら立派なのあるんだろ?」
「お爺ちゃんのとこにあるんやけど、中等部に進学したら女子寮には飾れんから去年は飾らんかったわ。」
「いいんちょのとこの雛人形も凄いわよね。」
事は女の子の節句の話なので横島は参考までにと周囲の少女達に聞くが、木乃香・あやか・千鶴の三人はやっぱり雛人形も凄い物らしいが後は持ってない人も意外にいる。
だいたい小さい頃は欲しくはなるが年齢を重ねるに従い飾る手間などから飾らなくなる人も居るらしく、特に横島の周囲の少女達は女子寮住みなので去年は実家が近いあやかと千鶴が飾ったくらいらしい。
「どうせならいいやつ欲しいんだがビックリするほど高いな。 ハニワ兵で作ってる奴居ないか聞いてみるか。」
最初横島はどうせだからと一番いい物をと探していたが、高級品は値段が数百万単位で流石にビビっていた。
まあお金に困る訳ではないが、物好きなハニワ兵が作ってたらそれを貰えないかと考える辺りが本来の横島の性質なのだろう。
「飾るだけならウチの貸してもええけど、雛人形は厄除けの意味もあるから貸し借りはあかんのかな?」
「本当はダメだが、ぶっちゃけ俺は普通に厄払い出来るから厄除けの問題はない。」
「横島さん厄払いなんか出来るの?」
すっかり子煩悩な親バカになりつつある横島に木乃香達は半分呆れながらも微笑ましげに見つめていたが、ふと木乃香が話した言葉をきっかけに横島は厄払いが出来ると告げると少女達は一様に驚いていた。
どうも単純に魔法と厄払いなんかが繋がらなかったらしく、そもそも木乃香達でさえ横島は魔法使いなんだと半ば誤解している。
まあ実際魔法料理や符術を少し見せただけなので誤解しても仕方ないのだが。
「あれ、言ってなかったか? 俺の基本って霊能者なんだぞ。」
「聞いてないわね。 誰か聞いた?」
「私も初耳です。」
横島としては何を今更と言いたげであるが、自身の基本が霊能者だと明かしても木乃香達も美砂達も誰一人聞いた記憶もなくさよでさえ初耳だと告げた。
実は横島が霊能者だというのはさよの件や占いが得意とのことで改めて聞くと納得するが、神秘性が欠片もないのでイメージ的には器用な魔法使いイメージが木乃香達には強かったのだ。
「そもそも厄というのは本当に実在するのですか?」
「実在するぞ。 一言に厄と言ってもいろいろあるが、厄が降りかかると災いが起きる可能性がある。 まあ今はみんなに厄は降りかかってないからいいけど。」
そのまま少女達の興味は横島が何気なく語った厄の話になるも、それは本当にオカルトの話のようで怪しい宗教が言いそうだと失礼な感想を抱いた者も多い。
ただ横島の様子から嘘ではないらしいと少女達は感じたようで、改めて世界の複雑さを感じることになる。
結局雛人形の話は流れてしまったが、ある意味横島には一番似合わない霊能者という肩書きに少女達はやはりその過去に興味を抱いていた。
バレンタインのおかげでずっと機嫌がいいままの横島であるが、実は今日が本来ならばネギが麻帆良に来る日だということをすっかり忘れている。
横島にとって超鈴音の歴史は所詮は余所の世界の話であり、多少気にする程度で具体的な日にちなど興味がない。
「横島さん、雛人形買うつもりなん?」
「ああ、ウチはタマモもさよちゃんも女の子だから雛人形なくちゃあな。」
そんな横島であるが今日は雛人形のことを調べていて、どうやらタマモとさよの為に雛人形を買ってやろうかと考えてるらしい。
「木乃香ちゃんなら立派なのあるんだろ?」
「お爺ちゃんのとこにあるんやけど、中等部に進学したら女子寮には飾れんから去年は飾らんかったわ。」
「いいんちょのとこの雛人形も凄いわよね。」
事は女の子の節句の話なので横島は参考までにと周囲の少女達に聞くが、木乃香・あやか・千鶴の三人はやっぱり雛人形も凄い物らしいが後は持ってない人も意外にいる。
だいたい小さい頃は欲しくはなるが年齢を重ねるに従い飾る手間などから飾らなくなる人も居るらしく、特に横島の周囲の少女達は女子寮住みなので去年は実家が近いあやかと千鶴が飾ったくらいらしい。
「どうせならいいやつ欲しいんだがビックリするほど高いな。 ハニワ兵で作ってる奴居ないか聞いてみるか。」
最初横島はどうせだからと一番いい物をと探していたが、高級品は値段が数百万単位で流石にビビっていた。
まあお金に困る訳ではないが、物好きなハニワ兵が作ってたらそれを貰えないかと考える辺りが本来の横島の性質なのだろう。
「飾るだけならウチの貸してもええけど、雛人形は厄除けの意味もあるから貸し借りはあかんのかな?」
「本当はダメだが、ぶっちゃけ俺は普通に厄払い出来るから厄除けの問題はない。」
「横島さん厄払いなんか出来るの?」
すっかり子煩悩な親バカになりつつある横島に木乃香達は半分呆れながらも微笑ましげに見つめていたが、ふと木乃香が話した言葉をきっかけに横島は厄払いが出来ると告げると少女達は一様に驚いていた。
どうも単純に魔法と厄払いなんかが繋がらなかったらしく、そもそも木乃香達でさえ横島は魔法使いなんだと半ば誤解している。
まあ実際魔法料理や符術を少し見せただけなので誤解しても仕方ないのだが。
「あれ、言ってなかったか? 俺の基本って霊能者なんだぞ。」
「聞いてないわね。 誰か聞いた?」
「私も初耳です。」
横島としては何を今更と言いたげであるが、自身の基本が霊能者だと明かしても木乃香達も美砂達も誰一人聞いた記憶もなくさよでさえ初耳だと告げた。
実は横島が霊能者だというのはさよの件や占いが得意とのことで改めて聞くと納得するが、神秘性が欠片もないのでイメージ的には器用な魔法使いイメージが木乃香達には強かったのだ。
「そもそも厄というのは本当に実在するのですか?」
「実在するぞ。 一言に厄と言ってもいろいろあるが、厄が降りかかると災いが起きる可能性がある。 まあ今はみんなに厄は降りかかってないからいいけど。」
そのまま少女達の興味は横島が何気なく語った厄の話になるも、それは本当にオカルトの話のようで怪しい宗教が言いそうだと失礼な感想を抱いた者も多い。
ただ横島の様子から嘘ではないらしいと少女達は感じたようで、改めて世界の複雑さを感じることになる。
結局雛人形の話は流れてしまったが、ある意味横島には一番似合わない霊能者という肩書きに少女達はやはりその過去に興味を抱いていた。