平和な日常~冬~6
「あの、つまらないものですが。」
そしていよいよバレンタイン当日の朝になるが、横島にバレンタインチョコを一番最初にあげたのは少し意外な人物である。
「ありがとう!! ぶっちゃけ誰からも貰えなかったらどうしようって不安だったんだ。」
それは天気のいい日にはほとんど毎朝猫に会いに来ていて顔を会わせる茶々丸であった。
相変わらず表情はあまり変わらないが、気持ちいつもよりそわそわした様子に見えなくもない。
「いえ、それはないかと。」
「わかんねえぞ。 自慢じゃないが俺はチョコとか貰えなかったらことがほとんどだからな。」
対する横島はまさか茶々丸からチョコを貰えると思ってなかったらしく驚きを隠せないが、それ以上に嬉しそうでありホッとした様子でもある。
まあ横島も流石に今年は何個か義理は貰えるかなと楽しみにしてるものの、それでもまだ下手に期待して貰えなかったら怖いのであまり期待しないようにもしていた。
ただ茶々丸は普段の横島を思い出すとそれはないと普通に言いきっているが。
ちなみに茶々丸自身は当初ガイノイドがバレンタインチョコをあげても迷惑だろうとあげる気はなかったのだが、学校では仲がいい桜子達に横島も楽しみにしてると言われて悩みに悩んだ末にあげることにしたらしい。
「それほど喜んで頂けると思いませんでした。 私はガイノイドなので。」
「ん? そんなこと気にしてたのか? ガイノイドってのは種族みたいなもんだろ。 茶々丸ちゃんは茶々丸ちゃんだろうが。」
まるで子供のようにバレンタインチョコを貰って喜ぶ横島に茶々丸はホッとしたのかポツリと自分はガイノイドだと口にするが、その一言に込められた意味を感じた横島は少し不思議そうに茶々丸に言葉を返す。
エヴァもチャチャゼロもタマモもさよも横島も、みんな茶々丸をガイノイドではなく茶々丸という個人として見ている。
それは代えの利くロボットのような物ではなく一つの個体というか個人として見ているのだが、当の本人が未だにそれを認識してないのは少し意外だった。
「そうなのでしょうか?」
「茶々丸ちゃんも結構天然なんだよなぁ。 いいか、この世界に絡繰茶々丸という存在は君しか居ない。 仮に同じボディと同じプログラムで造っても、それは俺やタマモの友達の絡繰茶々丸じゃない。 そこんとこ忘れちゃダメだぞ。 家にはハニワ兵も居るがあいつはきちんとそこは理解してるぞ。」
横島の言葉に少し戸惑うような茶々丸であるが、横島は戸惑い悩むからこそ茶々丸は茶々丸でしかないと確信する。
そもそも何を持って個と判断し何を持って物と判断するかは人それぞれ違う。
魂の有る無しも重要であり茶々丸は魂があるので個とも言えるが、正直なところ横島は魂がなくともハニワ兵や土偶羅は個として認識している。
この世界に自分と同じ存在は自分しか居ないと横島は茶々丸に理解して欲しかった。
「エヴァちゃんにそんなこと言えば怒られるぞ。」
この時茶々丸がどこまで横島の言葉を理解したのかは分からないが、おどけた様子でエヴァに怒られると言う横島に茶々丸は笑みを見せていた。
確かに茶々丸はエヴァに同じことを言えば怒られるような気がする。
そして自分を個として見てくれる者が居ることに喜びを感じることも確かだった。
バレンタインにチョコレートをあげる勇気を振り絞った茶々丸は、その勇気に相応しいお返しを貰ったのかもしれない。
そしていよいよバレンタイン当日の朝になるが、横島にバレンタインチョコを一番最初にあげたのは少し意外な人物である。
「ありがとう!! ぶっちゃけ誰からも貰えなかったらどうしようって不安だったんだ。」
それは天気のいい日にはほとんど毎朝猫に会いに来ていて顔を会わせる茶々丸であった。
相変わらず表情はあまり変わらないが、気持ちいつもよりそわそわした様子に見えなくもない。
「いえ、それはないかと。」
「わかんねえぞ。 自慢じゃないが俺はチョコとか貰えなかったらことがほとんどだからな。」
対する横島はまさか茶々丸からチョコを貰えると思ってなかったらしく驚きを隠せないが、それ以上に嬉しそうでありホッとした様子でもある。
まあ横島も流石に今年は何個か義理は貰えるかなと楽しみにしてるものの、それでもまだ下手に期待して貰えなかったら怖いのであまり期待しないようにもしていた。
ただ茶々丸は普段の横島を思い出すとそれはないと普通に言いきっているが。
ちなみに茶々丸自身は当初ガイノイドがバレンタインチョコをあげても迷惑だろうとあげる気はなかったのだが、学校では仲がいい桜子達に横島も楽しみにしてると言われて悩みに悩んだ末にあげることにしたらしい。
「それほど喜んで頂けると思いませんでした。 私はガイノイドなので。」
「ん? そんなこと気にしてたのか? ガイノイドってのは種族みたいなもんだろ。 茶々丸ちゃんは茶々丸ちゃんだろうが。」
まるで子供のようにバレンタインチョコを貰って喜ぶ横島に茶々丸はホッとしたのかポツリと自分はガイノイドだと口にするが、その一言に込められた意味を感じた横島は少し不思議そうに茶々丸に言葉を返す。
エヴァもチャチャゼロもタマモもさよも横島も、みんな茶々丸をガイノイドではなく茶々丸という個人として見ている。
それは代えの利くロボットのような物ではなく一つの個体というか個人として見ているのだが、当の本人が未だにそれを認識してないのは少し意外だった。
「そうなのでしょうか?」
「茶々丸ちゃんも結構天然なんだよなぁ。 いいか、この世界に絡繰茶々丸という存在は君しか居ない。 仮に同じボディと同じプログラムで造っても、それは俺やタマモの友達の絡繰茶々丸じゃない。 そこんとこ忘れちゃダメだぞ。 家にはハニワ兵も居るがあいつはきちんとそこは理解してるぞ。」
横島の言葉に少し戸惑うような茶々丸であるが、横島は戸惑い悩むからこそ茶々丸は茶々丸でしかないと確信する。
そもそも何を持って個と判断し何を持って物と判断するかは人それぞれ違う。
魂の有る無しも重要であり茶々丸は魂があるので個とも言えるが、正直なところ横島は魂がなくともハニワ兵や土偶羅は個として認識している。
この世界に自分と同じ存在は自分しか居ないと横島は茶々丸に理解して欲しかった。
「エヴァちゃんにそんなこと言えば怒られるぞ。」
この時茶々丸がどこまで横島の言葉を理解したのかは分からないが、おどけた様子でエヴァに怒られると言う横島に茶々丸は笑みを見せていた。
確かに茶々丸はエヴァに同じことを言えば怒られるような気がする。
そして自分を個として見てくれる者が居ることに喜びを感じることも確かだった。
バレンタインにチョコレートをあげる勇気を振り絞った茶々丸は、その勇気に相応しいお返しを貰ったのかもしれない。