平和な日常~冬~6
「うわ~、チョコレートがいっぱいや。」
さて挨拶に来た宮脇親子が帰ると、横島は厨房で木乃香とのどかと共に十数種類ものチョコレートを前にバレンタインの商品の試作を始めようとしていた。
日頃から横島の店ではチョコレートをスイーツに使用しているが、日頃から使うチョコレートはだいたい決まっていてこの日初めて見る物も多い。
「国内外の有名どころをある程度取り寄せたんだよ。 値段は高いのは結構するから実際には使えんやつもあるけど。」
バレンタインについて初めは渋っていた横島であるが、まだ若い木乃香達は楽しみなんだろうなと思うと協力する気にはなったようだ。
例によって雪広グループに頼んで十数種類ものチョコレートを仕入れていた。
「チョコレート自体は一から作らないのですか?」
「自分達で食う分になら作ってみてもいいけど販売する量を作るのは無理だな。 カカオからチョコレートを作るのは設備がないと手間暇かかるからさ。 ぶっちゃけ俺も経験ないし、ハニワ兵にでも頼めば出来なくもないけど。」
基本的に横島は料理だけは凝り性なので日頃から自作出来る物は自作しており、のどかはチョコレートは自作しないのかと尋ねるも横島は手間の関係から無理だと語る。
実際横島が継承している料理経験でも流石にカカオからチョコレートを作る経験はなく、知識として作り方を知ってるに過ぎない。
「そうなんですか。」
「カカオ豆も原産地によって違うし作り方によっても味が変わる。 今回はオリジナルのチョコレート作るだけの時間はないな。」
とりあえず一つずつチョコレートを味見していく三人だが、見た目の色合いもよく見ると一つ一つ違うし味も風味も違う。
まあ今回仕入れたのは製菓用のチョコレートが主なので、そのまま食べると必ずしも美味しい訳ではないが。
ただ原材料の味を知るこも勉強の一つではある。
「問題は値段なんだよなぁ。 うちの利益を少なくしても中高生に買える値段にするにはあんまり高いのは使えんな。」
「そんなに高級やなくてもええと思うわ。」
そんな原材料の味見を終えるとさっそく試作を始めることにするが、横島は単純に味と値段のバランスを悩んでしまう。
正直なところ横島にはバレンタインにチョコレートを贈る女性の気持ちなんて理解出来ないので、単純にいい物を作ろうとするとチョコレートの原価が上がってしまうことが悩みの種ではあるが。
「そうなのか?」
「ウチも家族以外にあげたことないから分からへんけど。 男の人はどうなん?」
「俺、義理と名無しの嫌がらせチョコしか貰ったことないからな。」
ただ木乃香とのどかは別にそんな高級チョコにしなくてもと横島の考える方向性が理解出来ないらしい。
木乃香達からすると逆に男性はどうなのと尋ねるも、横島は義理と嫌がらせのチョコしか貰った経験がないからとあからさまに落ち込んでしまう。
「名無しの嫌がらせチョコですか? それって恥ずかしくて名前が書けなかっただけでは?」
「違うんだ。 当時通ってた高校のロッカーに入ってたんだけど、女の子が届く高さじゃなかったんだ。」
「それちょっとジャンプしたり、踏み台とかあれば届くんやないの?」
「……ん?」
落ち込む横島に木乃香はしまったと思い励ましていくが、そんな時のどかは名無しのチョコを嫌がらせだと決めつけた横島に不思議そうに名前が書けなかっただけではと告げる。
わざわざバレンタインに嫌がらせなんかするのかと疑問を感じたのどかに横島は当時の状況を話して聞かせるが、木乃香は考える間もなく女の子の可能性に気付いていた。
さて挨拶に来た宮脇親子が帰ると、横島は厨房で木乃香とのどかと共に十数種類ものチョコレートを前にバレンタインの商品の試作を始めようとしていた。
日頃から横島の店ではチョコレートをスイーツに使用しているが、日頃から使うチョコレートはだいたい決まっていてこの日初めて見る物も多い。
「国内外の有名どころをある程度取り寄せたんだよ。 値段は高いのは結構するから実際には使えんやつもあるけど。」
バレンタインについて初めは渋っていた横島であるが、まだ若い木乃香達は楽しみなんだろうなと思うと協力する気にはなったようだ。
例によって雪広グループに頼んで十数種類ものチョコレートを仕入れていた。
「チョコレート自体は一から作らないのですか?」
「自分達で食う分になら作ってみてもいいけど販売する量を作るのは無理だな。 カカオからチョコレートを作るのは設備がないと手間暇かかるからさ。 ぶっちゃけ俺も経験ないし、ハニワ兵にでも頼めば出来なくもないけど。」
基本的に横島は料理だけは凝り性なので日頃から自作出来る物は自作しており、のどかはチョコレートは自作しないのかと尋ねるも横島は手間の関係から無理だと語る。
実際横島が継承している料理経験でも流石にカカオからチョコレートを作る経験はなく、知識として作り方を知ってるに過ぎない。
「そうなんですか。」
「カカオ豆も原産地によって違うし作り方によっても味が変わる。 今回はオリジナルのチョコレート作るだけの時間はないな。」
とりあえず一つずつチョコレートを味見していく三人だが、見た目の色合いもよく見ると一つ一つ違うし味も風味も違う。
まあ今回仕入れたのは製菓用のチョコレートが主なので、そのまま食べると必ずしも美味しい訳ではないが。
ただ原材料の味を知るこも勉強の一つではある。
「問題は値段なんだよなぁ。 うちの利益を少なくしても中高生に買える値段にするにはあんまり高いのは使えんな。」
「そんなに高級やなくてもええと思うわ。」
そんな原材料の味見を終えるとさっそく試作を始めることにするが、横島は単純に味と値段のバランスを悩んでしまう。
正直なところ横島にはバレンタインにチョコレートを贈る女性の気持ちなんて理解出来ないので、単純にいい物を作ろうとするとチョコレートの原価が上がってしまうことが悩みの種ではあるが。
「そうなのか?」
「ウチも家族以外にあげたことないから分からへんけど。 男の人はどうなん?」
「俺、義理と名無しの嫌がらせチョコしか貰ったことないからな。」
ただ木乃香とのどかは別にそんな高級チョコにしなくてもと横島の考える方向性が理解出来ないらしい。
木乃香達からすると逆に男性はどうなのと尋ねるも、横島は義理と嫌がらせのチョコしか貰った経験がないからとあからさまに落ち込んでしまう。
「名無しの嫌がらせチョコですか? それって恥ずかしくて名前が書けなかっただけでは?」
「違うんだ。 当時通ってた高校のロッカーに入ってたんだけど、女の子が届く高さじゃなかったんだ。」
「それちょっとジャンプしたり、踏み台とかあれば届くんやないの?」
「……ん?」
落ち込む横島に木乃香はしまったと思い励ましていくが、そんな時のどかは名無しのチョコを嫌がらせだと決めつけた横島に不思議そうに名前が書けなかっただけではと告げる。
わざわざバレンタインに嫌がらせなんかするのかと疑問を感じたのどかに横島は当時の状況を話して聞かせるが、木乃香は考える間もなく女の子の可能性に気付いていた。