平和な日常~冬~6
異空間アジトの南極の異界にあるバベルの塔。
アシュタロスの遺産の中枢であるそこにはかつてドクターカオスや横島が様々な物の研究開発に使用していたが、もう一人だけそこを使用していた者が居た。
それは天才的な魔法のセンスを持って単独で失われた魔法を甦らせていた魔鈴めぐみである。
アシュタロスが蓄積したアカシックレコードクラスの情報と技術に三界で最高の設備を有するバベルの塔は、彼女の研究にも絶大な影響を与えることになった。
カオスが魔法科学の研究をしていたのに対して魔鈴は純粋な魔法の研究に力をいれていた。
元々僅かな資料からですら失われた魔法を甦らせることが出来た魔鈴が、異空間アジトにある完全で膨大な魔法関連の情報が手に入ると次々と魔法を甦らせ更に発展させたのは想像に難しくないだろう。
老化防止魔法薬はそんな彼女の開発した魔法薬だった。
「効果はおおよそ三ヶ月っすね。 年四回ほど飲めばほぼ老化はしませんよ。」
老化防止魔法薬はかつての世界でも横島の身近な女性が個人的に使用していたり外部にも輸出していたことでそれなりに在庫はあった。
その結果豆まきの翌日には刀子に渡せたのだが、その見た目は一見すると栄養ドリンクのようである。
「効果は三ヶ月か。 長いような短いような……。」
「効き目と効果のバランスから三ヶ月が最適みたいっすよ。 実は不老化とか寿命を伸ばす方法は他にもいろいろあるんですけどね。 これは一番簡単で肉体にも影響がないもんなんです。」
この日刀子が訪れたのは少し遅く木乃香達が帰ってからであったが、老化防止魔法薬を手渡すと嬉しそうに説明を聞く。
効果は多少個人差があるが基本的には三ヶ月であり永続させるなら年に四回は飲まねばならないが、これには人間の肉体への影響を限りなくゼロにした結果でもある。
実のところこれは普及用として開発した魔法薬であり、誰でも使える分だけ安定性を重視して効果は押さえていた。
神魔戦争初期には異空間アジト内にてカオス設計の魔法薬製造工場まで作っていて、この手の魔法薬の委託販売をした六道家の関連企業ではオカルトアイテムということで薬事法適用外の品物にも関わらず大ヒットして莫大な利益を上げている。
ただ基本的にオカルトアイテムはその当時の世界基準の科学でも解明出来ない為に自己責任となっていて、老化防止魔法薬に関しては社会に与える影響の大きさからいろいろ議論を呼んだなんて話もあるが。
ちなみにこの魔法薬、当然ながら第三者には作れるはずもないので特許申請すらしないまま独占販売したので魔鈴はいつの間にか金持ちになっていたりする。
まあ正確には似たような研究をするオカルト関係者は古来より世界には多いが不老化だったり若返りの効果を出せた研究者は他にも居るが、効果が安定せず動物実験の段階を越えた者は居ない。
実際に魔鈴に関しても魔法薬の安定性や大量生産はカオスの協力により実現したと言っても過言ではなく、この魔法薬に関して誰が一番儲けたかと言えばやはりカオスなのだが。
「なんにも変化はないわね。」
さて説明を聞いた刀子は老化防止魔法薬を飲むが、正直不味いと感じた以外は見た目は元より何一つ変化ない。
「刀子さんのような若い人だとすぐに感じる効果はないですよ。 年配者だと多少は効果を実感するんですけどね。」
別に横島を疑う訳ではないが今一つ実感がない刀子であるが、老化防止魔法薬は若返り魔法薬ではないので見た目は変わらないし何より刀子の若さだと本当に現状維持でしかない。
「お礼はどうすればいいかしら? 代金があるなら払うけど。」
「うーん、お世話になってるんでお礼とか代金は別にいいんっすけど。」
その後話は謝礼に移るが横島は別に刀子相手に代金や謝礼が欲しい訳ではないのでなかなか話は纏まらなかった。
昔ならばここで一発と言うのだろうが、流石に恥も外聞も気にするし冗談ならばともかく今言えば魔法薬で脅迫してるようなものになるので言えるはずがない。
結局謝礼はそのうち何か頼むかもしれないということで納めることになる。
アシュタロスの遺産の中枢であるそこにはかつてドクターカオスや横島が様々な物の研究開発に使用していたが、もう一人だけそこを使用していた者が居た。
それは天才的な魔法のセンスを持って単独で失われた魔法を甦らせていた魔鈴めぐみである。
アシュタロスが蓄積したアカシックレコードクラスの情報と技術に三界で最高の設備を有するバベルの塔は、彼女の研究にも絶大な影響を与えることになった。
カオスが魔法科学の研究をしていたのに対して魔鈴は純粋な魔法の研究に力をいれていた。
元々僅かな資料からですら失われた魔法を甦らせることが出来た魔鈴が、異空間アジトにある完全で膨大な魔法関連の情報が手に入ると次々と魔法を甦らせ更に発展させたのは想像に難しくないだろう。
老化防止魔法薬はそんな彼女の開発した魔法薬だった。
「効果はおおよそ三ヶ月っすね。 年四回ほど飲めばほぼ老化はしませんよ。」
老化防止魔法薬はかつての世界でも横島の身近な女性が個人的に使用していたり外部にも輸出していたことでそれなりに在庫はあった。
その結果豆まきの翌日には刀子に渡せたのだが、その見た目は一見すると栄養ドリンクのようである。
「効果は三ヶ月か。 長いような短いような……。」
「効き目と効果のバランスから三ヶ月が最適みたいっすよ。 実は不老化とか寿命を伸ばす方法は他にもいろいろあるんですけどね。 これは一番簡単で肉体にも影響がないもんなんです。」
この日刀子が訪れたのは少し遅く木乃香達が帰ってからであったが、老化防止魔法薬を手渡すと嬉しそうに説明を聞く。
効果は多少個人差があるが基本的には三ヶ月であり永続させるなら年に四回は飲まねばならないが、これには人間の肉体への影響を限りなくゼロにした結果でもある。
実のところこれは普及用として開発した魔法薬であり、誰でも使える分だけ安定性を重視して効果は押さえていた。
神魔戦争初期には異空間アジト内にてカオス設計の魔法薬製造工場まで作っていて、この手の魔法薬の委託販売をした六道家の関連企業ではオカルトアイテムということで薬事法適用外の品物にも関わらず大ヒットして莫大な利益を上げている。
ただ基本的にオカルトアイテムはその当時の世界基準の科学でも解明出来ない為に自己責任となっていて、老化防止魔法薬に関しては社会に与える影響の大きさからいろいろ議論を呼んだなんて話もあるが。
ちなみにこの魔法薬、当然ながら第三者には作れるはずもないので特許申請すらしないまま独占販売したので魔鈴はいつの間にか金持ちになっていたりする。
まあ正確には似たような研究をするオカルト関係者は古来より世界には多いが不老化だったり若返りの効果を出せた研究者は他にも居るが、効果が安定せず動物実験の段階を越えた者は居ない。
実際に魔鈴に関しても魔法薬の安定性や大量生産はカオスの協力により実現したと言っても過言ではなく、この魔法薬に関して誰が一番儲けたかと言えばやはりカオスなのだが。
「なんにも変化はないわね。」
さて説明を聞いた刀子は老化防止魔法薬を飲むが、正直不味いと感じた以外は見た目は元より何一つ変化ない。
「刀子さんのような若い人だとすぐに感じる効果はないですよ。 年配者だと多少は効果を実感するんですけどね。」
別に横島を疑う訳ではないが今一つ実感がない刀子であるが、老化防止魔法薬は若返り魔法薬ではないので見た目は変わらないし何より刀子の若さだと本当に現状維持でしかない。
「お礼はどうすればいいかしら? 代金があるなら払うけど。」
「うーん、お世話になってるんでお礼とか代金は別にいいんっすけど。」
その後話は謝礼に移るが横島は別に刀子相手に代金や謝礼が欲しい訳ではないのでなかなか話は纏まらなかった。
昔ならばここで一発と言うのだろうが、流石に恥も外聞も気にするし冗談ならばともかく今言えば魔法薬で脅迫してるようなものになるので言えるはずがない。
結局謝礼はそのうち何か頼むかもしれないということで納めることになる。