平和な日常~冬~6
「あの連中からは鬼も福も逃げ出しそうだが。」
その後豆まきは始まるが基本的には有名神社などで行われる豆まきと大差ない。
ただ麻帆良の場合は学生が多く格闘系サークルなんかの団体や大学生の集団もかなり多いことか。
ちなみに格闘系の団体は日頃から古菲と野良試合してる連中で、大学生の集団は新堂美咲の追っかけだったりする。
後者はともかく前者は厳つい野郎の集団が古菲がまく豆を必死に受け取ろうとして周りが引いていたが。
なお木乃香に関してはそんな変な追っかけ団体は現在も存在しないが、これに関しては木乃香の魅力云々より横島の存在が大きく以前に千鶴の追っかけを壊滅させたことで一部のコアな男性から恐れられてるからであった。
まあ横島と木乃香は半ば公認カップルのような扱いも結構されているので、彼氏の居る女に追っかけが付きにくいとの理由もあるが。
「タマモ、豆拾えなかったのか?」
「ううん、あるよ。 あとはみんなにあげちゃった。」
さて龍宮神社の豆まきについては小学生以下の子供は一番前で優先的に豆まきに参加できることもあり、豆まきが終わると子供達はみんな両手に豆を抱えているがタマモだけは手ぶらで戻って来ていた。
横島達は結構後ろだったのでほとんど見ているだけであり手ぶらで戻って来たタマモに驚き訳を聞くと、タマモはポケットから小さな小袋に入った豆を一袋だけ横島達に見せて残りは周りに居た豆を拾えなかった知らない子供や横島達の元に戻って来る途中に会った店の常連や友達にあげてしまったらしい。
「そうか、いいことしたな。」
「本当、誰に似たのかしらね。」
そのまま横島達は木乃香とも合流して帰路に着くが、豆まきに来て気前よく豆を配っていたタマモには横島も木乃香達も素直に褒めてあげていた。
尤も横島達と合流後には逆に店の常連や友達から豆を貰うことが多くなったタマモは、最終的には自分が拾った以上の豆を持ち帰ることになるが。
そしてその日の夜には木乃香達・美砂達・あやか達に刀子を加えたメンバーで、横島宅のリビングにて豆まきをすることになる。
「福は内! 鬼も内!」
横島宅の豆まきはもちろんタマモの意見にて鬼も仲間外れにしないということで、 福も鬼も内という少し奇妙な掛け声での豆まきとなった。
鬼を祓わないなら豆まきが必要ないのではとの疑問も浮かぶが豆まきはやりたいらしく、まあ全国的にはそんな豆まきをしてるところもあるらしいので横島なんかはあまりこだわらないことにするが。
「年の数を食べるんですよね。 私は幾つ食べればいいんでしょうか?」
「ああ、さよちゃんは幽霊なんだっけ? 幽霊はどうするんだろ?」
豆まきを終えると豆を年の数だけ食べることになるが、ここで困ったというか迷いだしたのがさよであった。
すでに生まれてから七十年以上過ぎていて、死んでから六十年ほどになるさよは自分は豆を幾つ食べるのだろうと素の表情で悩み出す。
周りの友人達も日頃はあまり意識しないさよの正体に半分忘れていた者も何人か居たが、元々豆まきに幽霊は想定されてない上にそもそもの問題として食べ物まで食べれる幽霊は世界広しといえどもさよだけであろう。
結果として普通に悩んでしまうようである。
「わたしはいくつたべるの?」
そしてもう一人年齢で悩みだしたのはタマモであった。
一応世間的には三才ということにしてるが、タマモの場合はいつ産まれたと考えるかにより変わってくる。
「そう難しく考えなくても余ったらもったいないし、みんなで食べれる分を食べればいいんじゃないの?」
「そうだなぁ。 さよちゃんとタマモは去年家に来たから去年から数えて最低一個は食べれば十分だろ。」
さよとタマモの食べる数で悩む一同だが、ここであっさりと意見というか答えを提示したのは明日菜だった。
豆まきの習慣というより余ったらもったいないという明日菜の現実的な意見に元々いい加減な横島が賛成すると、何故か横島宅では最低年の数だけ食べればいいとルールが変わってしまう。
その後豆まきは始まるが基本的には有名神社などで行われる豆まきと大差ない。
ただ麻帆良の場合は学生が多く格闘系サークルなんかの団体や大学生の集団もかなり多いことか。
ちなみに格闘系の団体は日頃から古菲と野良試合してる連中で、大学生の集団は新堂美咲の追っかけだったりする。
後者はともかく前者は厳つい野郎の集団が古菲がまく豆を必死に受け取ろうとして周りが引いていたが。
なお木乃香に関してはそんな変な追っかけ団体は現在も存在しないが、これに関しては木乃香の魅力云々より横島の存在が大きく以前に千鶴の追っかけを壊滅させたことで一部のコアな男性から恐れられてるからであった。
まあ横島と木乃香は半ば公認カップルのような扱いも結構されているので、彼氏の居る女に追っかけが付きにくいとの理由もあるが。
「タマモ、豆拾えなかったのか?」
「ううん、あるよ。 あとはみんなにあげちゃった。」
さて龍宮神社の豆まきについては小学生以下の子供は一番前で優先的に豆まきに参加できることもあり、豆まきが終わると子供達はみんな両手に豆を抱えているがタマモだけは手ぶらで戻って来ていた。
横島達は結構後ろだったのでほとんど見ているだけであり手ぶらで戻って来たタマモに驚き訳を聞くと、タマモはポケットから小さな小袋に入った豆を一袋だけ横島達に見せて残りは周りに居た豆を拾えなかった知らない子供や横島達の元に戻って来る途中に会った店の常連や友達にあげてしまったらしい。
「そうか、いいことしたな。」
「本当、誰に似たのかしらね。」
そのまま横島達は木乃香とも合流して帰路に着くが、豆まきに来て気前よく豆を配っていたタマモには横島も木乃香達も素直に褒めてあげていた。
尤も横島達と合流後には逆に店の常連や友達から豆を貰うことが多くなったタマモは、最終的には自分が拾った以上の豆を持ち帰ることになるが。
そしてその日の夜には木乃香達・美砂達・あやか達に刀子を加えたメンバーで、横島宅のリビングにて豆まきをすることになる。
「福は内! 鬼も内!」
横島宅の豆まきはもちろんタマモの意見にて鬼も仲間外れにしないということで、 福も鬼も内という少し奇妙な掛け声での豆まきとなった。
鬼を祓わないなら豆まきが必要ないのではとの疑問も浮かぶが豆まきはやりたいらしく、まあ全国的にはそんな豆まきをしてるところもあるらしいので横島なんかはあまりこだわらないことにするが。
「年の数を食べるんですよね。 私は幾つ食べればいいんでしょうか?」
「ああ、さよちゃんは幽霊なんだっけ? 幽霊はどうするんだろ?」
豆まきを終えると豆を年の数だけ食べることになるが、ここで困ったというか迷いだしたのがさよであった。
すでに生まれてから七十年以上過ぎていて、死んでから六十年ほどになるさよは自分は豆を幾つ食べるのだろうと素の表情で悩み出す。
周りの友人達も日頃はあまり意識しないさよの正体に半分忘れていた者も何人か居たが、元々豆まきに幽霊は想定されてない上にそもそもの問題として食べ物まで食べれる幽霊は世界広しといえどもさよだけであろう。
結果として普通に悩んでしまうようである。
「わたしはいくつたべるの?」
そしてもう一人年齢で悩みだしたのはタマモであった。
一応世間的には三才ということにしてるが、タマモの場合はいつ産まれたと考えるかにより変わってくる。
「そう難しく考えなくても余ったらもったいないし、みんなで食べれる分を食べればいいんじゃないの?」
「そうだなぁ。 さよちゃんとタマモは去年家に来たから去年から数えて最低一個は食べれば十分だろ。」
さよとタマモの食べる数で悩む一同だが、ここであっさりと意見というか答えを提示したのは明日菜だった。
豆まきの習慣というより余ったらもったいないという明日菜の現実的な意見に元々いい加減な横島が賛成すると、何故か横島宅では最低年の数だけ食べればいいとルールが変わってしまう。