平和な日常~冬~5
気心が知れた仲間との誕生パーティはなんの気兼ねもなく楽しい時間であった。
何だかんだと理由を付けてよくパーティをやるだけにパーティ自体は慣れたものであるが、やはり誕生パーティには誕生パーティの良さがある。
「ねえねえ、なんでたんじょうびはろうそくをたてるの?」
その後腹八分目ほどで食事を終えると残るはケーキになるのだが、人数の関係で結構大きなケーキになっていた。
テーブルの真ん中にケーキを置くとタマモは夕映の誕生日の時に学んだろうそくを立てていくが、ふとなんで誕生日だけはケーキにろうそくを立てるのかとの疑問を抱く。
「誕生日のケーキに立てたろうそくの炎を一度で消せれば願い事が叶うという言い伝えがあるんだよ。」
「そんな言い伝えあったんだ。」
「はい、なんでも誕生日のケーキは古代ギリシャ人が月の女神アルテミスの誕生日にハニーケーキをお供えしたのが始まりだと言われてます。 当時は誕生ケーキにろうそくを立ててはいないようですが、ろうそくの炎を月の光に見立てて願いが届くようにと考えられたようですから。」
タマモの素朴な疑問に答えたのは日頃から本をよく読むのどかであり、少女達の中にはろうそくを立てる意味を知らなかった者がほとんどのようで誕生ケーキのルーツを説明し始める。
その博識ぶりには那波家の人々も感心したように聞いていたが、横島は一人微妙な表情を見せていた。
「アルテミスか。 あの人、男嫌いなんだよな。」
「マスターまるで知ってる人みたいに言うわね。」
「うん? まあな。 昔ちらっと会ったことがあるんだわ。」
アルテミスの名前でつい昔のことを思い出してしまった横島は何気なく男嫌いな人だったと呟いてしまうと、その場に居た者達は静まり返ってしまう。
なんといっても魔王の遺産を持つ横島だけに神様に知り合いが居てもおかしくはない。
ただなんと言うか横島が言うと神様が途端に俗っぽくなるのはみんな不思議であったが。
「おねがいごとしたの?」
「俺はしなかったなぁ。 そもそも願い事をするのは人間の勝手だけど聞いてくれるかはまた別問題だし。 神様だってみんなの願いを聞いてたら大変だろ? 必要ない願いは聞いてくれないんだよ。」
一方そんな中でただ一人神様に会ったと聞いたタマモは瞳を輝かせて願い事をしたのかと尋ねるも、横島は苦笑いを浮かべてしなかったと口にする。
周りの少女達も内心では似たような疑問を感じていたようで横島は神様に直接願い事を言ったのかとかなり勘違いしていたが、横島はそんなことはしてないと首を横に振りつつ実際に神族が居た世界の実情をほんのわずかだが語っていた。
「そうだよね。 かみさまはたいへんなんだよね。」
「なんか願い事があるのか? タマモの願い事なら俺が叶えてやるぞ。」
「わたしはみんなといっしょならそれでいいの。」
神様が実在した世界の住人だった横島の何気ない話に少女達は興味津々だったが、横島がそのままタマモに対して親バカ全開になると笑いや溜め息混じりの呆れがその場を支配する。
その過去は相変わらず謎に包まれているが、それよりも今はこの限度を知らない親バカを止めねばならなかった。
現状では木乃香達やさよとハニワ兵がタマモを教育してるからいいが、横島は甘やかすばかりなのだ。
結局横島は過去の話より少女達に親バカ過ぎるとお説教をされることになる。
何だかんだと理由を付けてよくパーティをやるだけにパーティ自体は慣れたものであるが、やはり誕生パーティには誕生パーティの良さがある。
「ねえねえ、なんでたんじょうびはろうそくをたてるの?」
その後腹八分目ほどで食事を終えると残るはケーキになるのだが、人数の関係で結構大きなケーキになっていた。
テーブルの真ん中にケーキを置くとタマモは夕映の誕生日の時に学んだろうそくを立てていくが、ふとなんで誕生日だけはケーキにろうそくを立てるのかとの疑問を抱く。
「誕生日のケーキに立てたろうそくの炎を一度で消せれば願い事が叶うという言い伝えがあるんだよ。」
「そんな言い伝えあったんだ。」
「はい、なんでも誕生日のケーキは古代ギリシャ人が月の女神アルテミスの誕生日にハニーケーキをお供えしたのが始まりだと言われてます。 当時は誕生ケーキにろうそくを立ててはいないようですが、ろうそくの炎を月の光に見立てて願いが届くようにと考えられたようですから。」
タマモの素朴な疑問に答えたのは日頃から本をよく読むのどかであり、少女達の中にはろうそくを立てる意味を知らなかった者がほとんどのようで誕生ケーキのルーツを説明し始める。
その博識ぶりには那波家の人々も感心したように聞いていたが、横島は一人微妙な表情を見せていた。
「アルテミスか。 あの人、男嫌いなんだよな。」
「マスターまるで知ってる人みたいに言うわね。」
「うん? まあな。 昔ちらっと会ったことがあるんだわ。」
アルテミスの名前でつい昔のことを思い出してしまった横島は何気なく男嫌いな人だったと呟いてしまうと、その場に居た者達は静まり返ってしまう。
なんといっても魔王の遺産を持つ横島だけに神様に知り合いが居てもおかしくはない。
ただなんと言うか横島が言うと神様が途端に俗っぽくなるのはみんな不思議であったが。
「おねがいごとしたの?」
「俺はしなかったなぁ。 そもそも願い事をするのは人間の勝手だけど聞いてくれるかはまた別問題だし。 神様だってみんなの願いを聞いてたら大変だろ? 必要ない願いは聞いてくれないんだよ。」
一方そんな中でただ一人神様に会ったと聞いたタマモは瞳を輝かせて願い事をしたのかと尋ねるも、横島は苦笑いを浮かべてしなかったと口にする。
周りの少女達も内心では似たような疑問を感じていたようで横島は神様に直接願い事を言ったのかとかなり勘違いしていたが、横島はそんなことはしてないと首を横に振りつつ実際に神族が居た世界の実情をほんのわずかだが語っていた。
「そうだよね。 かみさまはたいへんなんだよね。」
「なんか願い事があるのか? タマモの願い事なら俺が叶えてやるぞ。」
「わたしはみんなといっしょならそれでいいの。」
神様が実在した世界の住人だった横島の何気ない話に少女達は興味津々だったが、横島がそのままタマモに対して親バカ全開になると笑いや溜め息混じりの呆れがその場を支配する。
その過去は相変わらず謎に包まれているが、それよりも今はこの限度を知らない親バカを止めねばならなかった。
現状では木乃香達やさよとハニワ兵がタマモを教育してるからいいが、横島は甘やかすばかりなのだ。
結局横島は過去の話より少女達に親バカ過ぎるとお説教をされることになる。