平和な日常~冬~5
「具合どうだい?」
「はい、全然大丈夫ですよ。」
明日菜とタマモ達が夕食を食べ終える頃になると仕事帰りの高畑が明日菜の様子を見に来ていた。
時期的にインフルエンザは珍しくはないとはいえ、やはり親代わりをしている明日菜がインフルエンザに感染したと聞くと心配になるのだろう。
「明日菜君は昔から具合が悪いと自分からは言わない子だったからね。 麻帆良に来たばかりの頃には僕が気付くのが遅れた時があってあの時は大変だったよ。」
「そんなことありましたっけ?」
医者の姿をしたハニワ兵と看護師姿の姿をしたタマモとハニワ兵に高畑は思わず笑ってしまい、よく似合ってるねと告げるとふと明日菜が幼い頃に風邪を引いた話を語り出す。
明日菜自身はイマイチ記憶にないようであるが、麻帆良に来たばかりの頃の明日菜はまだ姫御子時代と変わらぬ性格だった為に風邪で具合が悪くなっても黙っていたことがあったらしい。
当時高畑も子育てに慣れておらず気付くのが遅れたことがもあり、夜中に慌てて救急外来に連れて行ったということだった。
「もう~、今はそんなに子供じゃないですよ。」
タマモとさよとハニワ兵達はそんな高畑の話を興味深げに聞いていたが、明日菜自身は幼い頃の失敗談を暴露されるのは恥ずかしいようで照れたように反論している。
「それじゃ、明日菜君を頼むよ。」
「うん、まかせて!」
「ぽー!」
結局高畑は十分ほど横島宅に滞在して寮には連絡したことや明日も一応休むようにと言うと告げると、私たちが居るから大丈夫だと胸を張るタマモに高畑は明日菜のことを頼んで帰っていく。
その後高畑が帰ると明日菜は少し眠気が来たらしく眠ってしまい、タマモ達は静かに明日菜を見守ることになる。
そして店を閉めた横島が様子を見に来る頃になると明日菜も少し熱が上がって来たようで目を覚ましては苦しそうな表情を見せる時もあり、タマモ達はタオルで頭を冷やしてやったり着替えをさせたりと世話をしていた。
「やっぱ熱が上がったか。」
横島は部屋に入るなりすぐに明日菜の体温が上がっていたことに気付き、医者のハニワ兵と相談して今回は薬ではなくヒーリングの応用で一時的に熱を下げてやることにする。
明日菜の額に横島が手を当てると、そのまま優しい光が零れて明日菜の熱はすぐに引いていくことになり明日菜本人も初体験の出来事に不思議そうに横島を見ていた。
それとこの時横島はヒーリングのどさくさに紛れて明日菜の姫御子としての力を封印していたりするが。
近右衛門や高畑には以前に許可を取ったこの件であるが、実は封印するタイミングがなくてまだしてなかったのだ。
「とりあえずしばらくは熱は上がらないだろうけど、後は様子見だな。 」
横島の計算では二時間ほどはヒーリングの効果で熱が上がらないので、とりあえずはそれでインフルエンザ薬の効果が出るのを待つことにする。
一方明日菜は瞬時に熱が下がり気分が良くなる感覚に自分でも驚いていたが、それ以上に横島の手が何故か心地いいと感じられてしまい思わずそのまま続けて欲しいと口に出しそうになっていた。
「あれ? 顔が赤いな。 ヒーリングが効かなかったのか? いや熱は上がってないようだけど……。」
恐らく明日菜は熱が下がった影響で低下していた思考能力も回復したのだろうが、パジャマ姿で汗をかいた自分の姿を見られたことや額に手を当てられていた自分の姿を想像したのだろう。
先程までは家族と変わらぬ雰囲気で気にしてなかったが、一度横島に男性を意識すると一気に気になり恥ずかしくなったようである。
「だっ大丈夫です! もう治りましたからっ!!」
「ねてなきゃだめ!」
赤くなった顔を指摘されそれを誤魔化すように治りましたと言い起き上がろうとする明日菜であるが、それはタマモが絶対に許しませんと言わんばかりに阻止した。
ちなみに二体のハニワ兵は主である横島のあまりの鈍感さに驚きを通り越して呆れた表情をしていたりする。
「はい、全然大丈夫ですよ。」
明日菜とタマモ達が夕食を食べ終える頃になると仕事帰りの高畑が明日菜の様子を見に来ていた。
時期的にインフルエンザは珍しくはないとはいえ、やはり親代わりをしている明日菜がインフルエンザに感染したと聞くと心配になるのだろう。
「明日菜君は昔から具合が悪いと自分からは言わない子だったからね。 麻帆良に来たばかりの頃には僕が気付くのが遅れた時があってあの時は大変だったよ。」
「そんなことありましたっけ?」
医者の姿をしたハニワ兵と看護師姿の姿をしたタマモとハニワ兵に高畑は思わず笑ってしまい、よく似合ってるねと告げるとふと明日菜が幼い頃に風邪を引いた話を語り出す。
明日菜自身はイマイチ記憶にないようであるが、麻帆良に来たばかりの頃の明日菜はまだ姫御子時代と変わらぬ性格だった為に風邪で具合が悪くなっても黙っていたことがあったらしい。
当時高畑も子育てに慣れておらず気付くのが遅れたことがもあり、夜中に慌てて救急外来に連れて行ったということだった。
「もう~、今はそんなに子供じゃないですよ。」
タマモとさよとハニワ兵達はそんな高畑の話を興味深げに聞いていたが、明日菜自身は幼い頃の失敗談を暴露されるのは恥ずかしいようで照れたように反論している。
「それじゃ、明日菜君を頼むよ。」
「うん、まかせて!」
「ぽー!」
結局高畑は十分ほど横島宅に滞在して寮には連絡したことや明日も一応休むようにと言うと告げると、私たちが居るから大丈夫だと胸を張るタマモに高畑は明日菜のことを頼んで帰っていく。
その後高畑が帰ると明日菜は少し眠気が来たらしく眠ってしまい、タマモ達は静かに明日菜を見守ることになる。
そして店を閉めた横島が様子を見に来る頃になると明日菜も少し熱が上がって来たようで目を覚ましては苦しそうな表情を見せる時もあり、タマモ達はタオルで頭を冷やしてやったり着替えをさせたりと世話をしていた。
「やっぱ熱が上がったか。」
横島は部屋に入るなりすぐに明日菜の体温が上がっていたことに気付き、医者のハニワ兵と相談して今回は薬ではなくヒーリングの応用で一時的に熱を下げてやることにする。
明日菜の額に横島が手を当てると、そのまま優しい光が零れて明日菜の熱はすぐに引いていくことになり明日菜本人も初体験の出来事に不思議そうに横島を見ていた。
それとこの時横島はヒーリングのどさくさに紛れて明日菜の姫御子としての力を封印していたりするが。
近右衛門や高畑には以前に許可を取ったこの件であるが、実は封印するタイミングがなくてまだしてなかったのだ。
「とりあえずしばらくは熱は上がらないだろうけど、後は様子見だな。 」
横島の計算では二時間ほどはヒーリングの効果で熱が上がらないので、とりあえずはそれでインフルエンザ薬の効果が出るのを待つことにする。
一方明日菜は瞬時に熱が下がり気分が良くなる感覚に自分でも驚いていたが、それ以上に横島の手が何故か心地いいと感じられてしまい思わずそのまま続けて欲しいと口に出しそうになっていた。
「あれ? 顔が赤いな。 ヒーリングが効かなかったのか? いや熱は上がってないようだけど……。」
恐らく明日菜は熱が下がった影響で低下していた思考能力も回復したのだろうが、パジャマ姿で汗をかいた自分の姿を見られたことや額に手を当てられていた自分の姿を想像したのだろう。
先程までは家族と変わらぬ雰囲気で気にしてなかったが、一度横島に男性を意識すると一気に気になり恥ずかしくなったようである。
「だっ大丈夫です! もう治りましたからっ!!」
「ねてなきゃだめ!」
赤くなった顔を指摘されそれを誤魔化すように治りましたと言い起き上がろうとする明日菜であるが、それはタマモが絶対に許しませんと言わんばかりに阻止した。
ちなみに二体のハニワ兵は主である横島のあまりの鈍感さに驚きを通り越して呆れた表情をしていたりする。