平和な日常~冬~5
一方ここ最近の近右衛門は昨年末に横島側から渡された魔法協会内の問題人物リストであるブラックリストにようやく手を付けていた。
と言ってもいくら証拠があるとはいえ近右衛門一人で処分を決定出来るわけではない。
そもそもブラックリストに関しては問題の程度が軽い者も結構いて、パワハラやセクハラ紛いの行動をしていた人物などに関しては本人はもちろんのこと被害者や周辺人物に聞き取りをした後にその人物の師匠や上司や血縁者が居る場合には血縁者も含めて対応を話し合うことで処分を決めている。
まあたいていは厳重注意と配置転換で収まる範囲なのでこちらの処分は近右衛門が関与してなかったが、問題になったのは情報を外部に漏らしていた者の処分であった。
「さてと、次は問題の彼か。」
こちらは近右衛門自ら処分の決定に関与していたが、当然こちらも処分対象の本人やその師匠や上司に血縁者などと話し合いをして処分を決めている。
ちなみに血縁者は通常の組織ではあまり考慮されないのだろうが、魔法協会の場合は一人が加わっていると親子や親戚縁者が纏めて魔法協会に加わってることも珍しくはなく血縁者への影響を考えて話し合いに加えている。
まあ魔法協会では弁護士を大っぴらに入れる訳にはいかないので加害者の弁護役にもなっていたのだが。
そんな訳で連日一日数時間の時間を作り処分を決定する話し合いを魔法協会本部で行う近右衛門であるが、この件に着手してからは身内を裁くということがいかに大変かを痛感していた。
すでに何人もの処分を決定してはいるが大半は問題が発覚した時点で罪を認めて師匠や上司や血縁者と一緒に謝罪したので、こちらは厳重注意と配置転換以外に減俸などで済ませている。
ただ何処にでも大条際の悪い者が居るもので、中には開き直りや罪を認めない者も居た。
「彼はメガロメセンブリア過激派の信奉者だったようです。 魔法協会は優れた魔法使いが運営すべきだと主張しておりまして。」
普通は師匠や上司や血縁者に諭されて謝罪するのだが、中には周りの意見を聞かずに逆に自分の理屈や意見を一方的に主張する者が居たのだ。
そして今話し合ってる問題人物は二十代後半の男性であり、血縁者は両親がすでに他界していて他の親戚なんかとはほぼ交流すらない人物である。
その結果血縁者は関わりたくないからと処分を魔法協会側に一任してしまい師匠と上司が問題人物と話し合いを続けていたのだが、どうも彼は間違っているのはメガロメセンブリアに従わない魔法協会だとの批判を言うばかりで話にならないらしい。
「魔法の実力は人並みで協調性は皆無か。 要は強くて金になる方に付きたいという訳ですな。」
問題人物はどうやら両親を早くに亡くして以降いろいろ苦労したらしく同情すべき事情もないわけではないが、彼が言いたい事は要は今の魔法協会は利己主義で自分の扱いが不当に悪いと言いたいようだ。
細々とした機密度の低い情報に結構な金を払う魔法世界の大国が気に入りその主張にのめり込んだらしいが、結局どうしたいのか近右衛門や担当幹部には伝わって来ない。
本人的には魔法協会に正当に評価されれば従ってもいいと口にしてるらしいが、要はごねれば得をすると勘違いしてるようである。
実際今年に入ってから近右衛門はブラックリストの処理を始めていて、最近は魔法協会内部の問題人物が処分をされているが配置転換などで穏便に済まされたという話が魔法協会内部にそれなりに伝わっていた。
結果として彼は自分も追い出されはしないだろうとたかをくくっているらしい。
「致し方あるまい。 素直に罪を認めて謝罪しなければ追放するしかない。 彼にはどちらを選ぶか選択させる。」
最終的に師匠や上司は自分の手に負えないと匙を投げてしまい、誰も問題人物を指導したがらなかった。
正直なところそれほどメガロメセンブリアがいいならば向こうに行けばいいと、近右衛門も話し合いに参加している者も思っている。
魔法協会は基本的に任意組織なので何がなんでも参加して欲しいなどとは誰も言ってない。
そして後日彼は謝罪を拒み魔法協会からの脱会と表の仕事を辞めて魔法世界に向かうことになるが、ろくに実力もなく平和ボケした日本で育った彼が魔法世界で成功する筈もなく最終的には奴隷落ちしてしまうことになる。
ちなみに魔法世界に行った彼は人権問題などで今度はメガロメセンブリアを批判していくことになり、結局何処に行っても批判ばかりする人物だと判明するがそれを近右衛門が知ることはないだろう。
と言ってもいくら証拠があるとはいえ近右衛門一人で処分を決定出来るわけではない。
そもそもブラックリストに関しては問題の程度が軽い者も結構いて、パワハラやセクハラ紛いの行動をしていた人物などに関しては本人はもちろんのこと被害者や周辺人物に聞き取りをした後にその人物の師匠や上司や血縁者が居る場合には血縁者も含めて対応を話し合うことで処分を決めている。
まあたいていは厳重注意と配置転換で収まる範囲なのでこちらの処分は近右衛門が関与してなかったが、問題になったのは情報を外部に漏らしていた者の処分であった。
「さてと、次は問題の彼か。」
こちらは近右衛門自ら処分の決定に関与していたが、当然こちらも処分対象の本人やその師匠や上司に血縁者などと話し合いをして処分を決めている。
ちなみに血縁者は通常の組織ではあまり考慮されないのだろうが、魔法協会の場合は一人が加わっていると親子や親戚縁者が纏めて魔法協会に加わってることも珍しくはなく血縁者への影響を考えて話し合いに加えている。
まあ魔法協会では弁護士を大っぴらに入れる訳にはいかないので加害者の弁護役にもなっていたのだが。
そんな訳で連日一日数時間の時間を作り処分を決定する話し合いを魔法協会本部で行う近右衛門であるが、この件に着手してからは身内を裁くということがいかに大変かを痛感していた。
すでに何人もの処分を決定してはいるが大半は問題が発覚した時点で罪を認めて師匠や上司や血縁者と一緒に謝罪したので、こちらは厳重注意と配置転換以外に減俸などで済ませている。
ただ何処にでも大条際の悪い者が居るもので、中には開き直りや罪を認めない者も居た。
「彼はメガロメセンブリア過激派の信奉者だったようです。 魔法協会は優れた魔法使いが運営すべきだと主張しておりまして。」
普通は師匠や上司や血縁者に諭されて謝罪するのだが、中には周りの意見を聞かずに逆に自分の理屈や意見を一方的に主張する者が居たのだ。
そして今話し合ってる問題人物は二十代後半の男性であり、血縁者は両親がすでに他界していて他の親戚なんかとはほぼ交流すらない人物である。
その結果血縁者は関わりたくないからと処分を魔法協会側に一任してしまい師匠と上司が問題人物と話し合いを続けていたのだが、どうも彼は間違っているのはメガロメセンブリアに従わない魔法協会だとの批判を言うばかりで話にならないらしい。
「魔法の実力は人並みで協調性は皆無か。 要は強くて金になる方に付きたいという訳ですな。」
問題人物はどうやら両親を早くに亡くして以降いろいろ苦労したらしく同情すべき事情もないわけではないが、彼が言いたい事は要は今の魔法協会は利己主義で自分の扱いが不当に悪いと言いたいようだ。
細々とした機密度の低い情報に結構な金を払う魔法世界の大国が気に入りその主張にのめり込んだらしいが、結局どうしたいのか近右衛門や担当幹部には伝わって来ない。
本人的には魔法協会に正当に評価されれば従ってもいいと口にしてるらしいが、要はごねれば得をすると勘違いしてるようである。
実際今年に入ってから近右衛門はブラックリストの処理を始めていて、最近は魔法協会内部の問題人物が処分をされているが配置転換などで穏便に済まされたという話が魔法協会内部にそれなりに伝わっていた。
結果として彼は自分も追い出されはしないだろうとたかをくくっているらしい。
「致し方あるまい。 素直に罪を認めて謝罪しなければ追放するしかない。 彼にはどちらを選ぶか選択させる。」
最終的に師匠や上司は自分の手に負えないと匙を投げてしまい、誰も問題人物を指導したがらなかった。
正直なところそれほどメガロメセンブリアがいいならば向こうに行けばいいと、近右衛門も話し合いに参加している者も思っている。
魔法協会は基本的に任意組織なので何がなんでも参加して欲しいなどとは誰も言ってない。
そして後日彼は謝罪を拒み魔法協会からの脱会と表の仕事を辞めて魔法世界に向かうことになるが、ろくに実力もなく平和ボケした日本で育った彼が魔法世界で成功する筈もなく最終的には奴隷落ちしてしまうことになる。
ちなみに魔法世界に行った彼は人権問題などで今度はメガロメセンブリアを批判していくことになり、結局何処に行っても批判ばかりする人物だと判明するがそれを近右衛門が知ることはないだろう。