平和な日常~冬~5
「学校は午後からか。」
さて雪が十センチ以上積もったこの日、麻帆良学園では急遽授業を午後からに変更していた。
日の出と共に気温が上がり始め寒気は去ったのでもう雪は降らないのだが、公共交通機関の混乱は朝の時点では解消されてなく安全の為に午後からの授業に変えたらしい。
「それにしても今日はショーケースが寂しいですね。」
突然午前中が休みになったことで横島の店には早くも木乃香達を始め常連の女子中高生がやって来るが、店の入り口にあるスイーツのショーケースにはいつもあるフルーツを使ったスイーツが少なく見た目的に少し寂しく感じてしまう。
「新鮮な生鮮食品が手に入らなかったんだよ。 あんまり高いのは使えないしさ。 それでも雪広グループの方で在庫がある物もあって手に入ったからマシだけどな。」
僅か半日の雪であるがそれは麻帆良のみならず関東全域で交通機関や流通の混乱など影響は小さくはなかった。
横島の店ではスイーツ以外でも朝の定食の焼き魚を干物にしたりサラダの代わりにおひたしにしたりと、それなりに影響があったのだ。
まあバナナのような輸入品や保存の利く生鮮食品に関しては在庫がそれなりにあって変化はなかったのだが。
「タマちゃん楽しそうやな。」
一方庭にはタマモがさよと桜子と一緒に作った雪だるまが見えていた。
それなりに広い庭とはいえ流石に雪だるまを作るには雪が足りなかったらしく所々に土が混じっていて、足りない雪で作ったせいか雪だるまというよりはスリムな雪ハニワになっている。
なんとなく土の混じったとこを削ったりしていたら雪ハニワになったらしい。
「一回本当の雪国に連れて行ってやらんとなぁ。」
せっかくタマモ達が作った雪ハニワだが今日は前日の天気が嘘のように晴れる予報なので、時期に溶けてしまうだろう。
横島は一瞬異空間アジトにでも送って保存しようかとも考えるが、流石にそれはやり過ぎだと思ったのか記念に写真を撮ることで我慢することにしていた。
ただ春が来る前に本当の雪国に連れて行こうとは思っていたが。
ちなみに雪ハニワはすぐに溶けちゃうとさよ達に聞いたタマモがハニワ兵サイズの雪ハニワを作って、こっそり二階の冷凍庫に入れたことは横島が知らないことだった。
元々二階の冷蔵庫は飲み物やデザートを冷やすだけであり横島は冷凍庫は滅多に開けないので、当分の間は気付くことはないだろう。
横島宅に新たな家族がひっそりと出来ていた。
「それじゃあ私達は帰るよ。」
「はい、仕入れは任せて下さい。」
そして時計の針が午前十時を回ると公共交通機関がようやく平常に戻ったので坂本夫妻は帰ることになる。
タマモなんかはもう帰るのと少し寂しそうな表情を見せるものの、坂本夫妻はまた来るからと次に来る日を約束して帰っていく。
次は麻帆良亭を一日限定で復活させる二十六日の前日である二十五日の予定で、翌日の仕込みをするために来るらしい。
仕入れに関しては食材の質や量は昨日のうちにきちんと聞いているので横島が行うようだが。
坂本夫妻の帰りを見送りあんなに積もった雪が溶けていくのを見ることになるタマモは、この日別れの寂しさを何故か強く感じることになる。
さて雪が十センチ以上積もったこの日、麻帆良学園では急遽授業を午後からに変更していた。
日の出と共に気温が上がり始め寒気は去ったのでもう雪は降らないのだが、公共交通機関の混乱は朝の時点では解消されてなく安全の為に午後からの授業に変えたらしい。
「それにしても今日はショーケースが寂しいですね。」
突然午前中が休みになったことで横島の店には早くも木乃香達を始め常連の女子中高生がやって来るが、店の入り口にあるスイーツのショーケースにはいつもあるフルーツを使ったスイーツが少なく見た目的に少し寂しく感じてしまう。
「新鮮な生鮮食品が手に入らなかったんだよ。 あんまり高いのは使えないしさ。 それでも雪広グループの方で在庫がある物もあって手に入ったからマシだけどな。」
僅か半日の雪であるがそれは麻帆良のみならず関東全域で交通機関や流通の混乱など影響は小さくはなかった。
横島の店ではスイーツ以外でも朝の定食の焼き魚を干物にしたりサラダの代わりにおひたしにしたりと、それなりに影響があったのだ。
まあバナナのような輸入品や保存の利く生鮮食品に関しては在庫がそれなりにあって変化はなかったのだが。
「タマちゃん楽しそうやな。」
一方庭にはタマモがさよと桜子と一緒に作った雪だるまが見えていた。
それなりに広い庭とはいえ流石に雪だるまを作るには雪が足りなかったらしく所々に土が混じっていて、足りない雪で作ったせいか雪だるまというよりはスリムな雪ハニワになっている。
なんとなく土の混じったとこを削ったりしていたら雪ハニワになったらしい。
「一回本当の雪国に連れて行ってやらんとなぁ。」
せっかくタマモ達が作った雪ハニワだが今日は前日の天気が嘘のように晴れる予報なので、時期に溶けてしまうだろう。
横島は一瞬異空間アジトにでも送って保存しようかとも考えるが、流石にそれはやり過ぎだと思ったのか記念に写真を撮ることで我慢することにしていた。
ただ春が来る前に本当の雪国に連れて行こうとは思っていたが。
ちなみに雪ハニワはすぐに溶けちゃうとさよ達に聞いたタマモがハニワ兵サイズの雪ハニワを作って、こっそり二階の冷凍庫に入れたことは横島が知らないことだった。
元々二階の冷蔵庫は飲み物やデザートを冷やすだけであり横島は冷凍庫は滅多に開けないので、当分の間は気付くことはないだろう。
横島宅に新たな家族がひっそりと出来ていた。
「それじゃあ私達は帰るよ。」
「はい、仕入れは任せて下さい。」
そして時計の針が午前十時を回ると公共交通機関がようやく平常に戻ったので坂本夫妻は帰ることになる。
タマモなんかはもう帰るのと少し寂しそうな表情を見せるものの、坂本夫妻はまた来るからと次に来る日を約束して帰っていく。
次は麻帆良亭を一日限定で復活させる二十六日の前日である二十五日の予定で、翌日の仕込みをするために来るらしい。
仕入れに関しては食材の質や量は昨日のうちにきちんと聞いているので横島が行うようだが。
坂本夫妻の帰りを見送りあんなに積もった雪が溶けていくのを見ることになるタマモは、この日別れの寂しさを何故か強く感じることになる。