平和な日常~冬~5
同じ頃女子中等部では始業式が行われていた。
校長の眠くなるような話を右から左へと聞き流していた少女達であるが、この女子中等部にも意外と魔法使いや魔法関係者が多いなと改めて感じている。
実は異空間アジトに行った面々は先日話のついでに身近な魔法関係者について聞いていて、刹那や美空は元より龍宮に超と葉加瀬などの協会外の協力者が居ることも驚いていた。
加えて魔法協会と関わりはないが気を扱える楓と古菲を加えると、2ーAはかなりの割合で魔法になんらかの形で関わっている。
まあ元々魔法関係者は麻帆良学園には一定の割合で存在していて、2ーAは確かに木乃香達が知ったことで魔法関係者の割合が増加したが基本的には偶然だと聞いていた。
ただ改めて考えると麻帆良学園と関東魔法協会は本当に表裏一体なのだなとしみじみと感じさせられている。
「私は一番意外だったのは美空ちゃんかな。」
「あー、確かに。 そういうのめんどくさがりそう。」
始業式が終わると一時間のホームルームを経てこの日は帰ることになるが、木乃香達と美砂達とあやか達の異空間アジトを訪問した面々はなんとなく一緒に帰ることになり話題は自分達意外の魔法関係者だった。
「一般的な魔法関係者はアルバイト感覚の人も多いと言ってましたし。 春日さんもそのタイプでは?」
「そうかもしれませんわね。 これはお姉様が言ってましたが、魔法自体が苦労の割にあまり将来に役に立たないので副業や趣味のような扱いで普通のようですわ。 先生達や横島さんは例外中の例外のようですから。」
明日菜や美砂達は美空が魔法使いとしてやってることが不思議なようであったが、夕映とあやかは美空がさほどやる気があって魔法使いをしてる訳ではないのではと口にする。
特にあやかは年末年始を通して姉のさやかから魔法関係の話を結構聞いていたらしく、麻帆良では魔法自体がさほど将来に役に立たないのでそこまで熱中する人はあまり居ないらしい。
もちろん魔法協会に協力をすれば雪広や那波などの支援企業に入りやすいとの利点はあるのでそちらは積極的に参加する者は多いが、そもそも魔法協会の業務に関してでさえ難易度の高い魔法は使うことはまずなく魔法の矢など基礎的な魔法を幾つか使えれば十分であり実際にそれ以上の魔法を習得してもあまり使い道はない。
加えて魔法協会では回復魔法に関しては評価が高いが、中途半端な攻撃魔法を使えるよりは事務能力や情報処理などの技術持ちの方が評価されて仕事も多かった。
結局攻撃魔法がいくら使えても未成年の学生では警備と見回りくらいしか仕事がないが、事務や情報処理などの内勤系は割りと細々とした仕事があるらしい。
「なんか本当に夢も希望もないわね。」
「将来を考えるならほどほどに魔法を覚えて魔法以外で魔法協会に貢献した方が効率がいいようですわ。 どうも魔法は才能に左右されやすいので効率が悪いようですから。」
そのままあやかが語る一般的な魔法関係者の話を聞いていくものの、聞けば聞くほど夢も希望もないなと少女達は改めて思う。
「かといって奴隷なんてある魔法の国も行きたくないものね。」
結果として魔法で将来成り上がりたいなら魔法の国であるメガロメセンブリアに行くしかないのかもしれないと思うが、正直あやかを含めてこの中の全員が魔法の国にはいいイメージがない。
今のところあやかと千鶴以外は将来と言われてもピンと来ないし、別に魔法で生活したいとも名前を残したいとも思わなかった。
何故か本来の歴史と魔法に対する認識が正反対になっていく少女達ではあるが、実のところ麻帆良ではそれが普通であり特別珍しくもない。
ぶっちゃけ今の木乃香達に世のため人のためと言っても彼女達は魔法を練習などせずに、日々の生活費や小遣いから少しずつ募金でもして終わるだろう。
ある意味ネギが来ないことで少女達はごく普通の日本人的な価値観に育ちつつあった。
校長の眠くなるような話を右から左へと聞き流していた少女達であるが、この女子中等部にも意外と魔法使いや魔法関係者が多いなと改めて感じている。
実は異空間アジトに行った面々は先日話のついでに身近な魔法関係者について聞いていて、刹那や美空は元より龍宮に超と葉加瀬などの協会外の協力者が居ることも驚いていた。
加えて魔法協会と関わりはないが気を扱える楓と古菲を加えると、2ーAはかなりの割合で魔法になんらかの形で関わっている。
まあ元々魔法関係者は麻帆良学園には一定の割合で存在していて、2ーAは確かに木乃香達が知ったことで魔法関係者の割合が増加したが基本的には偶然だと聞いていた。
ただ改めて考えると麻帆良学園と関東魔法協会は本当に表裏一体なのだなとしみじみと感じさせられている。
「私は一番意外だったのは美空ちゃんかな。」
「あー、確かに。 そういうのめんどくさがりそう。」
始業式が終わると一時間のホームルームを経てこの日は帰ることになるが、木乃香達と美砂達とあやか達の異空間アジトを訪問した面々はなんとなく一緒に帰ることになり話題は自分達意外の魔法関係者だった。
「一般的な魔法関係者はアルバイト感覚の人も多いと言ってましたし。 春日さんもそのタイプでは?」
「そうかもしれませんわね。 これはお姉様が言ってましたが、魔法自体が苦労の割にあまり将来に役に立たないので副業や趣味のような扱いで普通のようですわ。 先生達や横島さんは例外中の例外のようですから。」
明日菜や美砂達は美空が魔法使いとしてやってることが不思議なようであったが、夕映とあやかは美空がさほどやる気があって魔法使いをしてる訳ではないのではと口にする。
特にあやかは年末年始を通して姉のさやかから魔法関係の話を結構聞いていたらしく、麻帆良では魔法自体がさほど将来に役に立たないのでそこまで熱中する人はあまり居ないらしい。
もちろん魔法協会に協力をすれば雪広や那波などの支援企業に入りやすいとの利点はあるのでそちらは積極的に参加する者は多いが、そもそも魔法協会の業務に関してでさえ難易度の高い魔法は使うことはまずなく魔法の矢など基礎的な魔法を幾つか使えれば十分であり実際にそれ以上の魔法を習得してもあまり使い道はない。
加えて魔法協会では回復魔法に関しては評価が高いが、中途半端な攻撃魔法を使えるよりは事務能力や情報処理などの技術持ちの方が評価されて仕事も多かった。
結局攻撃魔法がいくら使えても未成年の学生では警備と見回りくらいしか仕事がないが、事務や情報処理などの内勤系は割りと細々とした仕事があるらしい。
「なんか本当に夢も希望もないわね。」
「将来を考えるならほどほどに魔法を覚えて魔法以外で魔法協会に貢献した方が効率がいいようですわ。 どうも魔法は才能に左右されやすいので効率が悪いようですから。」
そのままあやかが語る一般的な魔法関係者の話を聞いていくものの、聞けば聞くほど夢も希望もないなと少女達は改めて思う。
「かといって奴隷なんてある魔法の国も行きたくないものね。」
結果として魔法で将来成り上がりたいなら魔法の国であるメガロメセンブリアに行くしかないのかもしれないと思うが、正直あやかを含めてこの中の全員が魔法の国にはいいイメージがない。
今のところあやかと千鶴以外は将来と言われてもピンと来ないし、別に魔法で生活したいとも名前を残したいとも思わなかった。
何故か本来の歴史と魔法に対する認識が正反対になっていく少女達ではあるが、実のところ麻帆良ではそれが普通であり特別珍しくもない。
ぶっちゃけ今の木乃香達に世のため人のためと言っても彼女達は魔法を練習などせずに、日々の生活費や小遣いから少しずつ募金でもして終わるだろう。
ある意味ネギが来ないことで少女達はごく普通の日本人的な価値観に育ちつつあった。