平和な日常~冬~5
「それにしてもどういう風の吹き回しじゃ?」
一方近右衛門とエヴァは久しぶりに囲碁を打っていたが、しばらく無言だった近右衛門は突如ずっと聞きたくても聞けなかったエヴァが何故今回一緒に来たのかを尋ねていた。
人と関わるのを避けて最近までは高畑でさえ迷惑そうにしていたエヴァが、横島に誘われたとはいえ木乃香達が一緒の時に来るとは流石に予想してなかったらしい。
「悪いか?」
「そんなことはない。 好きにして構わんぞ。 厳密に言えばワシはすでにあれこれ制限をかけれる立場ではないからのう。 ただ個人的に興味があるだけじゃ。」
「理由などない。 ただ少し馬鹿馬鹿しくなっただけだ。 あの男を見てるとな。」
なんとなく好奇心に勝てずに聞いてはみたものの近右衛門自身はエヴァが答えるとは思わなかったのだが、意外にもエヴァはすんなりと今回来た理由を答えていた。
正直なところエヴァとしても大した理由があって来た訳ではなく、なんとなく横島に流されただけでしかない。
尤もあれほど苦しんだ呪いも人々に忌み嫌われ恐れられた過去も、横島を見てると馬鹿馬鹿しくなるほどつまらないものだと感じたことも影響してるのだろうが。
「よく他人に影響を与える男じゃな。 そういうところは本当にナギとそっくりじゃよ。」
「ジジイ、貴様まさか奴をナギの二の舞にする気じゃないだろうな。」
「する訳がなかろう。 木乃香に一生恨まれるわい。 それと横島君はナギと違い臆病で強かじゃ。 同じ過ちは犯さんじゃろう。 それと弱者というだけでは動かんしの。 エヴァと気が合うのも理解出来る。」
エヴァに変化を与えた横島をかつて同じく変化を与えたナギと重ね合わせる近右衛門に、エヴァは不快そうな表情を見せると釘を刺すように睨み付ける。
異空間アジトに来てからエヴァは高畑にも釘を刺したが、この異空間アジトの価値を理解すればするほど彼女は少し神経質になっていた。
誰が主導してるかまでは知らないが横島が魔法世界絡みで近右衛門と何かしらをしてるのを気付いてるらしく、近右衛門が利用するのではと若干疑ってるらしい。
無論近右衛門も好き好んで人を犠牲にはしないだろうが、麻帆良の未来のためならば犠牲にしかねないとも思うのだろう。
基本的にエヴァは他人を信用しないのだから。
「臆病か。 ナギにはなかったものだな。」
「言い方は悪いがナギは戦士としての英雄を越えれなんだからな。 じゃが横島君は決して戦士ではない。 基本的な考え方は結構えげつないしの。」
正直なところ横島がどれほどの力や秘密を隠してても魔法世界に関わるのは危険だとエヴァは見ていた。
仮にナギのように仮初めの平和をもたらしても人は高い確率で恩を仇で返すと理解してるからだろう。
まあエヴァから見た現状だと土偶羅の存在を知らないだけに横島が甘く見えて不安になるのも無理はないが。
「聞いてるかは知らんが横島君には強力なブレーンが居る。 横島君は相棒のように言っとったがな。 彼が居る限り大丈夫じゃろう。」
エヴァ自身も何故自分が横島の心配などしてるのかと不思議に思い馬鹿馬鹿しくなる時もあるが、それでも考えてしまうのが本音のようである。
木乃香達もそうだが周りに居ると凄いのに安心感は何故か無く、放っておけないのが横島という男だった。
近右衛門はそんな横島を内心では面白いと感じつつも、これ以上エヴァに疑われたくないのできちんと説明だけはしていたが。
一方近右衛門とエヴァは久しぶりに囲碁を打っていたが、しばらく無言だった近右衛門は突如ずっと聞きたくても聞けなかったエヴァが何故今回一緒に来たのかを尋ねていた。
人と関わるのを避けて最近までは高畑でさえ迷惑そうにしていたエヴァが、横島に誘われたとはいえ木乃香達が一緒の時に来るとは流石に予想してなかったらしい。
「悪いか?」
「そんなことはない。 好きにして構わんぞ。 厳密に言えばワシはすでにあれこれ制限をかけれる立場ではないからのう。 ただ個人的に興味があるだけじゃ。」
「理由などない。 ただ少し馬鹿馬鹿しくなっただけだ。 あの男を見てるとな。」
なんとなく好奇心に勝てずに聞いてはみたものの近右衛門自身はエヴァが答えるとは思わなかったのだが、意外にもエヴァはすんなりと今回来た理由を答えていた。
正直なところエヴァとしても大した理由があって来た訳ではなく、なんとなく横島に流されただけでしかない。
尤もあれほど苦しんだ呪いも人々に忌み嫌われ恐れられた過去も、横島を見てると馬鹿馬鹿しくなるほどつまらないものだと感じたことも影響してるのだろうが。
「よく他人に影響を与える男じゃな。 そういうところは本当にナギとそっくりじゃよ。」
「ジジイ、貴様まさか奴をナギの二の舞にする気じゃないだろうな。」
「する訳がなかろう。 木乃香に一生恨まれるわい。 それと横島君はナギと違い臆病で強かじゃ。 同じ過ちは犯さんじゃろう。 それと弱者というだけでは動かんしの。 エヴァと気が合うのも理解出来る。」
エヴァに変化を与えた横島をかつて同じく変化を与えたナギと重ね合わせる近右衛門に、エヴァは不快そうな表情を見せると釘を刺すように睨み付ける。
異空間アジトに来てからエヴァは高畑にも釘を刺したが、この異空間アジトの価値を理解すればするほど彼女は少し神経質になっていた。
誰が主導してるかまでは知らないが横島が魔法世界絡みで近右衛門と何かしらをしてるのを気付いてるらしく、近右衛門が利用するのではと若干疑ってるらしい。
無論近右衛門も好き好んで人を犠牲にはしないだろうが、麻帆良の未来のためならば犠牲にしかねないとも思うのだろう。
基本的にエヴァは他人を信用しないのだから。
「臆病か。 ナギにはなかったものだな。」
「言い方は悪いがナギは戦士としての英雄を越えれなんだからな。 じゃが横島君は決して戦士ではない。 基本的な考え方は結構えげつないしの。」
正直なところ横島がどれほどの力や秘密を隠してても魔法世界に関わるのは危険だとエヴァは見ていた。
仮にナギのように仮初めの平和をもたらしても人は高い確率で恩を仇で返すと理解してるからだろう。
まあエヴァから見た現状だと土偶羅の存在を知らないだけに横島が甘く見えて不安になるのも無理はないが。
「聞いてるかは知らんが横島君には強力なブレーンが居る。 横島君は相棒のように言っとったがな。 彼が居る限り大丈夫じゃろう。」
エヴァ自身も何故自分が横島の心配などしてるのかと不思議に思い馬鹿馬鹿しくなる時もあるが、それでも考えてしまうのが本音のようである。
木乃香達もそうだが周りに居ると凄いのに安心感は何故か無く、放っておけないのが横島という男だった。
近右衛門はそんな横島を内心では面白いと感じつつも、これ以上エヴァに疑われたくないのできちんと説明だけはしていたが。