平和な日常~冬~5
「横島さん、こんなんでどうやろ?」
「うん、オッケーオッケー。 いい味出てるわ。」
横島達が昼食にと始めたバーベキューであるが、いつの間にか海水浴場に居たハニワ兵までも加わり大人数での浜焼きのようになっていた。
タマモや桜子が近くに居たハニワ兵を一緒に食べようと誘うと続々と集まって来てしまい、砂浜に居たハニワ兵ほぼ全てに昼食を振る舞うことになってしまったのだ。
結果として食材をハニワ兵達に追加で持って来て貰うと、横島はメニューを追加して木乃香達に海鮮をふんだんに入れた浜鍋を作ってもらい配っている。
横島自身に関しては追加食材に小ぶりなマグロがあったことでマグロを捌いて刺身やカルパッチョなどのマグロ料理を作っていた。
「南国リゾートが漁師町での浜焼きになったです。」
美味しい料理はみんなで食べようというタマモの行動により、砂浜の雰囲気はすっかり漁師町での浜焼きに変わっている。
日頃店を営業してることもあり特に慌てることもなく和気あいあいという昼食になるが、南国の島で日本に居るような気になるのは横島が生粋の日本人だからなのだろうなと夕映は思う。
「せっかくだし午後は海に出てみるか?」
そんな賑やかな昼食も終わりに差し掛かるとお腹が満たされた少女達はビーチチェアや砂浜で寛ぎ、心地よい日射しや海風を感じながらまどろんでいた。
贅沢とはこんなことを言うのかもしれないと感じる者もいる中、午後は海に出ようかと横島が口にする。
何人かの少女は乗り物酔いをするからと少し迷った様子を見せるが、その点は魔法で大丈夫だと告げると反対する者は居なかった。
ちょうど歩いて五分ほどの場所から観光船が出てるらしく、一行は腹ごなしを兼ねて歩いて観光船の発着港に向かう。
「何これ?」
海水浴場から港までは海岸線を歩く遊歩道になっていて、こちらは本当に南国の海辺を散歩するような感じだ。
港は元々入り江のような地形だった場所を整備した場所らしく、観光船の他に漁船などの比較的小型の船が停泊出来る規模である。
まあ港は驚くほどのものではないが、横島以外の少女達が驚いたというか不思議そうにしたのは目的の観光船を見た時であった。
「くじらさん?」
その形にタマモはすぐに気付いたらしく若干疑問系で口にするが、観光船は紛れもなくクジラの形をしている。
全長は十メートルほどだが本物と見間違うほど精巧なクジラ型観光船には、誰もが驚きを隠せない。
というか窓の一つもなければ入り口すらないので、観光船乗り場の案内看板がないとクジラがいるようにしか見えないだろう。
「クジラ型潜水挺ホエール君三号だ。 こいつは凄いぞ。」
珍しく自信ありげな横島に木乃香達は少し不安になり、ホエール君三号というネーミングセンスに微妙な表情をする者も居る。
「潜水挺って、潜るの!?」
「ああ、マリアナ海溝にも潜れるぞ。 真っ暗で面白くないから行かないけど。」
横島が海に出ると言ったのでハワイだしてっきり普通の船でホエールウォッチングかと思った少女達であるが、まさか潜水挺で行くとは思わずに呆気に取られていた。
そのまま十分ほどで出発する時間になるとホエール君三号の側面分から乗船用の入り口が現れるが、そこは継ぎ目も全くなくどう考えても表面は金属ではない。
船内はごく普通の観光船と大差なく少女達はホッとしたような残念なような複雑な心境になるが、一行やハニワ兵の観光客が座席に座ると突如天井がふっと消えてしまう。
「あの……。」
「屋根は開閉式なんだよ。 結界を張ってるから大丈夫だ。」
最早驚くべきなのかもわからぬ少女も居る中で横島は屋根の説明をするが、あいにくと少女達は屋根の心配をしていたのではなくSFのような未知の技術に驚きを隠せないだけであった。
「うん、オッケーオッケー。 いい味出てるわ。」
横島達が昼食にと始めたバーベキューであるが、いつの間にか海水浴場に居たハニワ兵までも加わり大人数での浜焼きのようになっていた。
タマモや桜子が近くに居たハニワ兵を一緒に食べようと誘うと続々と集まって来てしまい、砂浜に居たハニワ兵ほぼ全てに昼食を振る舞うことになってしまったのだ。
結果として食材をハニワ兵達に追加で持って来て貰うと、横島はメニューを追加して木乃香達に海鮮をふんだんに入れた浜鍋を作ってもらい配っている。
横島自身に関しては追加食材に小ぶりなマグロがあったことでマグロを捌いて刺身やカルパッチョなどのマグロ料理を作っていた。
「南国リゾートが漁師町での浜焼きになったです。」
美味しい料理はみんなで食べようというタマモの行動により、砂浜の雰囲気はすっかり漁師町での浜焼きに変わっている。
日頃店を営業してることもあり特に慌てることもなく和気あいあいという昼食になるが、南国の島で日本に居るような気になるのは横島が生粋の日本人だからなのだろうなと夕映は思う。
「せっかくだし午後は海に出てみるか?」
そんな賑やかな昼食も終わりに差し掛かるとお腹が満たされた少女達はビーチチェアや砂浜で寛ぎ、心地よい日射しや海風を感じながらまどろんでいた。
贅沢とはこんなことを言うのかもしれないと感じる者もいる中、午後は海に出ようかと横島が口にする。
何人かの少女は乗り物酔いをするからと少し迷った様子を見せるが、その点は魔法で大丈夫だと告げると反対する者は居なかった。
ちょうど歩いて五分ほどの場所から観光船が出てるらしく、一行は腹ごなしを兼ねて歩いて観光船の発着港に向かう。
「何これ?」
海水浴場から港までは海岸線を歩く遊歩道になっていて、こちらは本当に南国の海辺を散歩するような感じだ。
港は元々入り江のような地形だった場所を整備した場所らしく、観光船の他に漁船などの比較的小型の船が停泊出来る規模である。
まあ港は驚くほどのものではないが、横島以外の少女達が驚いたというか不思議そうにしたのは目的の観光船を見た時であった。
「くじらさん?」
その形にタマモはすぐに気付いたらしく若干疑問系で口にするが、観光船は紛れもなくクジラの形をしている。
全長は十メートルほどだが本物と見間違うほど精巧なクジラ型観光船には、誰もが驚きを隠せない。
というか窓の一つもなければ入り口すらないので、観光船乗り場の案内看板がないとクジラがいるようにしか見えないだろう。
「クジラ型潜水挺ホエール君三号だ。 こいつは凄いぞ。」
珍しく自信ありげな横島に木乃香達は少し不安になり、ホエール君三号というネーミングセンスに微妙な表情をする者も居る。
「潜水挺って、潜るの!?」
「ああ、マリアナ海溝にも潜れるぞ。 真っ暗で面白くないから行かないけど。」
横島が海に出ると言ったのでハワイだしてっきり普通の船でホエールウォッチングかと思った少女達であるが、まさか潜水挺で行くとは思わずに呆気に取られていた。
そのまま十分ほどで出発する時間になるとホエール君三号の側面分から乗船用の入り口が現れるが、そこは継ぎ目も全くなくどう考えても表面は金属ではない。
船内はごく普通の観光船と大差なく少女達はホッとしたような残念なような複雑な心境になるが、一行やハニワ兵の観光客が座席に座ると突如天井がふっと消えてしまう。
「あの……。」
「屋根は開閉式なんだよ。 結界を張ってるから大丈夫だ。」
最早驚くべきなのかもわからぬ少女も居る中で横島は屋根の説明をするが、あいにくと少女達は屋根の心配をしていたのではなくSFのような未知の技術に驚きを隠せないだけであった。