平和な日常~冬~4
結局夕方までは自由行動にしようということになり、大人組は半数が映画を見に行き半数が街に出て行った。
横島と少女達と刀子はなんとなく同じ施設のゲームセンターに入っている。
そこは麻帆良にあるような普通のゲームセンターと同じで、面白いのはカウンターで百円や五百円硬貨を貸し出してることだろう。
「ねえ、これお金だけど借りていいの?」
「ああ、いいけど持って帰るなよ。 硬貨がないと遊べないゲームもあるからな。」
ゲーム機自体は横島の元世界の物で全てお金を払って遊ぶ物になっていて、管理用の鍵もあるので必ずしも硬貨を必要とする訳ではないが基本的には硬貨を貸し出して遊ぶ仕組みになってるらしい。
少女達はここに来て初めてお金を目にすることになるが、それが普通に日本の硬貨であることに少し興味を示す。
「タマモ、なにやりたい?」
「うーん、あれがいい!」
一方よくよく考えてみると本格的なゲームセンターに入るのが始めてであるタマモは、煩いほど賑やかなゲームセンター内をキョロキョロと見回している。
スーパーやショッピングセンター内にあるゲームコーナーなら何度か連れて行った記憶はあるが、映画といいゲームセンターといい意外に連れて行ってない場所が多いなと横島は反省しつつタマモを連れて遊ばせていく。
(少し勘づかれたか。)
そんな訳でタマモは嬉々としてゲームを初体験しているが、横島はそれを見守りつつ先程の映画の後の件を考えていた。
木乃香達がなにやら勘づいたのは横島自身も理解しているのだが、彼女達が追求しない以上は下手に語るべきではない。
正直横島とすればもう少し事情を語ってもいいのではとも思うが、詠春や近右衛門達があえて何も語らなかった意味も理解してるつもりだ。
横島は日頃からあまり気にしないが基本的に物事には筋道があり、順を追って学ぶなり経験するなりをする必要がある。
現状で木乃香達に教えるべきなのは魔法関連の常識や知識が先であって、魔法世界の問題の根幹に関わる話を中途半端に今教えるのはあまり誉められたことではないのだろう。
一言で言ってしまえば明確な答えの出ない問題であり、年端もいかない少女達に語るのを躊躇するのは当然だった。
(まあ遠くない未来に答えの一端にはたどり着くだろうけど。)
ただ横島は近い将来少女達が真実の一端にたどり着くだろうとすでに確信している。
詠春は微妙だが恐らく近右衛門もその可能性にはすでに気づいているのだろうが、与えられた真実よりは自らたどり着いた真実の方が少女達の受け止め方も違うし知る価値も桁違いだろう。
願わくば少女達が安易な正義になど流されず自らの答を見つけ出して欲しいと横島は願わずには居られなかった。
(それにしても、木乃香ちゃん達は最近勘が良くなり過ぎじゃないか?)
そのまま映画の件というか完全なる世界の件に一区切り付けた横島はタマモを連れて興味を示すゲームで遊んでいくが、ふと気になったのは最近木乃香達が驚くほど勘が良くなったことだろう。
かつては令子にすぐに嘘を見抜かれた横島であるが、今は流石に人並みに嘘も付けるし腹芸も出来るつもりなだけに木乃香達の鋭さには不思議な心境になっている。
そんなに自分は分かりやすいかなと些か不安になるも、木乃香達がそれだけ横島を誰よりもよく見てることには気付くことはなかった。
横島と少女達と刀子はなんとなく同じ施設のゲームセンターに入っている。
そこは麻帆良にあるような普通のゲームセンターと同じで、面白いのはカウンターで百円や五百円硬貨を貸し出してることだろう。
「ねえ、これお金だけど借りていいの?」
「ああ、いいけど持って帰るなよ。 硬貨がないと遊べないゲームもあるからな。」
ゲーム機自体は横島の元世界の物で全てお金を払って遊ぶ物になっていて、管理用の鍵もあるので必ずしも硬貨を必要とする訳ではないが基本的には硬貨を貸し出して遊ぶ仕組みになってるらしい。
少女達はここに来て初めてお金を目にすることになるが、それが普通に日本の硬貨であることに少し興味を示す。
「タマモ、なにやりたい?」
「うーん、あれがいい!」
一方よくよく考えてみると本格的なゲームセンターに入るのが始めてであるタマモは、煩いほど賑やかなゲームセンター内をキョロキョロと見回している。
スーパーやショッピングセンター内にあるゲームコーナーなら何度か連れて行った記憶はあるが、映画といいゲームセンターといい意外に連れて行ってない場所が多いなと横島は反省しつつタマモを連れて遊ばせていく。
(少し勘づかれたか。)
そんな訳でタマモは嬉々としてゲームを初体験しているが、横島はそれを見守りつつ先程の映画の後の件を考えていた。
木乃香達がなにやら勘づいたのは横島自身も理解しているのだが、彼女達が追求しない以上は下手に語るべきではない。
正直横島とすればもう少し事情を語ってもいいのではとも思うが、詠春や近右衛門達があえて何も語らなかった意味も理解してるつもりだ。
横島は日頃からあまり気にしないが基本的に物事には筋道があり、順を追って学ぶなり経験するなりをする必要がある。
現状で木乃香達に教えるべきなのは魔法関連の常識や知識が先であって、魔法世界の問題の根幹に関わる話を中途半端に今教えるのはあまり誉められたことではないのだろう。
一言で言ってしまえば明確な答えの出ない問題であり、年端もいかない少女達に語るのを躊躇するのは当然だった。
(まあ遠くない未来に答えの一端にはたどり着くだろうけど。)
ただ横島は近い将来少女達が真実の一端にたどり着くだろうとすでに確信している。
詠春は微妙だが恐らく近右衛門もその可能性にはすでに気づいているのだろうが、与えられた真実よりは自らたどり着いた真実の方が少女達の受け止め方も違うし知る価値も桁違いだろう。
願わくば少女達が安易な正義になど流されず自らの答を見つけ出して欲しいと横島は願わずには居られなかった。
(それにしても、木乃香ちゃん達は最近勘が良くなり過ぎじゃないか?)
そのまま映画の件というか完全なる世界の件に一区切り付けた横島はタマモを連れて興味を示すゲームで遊んでいくが、ふと気になったのは最近木乃香達が驚くほど勘が良くなったことだろう。
かつては令子にすぐに嘘を見抜かれた横島であるが、今は流石に人並みに嘘も付けるし腹芸も出来るつもりなだけに木乃香達の鋭さには不思議な心境になっている。
そんなに自分は分かりやすいかなと些か不安になるも、木乃香達がそれだけ横島を誰よりもよく見てることには気付くことはなかった。