平和な日常~冬~4
「ぽー? ……ぽ? ぽー!?」
民家に到着した横島はさっそくインターフォンを押して家の主を呼ぶと、出てきたハニワ兵は少し眠そうにドアを開けて門の前にいる横島達を見る。
異空間アジトには滅多に戻らない横島と居ないはずの人間達の姿にハニワ兵は寝ぼけて夢だとでも思ったのかドアを締めかけるが、横島がもう一度インターフォンを押すと再び門の前を見て慌てたように家の中に入るとドタバタと何かを片付けるような音が外にまでしてくる。
「おーい、そんなに気にせんでもいいぞ。」
「そういう訳にはいかないでしょう。」
横島としては友達の家にでも来るような感覚で気にするなと叫ぶが、少女達は流石に突然来たのだから部屋を片付けるくらいは仕方ないと思う。
というか少女達もそろそろハニワ兵達と横島の関係をなんとなくではあるが理解し始めていた。
「なんかお偉いさんが突然来て慌ててる感じかしら?」
「ぽー。」
現に昨日から何体ものハニワ兵達に会ったが時々横島を見てビックリするようなハニワ兵もいて、今もなんとなくではあるが雰囲気から明日菜はハニワ兵の心情を推測して横島家のハニワ兵に尋ねるとハニワ兵は正解だと頷く。
「マスター偉いの? 王さま?」
「うーん、その辺り微妙なんだよな。 今は居ないけどこの世界の本来の持ち主って別に居るしさ。 一応今は権限は持ってるけど王さまの代理みたいな感じか?」
もう横島が目茶苦茶なのは十分に分かったので例え偉くても誰も驚かないが、なんと桜子は単刀直入に横島に偉いのかとそのまま尋ねてしまう。
木乃香達なんかはあまりに単刀直入な桜子の言葉に驚くが、横島は特に気にしてなく素直に自分と異空間アジトやハニワ兵達の関係を考えて説明していた。
現状で異空間アジトの全権限は横島が持ってるが所詮は借り物であり、いずれは本来の継承者である三姉妹に返すべき権限だと考えている。
尤も手続き的には完全に横島に権限は移譲されたので、あくまでも横島の気持ちというか心情の問題なのだが。
「うわ~、凄い服の数。」
その後十五分ほど待たされてようやく家に入れてもらった一行であるが、そこは一般的な民家というよりは縫製工場かと疑いたくなるような家であった。
玄関には生地かなんかが入った段ボール箱が重なっているし、古いファッション雑誌が紐で結わえて置かれている。
廊下にも荷物がいっぱいでリビングらしき部屋に行くと、そこは人間用のマネキンやミシンがいっぱいだった。
服に関しても作りかけだけで一般的なシャツのようなものからドレスまであったりと幅広い。
「これが趣味ですか?」
「らしいな。 仕事は警備員らしいけど、ここ犯罪とかないから暇なんだろうなぁ。」
これは趣味の領域を越えてるだろうと言いたげな少女達であるが、実はこの家のハニワ兵は戦闘タイプのハニワ兵だったりする。
元々は横島達の戦闘時のサポート件異空間アジト内の警備員として戦闘力に特化させたハニワ兵であったが、平和な異空間アジトでは警備員の仕事は特になく街に迷い混んだ野性動物を捕まえるくらいしかない。
その結果暇をもて余していつの間にか人間用の洋服作りに目覚めたようだ。
「うわ~、これ可愛い!」
「サイズ会うかしら?」
リビングは座る場所すら満足にないが少女達はあまり気にした様子もなく制作中の服なんかを見て騒ぎ始める。
家主のハニワ兵と横島宅のハニワ兵がさっそく少女達が着れる服をと他の部屋から次々に運んで来ると、そこはもう洋服屋のような雰囲気になってしまう。
ただこうなると暇というか洋服を選ぶ女性の輪に男性の横島と高畑が加われるはずもなく、横島と高畑の二人はいつの間にか庭に出てタバコに火をつけていた。
民家に到着した横島はさっそくインターフォンを押して家の主を呼ぶと、出てきたハニワ兵は少し眠そうにドアを開けて門の前にいる横島達を見る。
異空間アジトには滅多に戻らない横島と居ないはずの人間達の姿にハニワ兵は寝ぼけて夢だとでも思ったのかドアを締めかけるが、横島がもう一度インターフォンを押すと再び門の前を見て慌てたように家の中に入るとドタバタと何かを片付けるような音が外にまでしてくる。
「おーい、そんなに気にせんでもいいぞ。」
「そういう訳にはいかないでしょう。」
横島としては友達の家にでも来るような感覚で気にするなと叫ぶが、少女達は流石に突然来たのだから部屋を片付けるくらいは仕方ないと思う。
というか少女達もそろそろハニワ兵達と横島の関係をなんとなくではあるが理解し始めていた。
「なんかお偉いさんが突然来て慌ててる感じかしら?」
「ぽー。」
現に昨日から何体ものハニワ兵達に会ったが時々横島を見てビックリするようなハニワ兵もいて、今もなんとなくではあるが雰囲気から明日菜はハニワ兵の心情を推測して横島家のハニワ兵に尋ねるとハニワ兵は正解だと頷く。
「マスター偉いの? 王さま?」
「うーん、その辺り微妙なんだよな。 今は居ないけどこの世界の本来の持ち主って別に居るしさ。 一応今は権限は持ってるけど王さまの代理みたいな感じか?」
もう横島が目茶苦茶なのは十分に分かったので例え偉くても誰も驚かないが、なんと桜子は単刀直入に横島に偉いのかとそのまま尋ねてしまう。
木乃香達なんかはあまりに単刀直入な桜子の言葉に驚くが、横島は特に気にしてなく素直に自分と異空間アジトやハニワ兵達の関係を考えて説明していた。
現状で異空間アジトの全権限は横島が持ってるが所詮は借り物であり、いずれは本来の継承者である三姉妹に返すべき権限だと考えている。
尤も手続き的には完全に横島に権限は移譲されたので、あくまでも横島の気持ちというか心情の問題なのだが。
「うわ~、凄い服の数。」
その後十五分ほど待たされてようやく家に入れてもらった一行であるが、そこは一般的な民家というよりは縫製工場かと疑いたくなるような家であった。
玄関には生地かなんかが入った段ボール箱が重なっているし、古いファッション雑誌が紐で結わえて置かれている。
廊下にも荷物がいっぱいでリビングらしき部屋に行くと、そこは人間用のマネキンやミシンがいっぱいだった。
服に関しても作りかけだけで一般的なシャツのようなものからドレスまであったりと幅広い。
「これが趣味ですか?」
「らしいな。 仕事は警備員らしいけど、ここ犯罪とかないから暇なんだろうなぁ。」
これは趣味の領域を越えてるだろうと言いたげな少女達であるが、実はこの家のハニワ兵は戦闘タイプのハニワ兵だったりする。
元々は横島達の戦闘時のサポート件異空間アジト内の警備員として戦闘力に特化させたハニワ兵であったが、平和な異空間アジトでは警備員の仕事は特になく街に迷い混んだ野性動物を捕まえるくらいしかない。
その結果暇をもて余していつの間にか人間用の洋服作りに目覚めたようだ。
「うわ~、これ可愛い!」
「サイズ会うかしら?」
リビングは座る場所すら満足にないが少女達はあまり気にした様子もなく制作中の服なんかを見て騒ぎ始める。
家主のハニワ兵と横島宅のハニワ兵がさっそく少女達が着れる服をと他の部屋から次々に運んで来ると、そこはもう洋服屋のような雰囲気になってしまう。
ただこうなると暇というか洋服を選ぶ女性の輪に男性の横島と高畑が加われるはずもなく、横島と高畑の二人はいつの間にか庭に出てタバコに火をつけていた。