平和な日常~春~
暦も変わりいよいよ六月に入っていた
麻帆良の街は一日一日と賑やかになっていき、大型のイベントの中にはすでにオープンしてる物もある
しかしこの日は昨晩から続く雨が降り続いており、どんよりとした朝だった
「寒くないか? 雨に濡れないようにな」
いつもと同じように朝早く起きた横島だが、この日は雨で庭の手入れが出来ないので起きて早々野良猫達にご飯をあげている
以前作った猫ハウスの中には五匹な猫達が居るが、流石にまだ少し眠そうな猫が多い
日替わりで庭に居る猫は違うが、中にはほとんど居着いてる猫もいた
朝のこの時間に彼らにご飯をあげて体調を見ることが、横島は何故か好きだった
「今日は手作りパンにするんだったな」
雨のせいでいつもより早く厨房に来た横島だったが、今日の限定メニューは昨日から決めており下準備していたのだ
パンの場合は発酵に時間がかかることから昨日のうちに一次発酵をさせており、これから続きをするのだが横島は相変わらず鼻歌混じりにパンを作っていく
食パンやクロワッサンやバターロールなどの定番から調理パンまで幅広く作っていくのだが、動物の形をしたパンも複数ある
犬・猫などの定番の動物に加えて、何故か狐やイルカなど統一感がない動物パンも10種類ほど出来ていた
中身は手作りジャムが入ったジャムパンなのだが、アニメのキャラのような可愛らしい動物パンはとても横島が作ったように見えないほどの出来である
そんなパンを焼くと同時に店内のテーブルの配置を少し変えて、まるでパン屋のように焼き上がったパンを並べていく
いつもながらこの日も横島はやることが徹底していた
慌ただしくパンを作っていた横島だったが、人々が通勤や通学する時間になると店は賑やかになる
「おはようございます」
「うわ~、いっぱい作ったんやね」
珍しく朝からやって来たのは明日菜と木乃香であり、今日は横島がパンを焼くことを知っていた二人は昼食用にパンを買いに来たらしい
「天然酵母の完全な手作りパンだ。 会計は帰りでいいから好きなの持っていきなよ」
「実はみんなにいろいろ頼まれてるんや」
「えっと……、これとこれが三個でこれは八個ね。 ってか持って行くの大変だわ」
横島はパンの出来に自信があるようで機嫌がよく、木乃香と明日菜はクラスメートに頼まれた分を急いで選んでいく
横島がパンを焼いて安く売ると知った2ーAのクラスメートが、明日菜と木乃香に買い出しを頼んだらしい
「大丈夫か? 持って行けないなら配達してやろうか?」
「大丈夫よ。 これでも新聞配達で慣れてるから」
結局明日菜と木乃香は両手にパンの入った紙袋を持って急いで学校に向かうが、その量からしてクラスメートのほとんどが頼んだようだ
「うむ、思った以上になくなるな。 もっと焼かんとダメだわ」
明日菜と木乃香が店を出るとパンの量が一気に減っていた
ある程度余裕を持って準備してるからいいが、思った以上に売れそうだと横島は気合いを入れて追加のパンを焼いていく
麻帆良の街は一日一日と賑やかになっていき、大型のイベントの中にはすでにオープンしてる物もある
しかしこの日は昨晩から続く雨が降り続いており、どんよりとした朝だった
「寒くないか? 雨に濡れないようにな」
いつもと同じように朝早く起きた横島だが、この日は雨で庭の手入れが出来ないので起きて早々野良猫達にご飯をあげている
以前作った猫ハウスの中には五匹な猫達が居るが、流石にまだ少し眠そうな猫が多い
日替わりで庭に居る猫は違うが、中にはほとんど居着いてる猫もいた
朝のこの時間に彼らにご飯をあげて体調を見ることが、横島は何故か好きだった
「今日は手作りパンにするんだったな」
雨のせいでいつもより早く厨房に来た横島だったが、今日の限定メニューは昨日から決めており下準備していたのだ
パンの場合は発酵に時間がかかることから昨日のうちに一次発酵をさせており、これから続きをするのだが横島は相変わらず鼻歌混じりにパンを作っていく
食パンやクロワッサンやバターロールなどの定番から調理パンまで幅広く作っていくのだが、動物の形をしたパンも複数ある
犬・猫などの定番の動物に加えて、何故か狐やイルカなど統一感がない動物パンも10種類ほど出来ていた
中身は手作りジャムが入ったジャムパンなのだが、アニメのキャラのような可愛らしい動物パンはとても横島が作ったように見えないほどの出来である
そんなパンを焼くと同時に店内のテーブルの配置を少し変えて、まるでパン屋のように焼き上がったパンを並べていく
いつもながらこの日も横島はやることが徹底していた
慌ただしくパンを作っていた横島だったが、人々が通勤や通学する時間になると店は賑やかになる
「おはようございます」
「うわ~、いっぱい作ったんやね」
珍しく朝からやって来たのは明日菜と木乃香であり、今日は横島がパンを焼くことを知っていた二人は昼食用にパンを買いに来たらしい
「天然酵母の完全な手作りパンだ。 会計は帰りでいいから好きなの持っていきなよ」
「実はみんなにいろいろ頼まれてるんや」
「えっと……、これとこれが三個でこれは八個ね。 ってか持って行くの大変だわ」
横島はパンの出来に自信があるようで機嫌がよく、木乃香と明日菜はクラスメートに頼まれた分を急いで選んでいく
横島がパンを焼いて安く売ると知った2ーAのクラスメートが、明日菜と木乃香に買い出しを頼んだらしい
「大丈夫か? 持って行けないなら配達してやろうか?」
「大丈夫よ。 これでも新聞配達で慣れてるから」
結局明日菜と木乃香は両手にパンの入った紙袋を持って急いで学校に向かうが、その量からしてクラスメートのほとんどが頼んだようだ
「うむ、思った以上になくなるな。 もっと焼かんとダメだわ」
明日菜と木乃香が店を出るとパンの量が一気に減っていた
ある程度余裕を持って準備してるからいいが、思った以上に売れそうだと横島は気合いを入れて追加のパンを焼いていく