平和な日常~冬~4
「もう~、食べ過ぎはあかんえ。」
お金がない世界だけに遠慮なく食べる横島達を木乃香はたしなめつつ街の観光を続けるが、一行が立ち寄ったのは本屋であった。
異文化を知る上で一番手っ取り早くていいのは書物を読むことであるが、残念ながらこの街には図書館がないことから本屋に立ち寄ったのだ。
「本は普通の書籍なんですね。」
本屋は広くもなく狭くもなく何処にでもあるような普通の本屋であったが真っ先に中に入った夕映達と対照的に、千鶴や雪広姉妹は車が空飛ぶ世界において本は紙の書籍であることが少し不思議に感じたようである。
「電子書籍の類いも普及してるはずなんだけどな。 そもそも情報の蓄積は電子化してるし。 何で紙の本屋なんてあるんだ?」
千鶴の疑問は当然のごとく横島に向かうが横島も紙の書籍がある理由を知らないらしく近くにいた本屋のハニワ兵に尋ねると、ハニワ兵いわく電子書籍よりも紙の書籍が欲しいとの要望が結構あったので現在は紙の書籍も作ってるらしい。
まあハニワ兵にはハニワ兵の好みやこだわりがあるのだろう。
「意外と知ってる本もありますね。」
一方本屋に入るなり人が変わったようにイキイキとし出した夕映とのどかに木乃香とハルナの図書館探検部の面々は未知の世界の本に瞳を輝かせていたが、意外と知ってる本が多いことに驚いていた。
ただしここで面白いのは夕映達の世界と同じ作者の同じ内容の本にも関わらず題名が微かに違ったり文字が違ったりと、目立たない違いがあることである。
一見すると単純な間違いに見えるが、それは世界が違う本だと言われると非常に興味深い。
「これは……。」
次にエヴァと高畑と刀子の三名は専門書のコーナーに来ていた。
そこも一見すると麻帆良にある本屋と変わらぬ本ばかりだが、三人の視線が止まったのは麻帆良にはないオカルト関連の専門書の前である。
一般的なGS関連の本からドクターカオスの著書まであり、三人はそれぞれに本を手に取りペラペラと中身を流し読みしていく。
「本当に異世界から来たのね。」
現在本屋に居るメンバーでは一番横島の過去を聞いたのは刀子であるが、彼女はGS入門という本を読んでいた。
それには横島に見せてもらった神通棍が書かれていて、他にも横島から聞いた話を裏付ける内容も書かれている。
ちなみにエヴァは魔法科学で作る核兵器というかなり危ない題名の本を読んでいた。
著者はいうまでもなくドクターカオスだ。
晩年ボケが治ったカオスが自身の晩年の研究内容の一つを書いた一冊であるが、あまりに危険な内容と魔法と科学の双方を最高レベルで理解しなくては内容を理解することが出来ないという読む者を限りなく選ぶ本であった。
何故こんな街の書店にあるのかは不明だがあいにくとエヴァは魔法はともかく科学に疎いので内容は理解出来るはずもなく、すぐに本棚に戻すことになる。
なお本の最後尾には著者としてカオスの名前と一緒に助手として横島の名前もサラッと書かれているがエヴァは気付くことはなかった。
「ねえ、これって木乃香のお父さんじゃない?」
そして美砂達三人は新書のコーナーを見ていたが、ハニワ兵が書いた本などに混じって赤き翼を題材にした本も並んでいる。
昨日チラッと見た映画の看板と同じ若い頃の詠春の写真が表紙であることからすぐに見つけて手に取って見ていた。
「だな。 それと横の子供は高畑先生だぞ。」
「…………えーー!!!」
そんな美砂達が見ている本を先程からタマモを連れて店内をブラブラしていた横島が覗くと、横島はサラッと子供の頃の高畑を見つけ美砂達に教えてしまい美砂達はしばしの沈黙の後に昨日や今日で一番かもしれない驚きの声をあげてしまう。
お金がない世界だけに遠慮なく食べる横島達を木乃香はたしなめつつ街の観光を続けるが、一行が立ち寄ったのは本屋であった。
異文化を知る上で一番手っ取り早くていいのは書物を読むことであるが、残念ながらこの街には図書館がないことから本屋に立ち寄ったのだ。
「本は普通の書籍なんですね。」
本屋は広くもなく狭くもなく何処にでもあるような普通の本屋であったが真っ先に中に入った夕映達と対照的に、千鶴や雪広姉妹は車が空飛ぶ世界において本は紙の書籍であることが少し不思議に感じたようである。
「電子書籍の類いも普及してるはずなんだけどな。 そもそも情報の蓄積は電子化してるし。 何で紙の本屋なんてあるんだ?」
千鶴の疑問は当然のごとく横島に向かうが横島も紙の書籍がある理由を知らないらしく近くにいた本屋のハニワ兵に尋ねると、ハニワ兵いわく電子書籍よりも紙の書籍が欲しいとの要望が結構あったので現在は紙の書籍も作ってるらしい。
まあハニワ兵にはハニワ兵の好みやこだわりがあるのだろう。
「意外と知ってる本もありますね。」
一方本屋に入るなり人が変わったようにイキイキとし出した夕映とのどかに木乃香とハルナの図書館探検部の面々は未知の世界の本に瞳を輝かせていたが、意外と知ってる本が多いことに驚いていた。
ただしここで面白いのは夕映達の世界と同じ作者の同じ内容の本にも関わらず題名が微かに違ったり文字が違ったりと、目立たない違いがあることである。
一見すると単純な間違いに見えるが、それは世界が違う本だと言われると非常に興味深い。
「これは……。」
次にエヴァと高畑と刀子の三名は専門書のコーナーに来ていた。
そこも一見すると麻帆良にある本屋と変わらぬ本ばかりだが、三人の視線が止まったのは麻帆良にはないオカルト関連の専門書の前である。
一般的なGS関連の本からドクターカオスの著書まであり、三人はそれぞれに本を手に取りペラペラと中身を流し読みしていく。
「本当に異世界から来たのね。」
現在本屋に居るメンバーでは一番横島の過去を聞いたのは刀子であるが、彼女はGS入門という本を読んでいた。
それには横島に見せてもらった神通棍が書かれていて、他にも横島から聞いた話を裏付ける内容も書かれている。
ちなみにエヴァは魔法科学で作る核兵器というかなり危ない題名の本を読んでいた。
著者はいうまでもなくドクターカオスだ。
晩年ボケが治ったカオスが自身の晩年の研究内容の一つを書いた一冊であるが、あまりに危険な内容と魔法と科学の双方を最高レベルで理解しなくては内容を理解することが出来ないという読む者を限りなく選ぶ本であった。
何故こんな街の書店にあるのかは不明だがあいにくとエヴァは魔法はともかく科学に疎いので内容は理解出来るはずもなく、すぐに本棚に戻すことになる。
なお本の最後尾には著者としてカオスの名前と一緒に助手として横島の名前もサラッと書かれているがエヴァは気付くことはなかった。
「ねえ、これって木乃香のお父さんじゃない?」
そして美砂達三人は新書のコーナーを見ていたが、ハニワ兵が書いた本などに混じって赤き翼を題材にした本も並んでいる。
昨日チラッと見た映画の看板と同じ若い頃の詠春の写真が表紙であることからすぐに見つけて手に取って見ていた。
「だな。 それと横の子供は高畑先生だぞ。」
「…………えーー!!!」
そんな美砂達が見ている本を先程からタマモを連れて店内をブラブラしていた横島が覗くと、横島はサラッと子供の頃の高畑を見つけ美砂達に教えてしまい美砂達はしばしの沈黙の後に昨日や今日で一番かもしれない驚きの声をあげてしまう。