平和な日常~冬~4
次に雪広家の三人が泊まる部屋では清十郎が物思いにふけていた。
前回来た時に行ったバベルの塔の時にも気付いたことだが、アシュタロスの遺産やハニワの街などのおかげで目立たなかった横島個人のことを考えている。
横島自身純粋な人間ではないと言ったしエヴァのような存在もあるので見た目がそのまま年齢だとは思わないが、普段の横島から考えるとエヴァのように長い年月を生きて来た訳ではないだろう。
正直なところ一体どれほどのモノを積み重ねれば現在のようになるのか全く想像がつかない。
「ワシらはもう少し長い視点で物事を見るべきなのかもしれんな。」
「父さん?」
「目の前の魔法世界の危機に目が行き過ぎている気がする。」
そのままずっと物思いにふけって無言だった清十郎が突然口を開くと、息子の政樹夫婦は何の話かとすぐに理解できてないようで首をかしげていた。
何の話かとたずねるような息子夫婦に清十郎は一言だけ答えると再び物思いにふけって無言になるが、特にここ最近は十年との具体的な時間が出たこともあり少し視野が狭まっていたかもしれないと自身に問い掛けるように考えていく。
魔法世界の危機は危機として無くなる訳ではないが、問題の根源は魔法という一つの力であり技術を一般大衆から隠していることだろうと思い始める。
原因はヨーロッパの白人なので今更追究しても仕方ないが、現状の魔法世界の危機も結局はその歪みが根底にある気がしてならない。
仮に今の危機を乗り越えたとしても問題の根源が解決されないうちは、すぐに次の問題が出てくるような気がしていた。
尤も数百年も隠されていた魔法を今更公開などしても長年溜まりに溜まった歪みで混乱するだけではあるが。
ただこの先のことを真剣に考えるならば、そんな世界の歪みと負の歴史と向き合わねばならないとは思う。
無論超鈴音のように世界を変えようなどとは清十郎は全く思わないが、せめて自分達や日本は確実に生きていけるように独自の未来を模索する必要性はあると感じている。
何故横島がハニワ兵達と新しい世界に渡って来たのかは分からないが、結局のところ争いや問題は人の歴史が続く以上はなくならないのだろうと横島達を見ると理解してしまった。
まあ具体的にどうするかはこれから考えねばならないが、かつて地球から魔法世界に脱出した魔法使い達や新しい世界を求め渡って来た横島のように自分達も最悪の事態は想定するべきかもしれないと考えを巡らせていた。
「あ~、効くわ。」
そして刀子だが彼女は何故かハニワ兵にマッサージをしてもらっていた。
どうもこのホテルではルームサービスと同じくマッサージも頼めるようであったので物は試しにと頼んでみたらしい。
年末年始は休みであったが神鳴流奥義の修行で正直肉体的には疲労もあったので、元々麻帆良に戻ってきてからマッサージにでも行くつもりだったのだ。
ぶっちゃけハニワにマッサージは必要なのかと疑問もあったが、やって来たハニワ兵は手慣れた様子でマッサージが上手かった。
「ポー?」
「ちょうどいいわよ。 本当に助かるわ。」
時々何かを確認するように声を出すハニワ兵に刀子はなんとなく答えているが、マッサージの強さや特にして欲しい場所など意外と言葉が理解できなくても意思疏通に問題はなく快適のようである。
適度な刺激とマッサージの気持ち良さについ睡魔が襲ってくる中、刀子は幸せそうであった。
前回来た時に行ったバベルの塔の時にも気付いたことだが、アシュタロスの遺産やハニワの街などのおかげで目立たなかった横島個人のことを考えている。
横島自身純粋な人間ではないと言ったしエヴァのような存在もあるので見た目がそのまま年齢だとは思わないが、普段の横島から考えるとエヴァのように長い年月を生きて来た訳ではないだろう。
正直なところ一体どれほどのモノを積み重ねれば現在のようになるのか全く想像がつかない。
「ワシらはもう少し長い視点で物事を見るべきなのかもしれんな。」
「父さん?」
「目の前の魔法世界の危機に目が行き過ぎている気がする。」
そのままずっと物思いにふけって無言だった清十郎が突然口を開くと、息子の政樹夫婦は何の話かとすぐに理解できてないようで首をかしげていた。
何の話かとたずねるような息子夫婦に清十郎は一言だけ答えると再び物思いにふけって無言になるが、特にここ最近は十年との具体的な時間が出たこともあり少し視野が狭まっていたかもしれないと自身に問い掛けるように考えていく。
魔法世界の危機は危機として無くなる訳ではないが、問題の根源は魔法という一つの力であり技術を一般大衆から隠していることだろうと思い始める。
原因はヨーロッパの白人なので今更追究しても仕方ないが、現状の魔法世界の危機も結局はその歪みが根底にある気がしてならない。
仮に今の危機を乗り越えたとしても問題の根源が解決されないうちは、すぐに次の問題が出てくるような気がしていた。
尤も数百年も隠されていた魔法を今更公開などしても長年溜まりに溜まった歪みで混乱するだけではあるが。
ただこの先のことを真剣に考えるならば、そんな世界の歪みと負の歴史と向き合わねばならないとは思う。
無論超鈴音のように世界を変えようなどとは清十郎は全く思わないが、せめて自分達や日本は確実に生きていけるように独自の未来を模索する必要性はあると感じている。
何故横島がハニワ兵達と新しい世界に渡って来たのかは分からないが、結局のところ争いや問題は人の歴史が続く以上はなくならないのだろうと横島達を見ると理解してしまった。
まあ具体的にどうするかはこれから考えねばならないが、かつて地球から魔法世界に脱出した魔法使い達や新しい世界を求め渡って来た横島のように自分達も最悪の事態は想定するべきかもしれないと考えを巡らせていた。
「あ~、効くわ。」
そして刀子だが彼女は何故かハニワ兵にマッサージをしてもらっていた。
どうもこのホテルではルームサービスと同じくマッサージも頼めるようであったので物は試しにと頼んでみたらしい。
年末年始は休みであったが神鳴流奥義の修行で正直肉体的には疲労もあったので、元々麻帆良に戻ってきてからマッサージにでも行くつもりだったのだ。
ぶっちゃけハニワにマッサージは必要なのかと疑問もあったが、やって来たハニワ兵は手慣れた様子でマッサージが上手かった。
「ポー?」
「ちょうどいいわよ。 本当に助かるわ。」
時々何かを確認するように声を出すハニワ兵に刀子はなんとなく答えているが、マッサージの強さや特にして欲しい場所など意外と言葉が理解できなくても意思疏通に問題はなく快適のようである。
適度な刺激とマッサージの気持ち良さについ睡魔が襲ってくる中、刀子は幸せそうであった。