平和な日常~春~
その日の午後、麻帆良祭飲食店合同イベント実行委員会からの案内状が届いていた
それは今年の麻帆良祭でも飲食店が合同でイベントを行う為に、イベントへの参加を勧める内容である
イベントの内容は毎年恒例の食べ歩きスタンプラリーや麻帆良祭期間限定の大食いメニューなど、大型イベントから細かなイベントまで結構な数があった
スタンプラリーは全店参加だが他は任意参加のイベントであり、各イベント事に参加負担金は必要になるが飲食店合同イベントのパンフレットに店の名前が乗るなど利点も大きい
「みんな気合い入ってんな」
「この時期の宣伝効果は絶大です。 超包子も去年の麻帆良祭で人気になり一躍有名店の仲間入りしました。 これはあくまで噂ですが、麻帆良祭で成功した店は年収が数倍になることも珍しくはないとか……」
案内状に目を通しつつ人事のような横島に、夕映はそのイベントの意義を淡々と語っていく
以前資料を集めた時にこの手の真偽が不明な噂を耳にしたらしい
「ふーん、あんまり客が増えると忙しくなるからなー 正直普段は現状くらいでいいや。 まあ参加する以上は盛り上げていくけど」
夕映の説明に横島の反応はイマイチであった
人と触れ合う為に喫茶店を始めた横島にとって収入は二の次である
朝昼晩の食事時は忙しくてもいいが、その他は暇なくらいの方が理想だった
しかし収入とは無関係に祭りに参加する以上は盛り上げて楽しみたい気持ちもあるため、飲食店合同イベントには参加するらしい
「それよりさ。 せっかく可愛い女の子がバイトしてくれるんだから、なんか可愛い服でも着てほしいんだがどんな服がいいんだ?」
「可愛い服ね……、私はそんな服苦手だからな~」
「メイドさんなんてどうですか?」
「ウチは浴衣とか着物もええと思うえ」
横島の興味は収入よりも麻帆良祭の内容に移っており、せっかく参加するなら木乃香達や臨時バイトの子達に可愛い服でも着せたいと力強く語っている
一歩間違えれば変態とも受け取られかねない発言をする横島に、夕映は多少ため息をはき明日菜は可愛い服は苦手だと言う
一方のどかと木乃香は割と乗り気なようでどんな服がいいかで盛り上がっていく
「明日菜ちゃんも夕映ちゃんも可愛いんだから、いろんな服が似合うと思うがな~」
あまり乗り気でない二人に横島は真顔で可愛いと言い切るが、そんな横島の言葉に夕映と明日菜は微妙に恥ずかしそうである
「真顔で言われると照れるわね」
「本人に悪気がないのが余計にタチが悪いです。 褒められて嫌な気持ちなどしませんし……」
横島としては深い意味などなく自然に可愛いと言い切るのだが、それにあまり慣れてない明日菜と夕映はどうしても照れてしまう
普通は言う方も恥ずかしさを感じそうなのだが、横島の場合はその辺りの感覚がちょっと普通じゃない
(これも外国に行ってた影響でしょうか? 外国人はよく褒めると言いますし……)
まるでテレビで見るナンパな外国人みたいだとふと感じた夕映は海外を旅した影響かと推測するが、それが元々の横島の性格から来てることは流石に気付かないようだった
それは今年の麻帆良祭でも飲食店が合同でイベントを行う為に、イベントへの参加を勧める内容である
イベントの内容は毎年恒例の食べ歩きスタンプラリーや麻帆良祭期間限定の大食いメニューなど、大型イベントから細かなイベントまで結構な数があった
スタンプラリーは全店参加だが他は任意参加のイベントであり、各イベント事に参加負担金は必要になるが飲食店合同イベントのパンフレットに店の名前が乗るなど利点も大きい
「みんな気合い入ってんな」
「この時期の宣伝効果は絶大です。 超包子も去年の麻帆良祭で人気になり一躍有名店の仲間入りしました。 これはあくまで噂ですが、麻帆良祭で成功した店は年収が数倍になることも珍しくはないとか……」
案内状に目を通しつつ人事のような横島に、夕映はそのイベントの意義を淡々と語っていく
以前資料を集めた時にこの手の真偽が不明な噂を耳にしたらしい
「ふーん、あんまり客が増えると忙しくなるからなー 正直普段は現状くらいでいいや。 まあ参加する以上は盛り上げていくけど」
夕映の説明に横島の反応はイマイチであった
人と触れ合う為に喫茶店を始めた横島にとって収入は二の次である
朝昼晩の食事時は忙しくてもいいが、その他は暇なくらいの方が理想だった
しかし収入とは無関係に祭りに参加する以上は盛り上げて楽しみたい気持ちもあるため、飲食店合同イベントには参加するらしい
「それよりさ。 せっかく可愛い女の子がバイトしてくれるんだから、なんか可愛い服でも着てほしいんだがどんな服がいいんだ?」
「可愛い服ね……、私はそんな服苦手だからな~」
「メイドさんなんてどうですか?」
「ウチは浴衣とか着物もええと思うえ」
横島の興味は収入よりも麻帆良祭の内容に移っており、せっかく参加するなら木乃香達や臨時バイトの子達に可愛い服でも着せたいと力強く語っている
一歩間違えれば変態とも受け取られかねない発言をする横島に、夕映は多少ため息をはき明日菜は可愛い服は苦手だと言う
一方のどかと木乃香は割と乗り気なようでどんな服がいいかで盛り上がっていく
「明日菜ちゃんも夕映ちゃんも可愛いんだから、いろんな服が似合うと思うがな~」
あまり乗り気でない二人に横島は真顔で可愛いと言い切るが、そんな横島の言葉に夕映と明日菜は微妙に恥ずかしそうである
「真顔で言われると照れるわね」
「本人に悪気がないのが余計にタチが悪いです。 褒められて嫌な気持ちなどしませんし……」
横島としては深い意味などなく自然に可愛いと言い切るのだが、それにあまり慣れてない明日菜と夕映はどうしても照れてしまう
普通は言う方も恥ずかしさを感じそうなのだが、横島の場合はその辺りの感覚がちょっと普通じゃない
(これも外国に行ってた影響でしょうか? 外国人はよく褒めると言いますし……)
まるでテレビで見るナンパな外国人みたいだとふと感じた夕映は海外を旅した影響かと推測するが、それが元々の横島の性格から来てることは流石に気付かないようだった