平和な日常~冬~4
結局近右衛門の説明に夕映はひとまず納得というか大人しくなるがそれでも彼女はまだ疑っていた。
木乃香の祖父を疑うのは少々気が引けるが、近右衛門の説明では理由として弱い気がするのだ。
雪広家と那波家の人々が勢揃いしてまで話すことには思えないし、正直近右衛門自身が何かを気にしてるのはなんとなく感じる。
というか根本的に今まで魔法を秘匿してきた人々にしては今回の件は迂闊にも思えるし、どっちかといえば横島が考えそうなことな気がした。
その疑いに納得するまでは迂闊に動かないでおこうと決める夕映であるが、近右衛門の思惑は割りとすぐに判明することになる。
「細かい話は追々すれば良かろう。 それでもう一つの本題である横島君の件についてじゃが、これは本人から話して貰おうかのう。」
その後ようやく曲がりなりにも魔法を認識した少女達に近右衛門は、魔法とは何なのか魔法がどう現実に絡むのかなど具体的な話は一切することなく横島の件について話を進めた。
流石に近右衛門も一から十まで自分で説明することは不可能であり、具体的な話は全て刀子と高畑に任せるつもりである。
「なんか俺だけ別件扱いされるのは違和感があるんっすけどね。 まあちょっと立場は違いますけど。 俺さ麻帆良に来る前は別の世界に居たんだ。 いわゆる異世界ってやつ? それだけのことなんだよ。」
魔法を少女達に説明していた近右衛門に促される形で横島は説明を始めるが、本人的には別件扱いが少々違和感があったようで困った表情を浮かべる。
しかしそんな横島があっさりと軽い口調で語った異世界という言葉に、その場は静になり誰も口を開く者は居なかった。
正直なところ場を和ませる為のいつもの冗談なのかマジな話なのか判断がつかず困惑したという方が正しい。
「以上だ。」
「アホか!! 貴様もジジイのように明確な証拠を見せろ!」
誰一人意見が出なかったことで横島はさっさと話を終えようとするが、当然誰もが証拠を見せることなく終えようとする横島に驚きエヴァはたまらず声を荒げる。
そもそもエヴァは横島の語ったアシュタロスの遺産という与太話のような真実の証拠を見る為に来たのであって、一番肝心のところを省いた横島に怒るのは当然だろう。
そして木乃香達ですら言葉には出さなかったがエヴァの意見に賛成であり、というかもっときちんと説明して欲しい不満げに横島を睨む。
「学園長先生は信じてくれたんだけどなぁ。 まあ仕方ないか。 じゃあ証拠を見せに移動しますか?」
正直横島はこの期に及んでも何処まで話すべきか決めかねていた。
出来れば異世界ということで納得してくれると嬉しいのだが、それが無理なのは横島も自覚はしている。
「いせかいってなに?」
「うーん、遠い遠い場所かな。 俺やハニワ兵の故郷なんだよ。」
結局のところ横島自身あまり嘘が得意ではない自覚はあるので言葉で話すよりはさっさと異空間アジトを見せた方が早いと移動することにしたが、メンバーの中でタマモはただ一人異世界という意味を理解出来てなかった。
「ねえねえ、さよちゃんも異世界の人なの?」
「いえ、私は元々麻帆良に居たというか……。 実は私幽霊なんです。」
とりあえず証拠を見せるために移動するからと着替えなどの荷物を持ち靴を履くために玄関に向かうが、横島とさよは当然ながら質問攻めに合ってしまう。
横島はこれから見せるモノを見てのお楽しみだと意味深な笑みを浮かべるだけだが、同じく少女達に異世界から来たと誤解されたさよは迷いながらも勇気を出して自身の正体をこのタイミングで明かしてしまった。
「えー、さよちゃんまでそんなこというの? さよちゃん足はあるしどっからどう見ても生きてるじゃん。」
しかし移動しながらというあまりに微妙なタイミングでのカミングアウトに少女達の大半は全く信じないで冗談だろうと笑っている。
実際さよは何処からどう見ても幽霊には見えないので信じられないのは当然なのだが。
木乃香の祖父を疑うのは少々気が引けるが、近右衛門の説明では理由として弱い気がするのだ。
雪広家と那波家の人々が勢揃いしてまで話すことには思えないし、正直近右衛門自身が何かを気にしてるのはなんとなく感じる。
というか根本的に今まで魔法を秘匿してきた人々にしては今回の件は迂闊にも思えるし、どっちかといえば横島が考えそうなことな気がした。
その疑いに納得するまでは迂闊に動かないでおこうと決める夕映であるが、近右衛門の思惑は割りとすぐに判明することになる。
「細かい話は追々すれば良かろう。 それでもう一つの本題である横島君の件についてじゃが、これは本人から話して貰おうかのう。」
その後ようやく曲がりなりにも魔法を認識した少女達に近右衛門は、魔法とは何なのか魔法がどう現実に絡むのかなど具体的な話は一切することなく横島の件について話を進めた。
流石に近右衛門も一から十まで自分で説明することは不可能であり、具体的な話は全て刀子と高畑に任せるつもりである。
「なんか俺だけ別件扱いされるのは違和感があるんっすけどね。 まあちょっと立場は違いますけど。 俺さ麻帆良に来る前は別の世界に居たんだ。 いわゆる異世界ってやつ? それだけのことなんだよ。」
魔法を少女達に説明していた近右衛門に促される形で横島は説明を始めるが、本人的には別件扱いが少々違和感があったようで困った表情を浮かべる。
しかしそんな横島があっさりと軽い口調で語った異世界という言葉に、その場は静になり誰も口を開く者は居なかった。
正直なところ場を和ませる為のいつもの冗談なのかマジな話なのか判断がつかず困惑したという方が正しい。
「以上だ。」
「アホか!! 貴様もジジイのように明確な証拠を見せろ!」
誰一人意見が出なかったことで横島はさっさと話を終えようとするが、当然誰もが証拠を見せることなく終えようとする横島に驚きエヴァはたまらず声を荒げる。
そもそもエヴァは横島の語ったアシュタロスの遺産という与太話のような真実の証拠を見る為に来たのであって、一番肝心のところを省いた横島に怒るのは当然だろう。
そして木乃香達ですら言葉には出さなかったがエヴァの意見に賛成であり、というかもっときちんと説明して欲しい不満げに横島を睨む。
「学園長先生は信じてくれたんだけどなぁ。 まあ仕方ないか。 じゃあ証拠を見せに移動しますか?」
正直横島はこの期に及んでも何処まで話すべきか決めかねていた。
出来れば異世界ということで納得してくれると嬉しいのだが、それが無理なのは横島も自覚はしている。
「いせかいってなに?」
「うーん、遠い遠い場所かな。 俺やハニワ兵の故郷なんだよ。」
結局のところ横島自身あまり嘘が得意ではない自覚はあるので言葉で話すよりはさっさと異空間アジトを見せた方が早いと移動することにしたが、メンバーの中でタマモはただ一人異世界という意味を理解出来てなかった。
「ねえねえ、さよちゃんも異世界の人なの?」
「いえ、私は元々麻帆良に居たというか……。 実は私幽霊なんです。」
とりあえず証拠を見せるために移動するからと着替えなどの荷物を持ち靴を履くために玄関に向かうが、横島とさよは当然ながら質問攻めに合ってしまう。
横島はこれから見せるモノを見てのお楽しみだと意味深な笑みを浮かべるだけだが、同じく少女達に異世界から来たと誤解されたさよは迷いながらも勇気を出して自身の正体をこのタイミングで明かしてしまった。
「えー、さよちゃんまでそんなこというの? さよちゃん足はあるしどっからどう見ても生きてるじゃん。」
しかし移動しながらというあまりに微妙なタイミングでのカミングアウトに少女達の大半は全く信じないで冗談だろうと笑っている。
実際さよは何処からどう見ても幽霊には見えないので信じられないのは当然なのだが。