平和な日常~冬~4
それから横島達は翌三日ものんびりと過ごしてたが、麻帆良の街は観光客で賑わっていた。
以前にも何度か説明したが関東でも有数の観光地である麻帆良は夏休みや年末年始の時期になると関東近郊ばかりか日本中から観光客が集まってくる。
現在の日本で麻帆良ほど西洋風な統一された街並みが残るところは他にはなく、学園都市ということで麻帆良学園に興味を示す人々が一度旅行を兼ねて訪れることも多い。
主な観光場所は世界樹は当然ながら図書館島のような明治や大正時代からある建物が中心となり、続いて博物館や歴史資料館や美術館なども人気の観光場所であった。
ただ年末年始の数日間は普段は許可していない現在使われている麻帆良学園各校の校舎や寮の見学も行われていて、こちらは麻帆良学園入学を考える全国の親子連れで賑わっている。
尤も見学者が多いのは主に高等部以上であり、中等部以下は混雑とまではいかないが。
少し話は逸れるが麻帆良学園で入学が大変なのは高等部以上であり、初等部と中等部は意外と入りやすかった。
初等部は基本的に寮はないので入学には自力で通える範囲に家族で住まなければならないし、中等部は寮があるが中学生の年で親元を離れて学校に通うのはなかなか勇気がいることであり、結果として高等部以上が入学志願者が多いが確実に入りたいなら中等部からの方が入りやすいとの事情がある。
ちなみに横島の店にもぽつぽつと観光客が来ているが、横島は店を開ける気は全くなかった。
昨年末には麻帆良カレーの基本的な情報を開示したので、開発者が主に横島だと正式に知られたことが観光客が来ている原因だろう。
他には麻帆良カレー絡みでテレビや雑種の取材の申し込みも数件あったが全て断っている。
横島としては観光客を拒否する気はないが休みに店を開けて合わせる気もないらしく、本音を言えば観光客はあまり来て欲しくないのかもしれない。
まあマスコミに関しては過去の経験から信用してなく嫌いなだけだが。
そして翌四日になると麻帆良には帰省していた学生達が続々と戻って来ていて、この日の午後には雪広邸で新年のパーティがあるため木乃香達も全員それに合わせて戻って来る予定であった。
まあ大半の少女はその気になれば土日でもすぐに帰れる距離に実家があるだけに気軽なものである。
「お父様、お母様、行ってきます。」
そんなこの日の朝には京都の近衛本家では木乃香が麻帆良に戻る為に両親に挨拶をしていた。
何度経験しても別れはいつも寂しいものであるが、この日の木乃香にはそんな寂しさはあまりない。
「出来るならばお前には自由に生きて欲しかったんだが。 本当にすまない。」
「お父様、大丈夫や。 まだよう分からへんことばっかりやけど、どんな状況でも頑張るわ。」
この年末年始を通して木乃香が聞いた話は多いが、まだ聞いてない話はもっと多い。
現状で両親が木乃香に語ったのは本当に基本的なことと、関東と関西の大まかな関係くらいである。
正直東西の関係に関しては複雑な心境になったようだが必ずしも悪い話ばかりではなく、木乃香に魔法を解禁したことで両親と会える機会が今後増えるのは木乃香にとって嬉しいことだった。
実際木乃香と両親は今夜にも再び会う予定がある。
明日菜達へ魔法の存在を明かすことと横島の事情をみんなに話すことに加え、大人達による近衛家・雪広家・那波家と横島側との会合や参加者の正月休みなどを今夜纏めて行うことになったのだ。
ちょうど今日の雪広邸でのパーティには詠春と穂乃香以外のメンバーが全員集まることから今夜になったらしい。
以前にも何度か説明したが関東でも有数の観光地である麻帆良は夏休みや年末年始の時期になると関東近郊ばかりか日本中から観光客が集まってくる。
現在の日本で麻帆良ほど西洋風な統一された街並みが残るところは他にはなく、学園都市ということで麻帆良学園に興味を示す人々が一度旅行を兼ねて訪れることも多い。
主な観光場所は世界樹は当然ながら図書館島のような明治や大正時代からある建物が中心となり、続いて博物館や歴史資料館や美術館なども人気の観光場所であった。
ただ年末年始の数日間は普段は許可していない現在使われている麻帆良学園各校の校舎や寮の見学も行われていて、こちらは麻帆良学園入学を考える全国の親子連れで賑わっている。
尤も見学者が多いのは主に高等部以上であり、中等部以下は混雑とまではいかないが。
少し話は逸れるが麻帆良学園で入学が大変なのは高等部以上であり、初等部と中等部は意外と入りやすかった。
初等部は基本的に寮はないので入学には自力で通える範囲に家族で住まなければならないし、中等部は寮があるが中学生の年で親元を離れて学校に通うのはなかなか勇気がいることであり、結果として高等部以上が入学志願者が多いが確実に入りたいなら中等部からの方が入りやすいとの事情がある。
ちなみに横島の店にもぽつぽつと観光客が来ているが、横島は店を開ける気は全くなかった。
昨年末には麻帆良カレーの基本的な情報を開示したので、開発者が主に横島だと正式に知られたことが観光客が来ている原因だろう。
他には麻帆良カレー絡みでテレビや雑種の取材の申し込みも数件あったが全て断っている。
横島としては観光客を拒否する気はないが休みに店を開けて合わせる気もないらしく、本音を言えば観光客はあまり来て欲しくないのかもしれない。
まあマスコミに関しては過去の経験から信用してなく嫌いなだけだが。
そして翌四日になると麻帆良には帰省していた学生達が続々と戻って来ていて、この日の午後には雪広邸で新年のパーティがあるため木乃香達も全員それに合わせて戻って来る予定であった。
まあ大半の少女はその気になれば土日でもすぐに帰れる距離に実家があるだけに気軽なものである。
「お父様、お母様、行ってきます。」
そんなこの日の朝には京都の近衛本家では木乃香が麻帆良に戻る為に両親に挨拶をしていた。
何度経験しても別れはいつも寂しいものであるが、この日の木乃香にはそんな寂しさはあまりない。
「出来るならばお前には自由に生きて欲しかったんだが。 本当にすまない。」
「お父様、大丈夫や。 まだよう分からへんことばっかりやけど、どんな状況でも頑張るわ。」
この年末年始を通して木乃香が聞いた話は多いが、まだ聞いてない話はもっと多い。
現状で両親が木乃香に語ったのは本当に基本的なことと、関東と関西の大まかな関係くらいである。
正直東西の関係に関しては複雑な心境になったようだが必ずしも悪い話ばかりではなく、木乃香に魔法を解禁したことで両親と会える機会が今後増えるのは木乃香にとって嬉しいことだった。
実際木乃香と両親は今夜にも再び会う予定がある。
明日菜達へ魔法の存在を明かすことと横島の事情をみんなに話すことに加え、大人達による近衛家・雪広家・那波家と横島側との会合や参加者の正月休みなどを今夜纏めて行うことになったのだ。
ちょうど今日の雪広邸でのパーティには詠春と穂乃香以外のメンバーが全員集まることから今夜になったらしい。