平和な日常~冬~4
そして甘酒を飲み終えた横島達はそのままおみくじを引きに行くが当然ながら混雑している。
まあ元旦の初詣だけに神社が混んでいるのは仕方ないと諦めた横島達はおみくじを引く列に並ぶが、横島はふと先程参拝した拝殿の方を見つめていた。
「横島さん、誰か知り合いでも居たんですか?」
「いいや、改めて見ると随分立派だなと思ってな。」
先程からよく声をかけられている横島達だけなに明日菜はまた誰か居たのかと思ったようだが、横島は純粋に龍宮神社の拝殿を見ていただけである。
そもそも龍宮神社は世界樹を御神体として奉っている神社でありその歴史は古い。
真名の正体の件もあるし、龍宮家は少なくとも一般人ではないだろう。
(ありゃ生まれつきのハーフだよな。 養女か?)
龍宮真名が人と魔族とのハーフであることは横島も当然知っているが、横島の見立では真名はかつての友人であったピートのように生まれつきのハーフである。
そんな真名が幼い頃から戦場に居たということはそれだけ苦労をしてきたのだろうと思う。
かつてのピートもそうだったし他に横島の身近にいるハーフと言えば刹那も居るが、総じて苦労を重ねてきていた。
種族の壁はこの世界でも厚いのかと思うと横島は少しだけ複雑な心境になる。
まあ横島は自分の身内以外の問題に首を突っ込むほど物好きではないが。
「よめない……。」
さてそのまましばらく並んでおみくじを引くが、嬉々として真っ先におみくじを引いたタマモは真剣な表情でしばしおみくじを眺めたあと、悲しそうに読めないと横島を見上げる。
「おっ、大吉だよ。 やったな、一番いいおみくじだぞ。」
おみくじには大吉と大きく書かれているが、流石にタマモは漢字までは読めないので解らなかったらしい。
横島が一つ一つ読んであげるとタマモはうんうんと頷きながら真剣に聞いてた。
「横島さんはどうだったんです?」
「俺は吉だったよ。 イマイチ面白くない結果だ。」
明日菜とさよの二人もおみくじの内容を食い入るように見ていたが、二人は揃って中吉で高畑が小吉だったらしい。
学業や恋愛のところを見て一喜一憂しているが、ふと自分のおみくじの話をしない横島に明日菜がおみくじの中身をたずねると横島は吉だったとつまらなそうに答える。
「面白くないって、おみくじに何を求めてるんですか?」
「中身はどうでもいいんだよ。 おみくじも占いもはずれてなんぼだからな。」
おみくじに面白さを求める横島を明日菜は呆れ気味に見ていたが、元々横島は占いにおいても外れることを望むような性格であり普通ではなかったんだなと思い出す。
一言で言えばひねくれ者なのかもしれないが、横島の占いはよく当たるので馬鹿にも出来ない。
「わたしのおみくじあげる!」
一方横島と明日菜の会話でタマモはおみくじを横島にあげると突然言い出す。
自分のおみくじと横島を交互に見ていたタマモは、自分の幸せよりも横島に喜んで欲しかったようだ。
「ありがとうな。 じゃあこれは二人のおみくじとして持って帰って、こっちを結ぶんでいくか。」
「うん!」
それは本来のおみくじのマナーや意味からは外れるが、横島はタマモの心遣いを受け取りタマモのおみくじを二人のおみくじとして持ち帰り横島の引いた吉を神社に結んで帰ることにする。
横島自身はおみくじの中身など気にしてなかったのだが、タマモは本気で自分の幸せを横島にあげたいと願ったのだ。
横島にとってそれは何より嬉しいことであり、正月早々いい年になりそうだという予感を感じていた。
まあ元旦の初詣だけに神社が混んでいるのは仕方ないと諦めた横島達はおみくじを引く列に並ぶが、横島はふと先程参拝した拝殿の方を見つめていた。
「横島さん、誰か知り合いでも居たんですか?」
「いいや、改めて見ると随分立派だなと思ってな。」
先程からよく声をかけられている横島達だけなに明日菜はまた誰か居たのかと思ったようだが、横島は純粋に龍宮神社の拝殿を見ていただけである。
そもそも龍宮神社は世界樹を御神体として奉っている神社でありその歴史は古い。
真名の正体の件もあるし、龍宮家は少なくとも一般人ではないだろう。
(ありゃ生まれつきのハーフだよな。 養女か?)
龍宮真名が人と魔族とのハーフであることは横島も当然知っているが、横島の見立では真名はかつての友人であったピートのように生まれつきのハーフである。
そんな真名が幼い頃から戦場に居たということはそれだけ苦労をしてきたのだろうと思う。
かつてのピートもそうだったし他に横島の身近にいるハーフと言えば刹那も居るが、総じて苦労を重ねてきていた。
種族の壁はこの世界でも厚いのかと思うと横島は少しだけ複雑な心境になる。
まあ横島は自分の身内以外の問題に首を突っ込むほど物好きではないが。
「よめない……。」
さてそのまましばらく並んでおみくじを引くが、嬉々として真っ先におみくじを引いたタマモは真剣な表情でしばしおみくじを眺めたあと、悲しそうに読めないと横島を見上げる。
「おっ、大吉だよ。 やったな、一番いいおみくじだぞ。」
おみくじには大吉と大きく書かれているが、流石にタマモは漢字までは読めないので解らなかったらしい。
横島が一つ一つ読んであげるとタマモはうんうんと頷きながら真剣に聞いてた。
「横島さんはどうだったんです?」
「俺は吉だったよ。 イマイチ面白くない結果だ。」
明日菜とさよの二人もおみくじの内容を食い入るように見ていたが、二人は揃って中吉で高畑が小吉だったらしい。
学業や恋愛のところを見て一喜一憂しているが、ふと自分のおみくじの話をしない横島に明日菜がおみくじの中身をたずねると横島は吉だったとつまらなそうに答える。
「面白くないって、おみくじに何を求めてるんですか?」
「中身はどうでもいいんだよ。 おみくじも占いもはずれてなんぼだからな。」
おみくじに面白さを求める横島を明日菜は呆れ気味に見ていたが、元々横島は占いにおいても外れることを望むような性格であり普通ではなかったんだなと思い出す。
一言で言えばひねくれ者なのかもしれないが、横島の占いはよく当たるので馬鹿にも出来ない。
「わたしのおみくじあげる!」
一方横島と明日菜の会話でタマモはおみくじを横島にあげると突然言い出す。
自分のおみくじと横島を交互に見ていたタマモは、自分の幸せよりも横島に喜んで欲しかったようだ。
「ありがとうな。 じゃあこれは二人のおみくじとして持って帰って、こっちを結ぶんでいくか。」
「うん!」
それは本来のおみくじのマナーや意味からは外れるが、横島はタマモの心遣いを受け取りタマモのおみくじを二人のおみくじとして持ち帰り横島の引いた吉を神社に結んで帰ることにする。
横島自身はおみくじの中身など気にしてなかったのだが、タマモは本気で自分の幸せを横島にあげたいと願ったのだ。
横島にとってそれは何より嬉しいことであり、正月早々いい年になりそうだという予感を感じていた。