平和な日常~冬~4
「みんな本当によく似合うな~。」
その後、振袖を着て髪も見事に結い上げた明日菜達と一緒に年賀状を出して初詣に行くことにするが行き先は龍宮神社であった。
初詣の行き先には特に理由がなく麻帆良で一番大きくメジャーな神社だからで、本来の形式であれば恵方にある神社に行くべきなのだろうが麻帆良の住人はたいていは龍宮神社か近くの神社に行くようである。
まあ横島が恵方など気にするはずもなく、一行はごくごく自然に龍宮神社に向かっていた。
「これ本当に歩きにくいですよ。 昔の人はよくこんなの着てましたね。」
「でも本当によく似合ってるよ。 もっと早くに着せておくべきだったかな。」
移動方法は路面電車に乗って行くことにしたが、お正月とはいえ振袖はさほど着てる人帆良では多くなく明日菜達三人は結構目立っている。
横島は人前でも相変わらず恥ずかしげもなく明日菜達をべた褒めにしており、タマモはともかくさよと明日菜は若干恥ずかしげな様子であった。
特に明日菜は恥ずかしさからか着なれない振袖は歩きにくいとぼやいているが、横島のみならず高畑も似合ってると褒めるとそれはそれで嬉しそうである。
「タクシーでも良かったんだぞ。」
「勿体ないですよ。」
実のところ横島は当初は明日菜達を気遣ってタクシーで行こうかと言っていたが、それは当然ながら明日菜とさよに却下されていた。
横島としてはそのくらいは必要経費なのだが明日菜達からすると受け入れられないらしい。
「うわ~、混んでますね。」
そのまま一行は龍宮神社に到着するが、龍宮神社はすでに神社の近くから初詣の参拝客で混雑しているし例によって屋台などの出店も数多く並んでいる。
流石にここまで来ると振袖も珍しくはないのだが、人混みで歩くのがやっとという状態だ。
横島はタマモを抱き抱えて高畑と共に明日菜達とはぐれないようにそれとなく気遣いつつ参道を歩いてゆく。
「また、仕事してるよ。 人混みあるところに超鈴音アリってか。」
「本当ね。 一体いつ休んでるのかしら?」
参拝客の人混みの流れに乗りながら歩く一行であるが、ふと出店の中に見知った路面電車型の屋台があり中では超鈴音が忙しそうに働いている。
最早麻帆良において超包子の路面電車型屋台は珍しくはないが、横島はただただ呆れるばかりで明日菜とさよは中学生の超が一体いつ休んでるのかと素朴な疑問を抱くことになる。
「あっ、タマちゃんだ! 綺麗な振袖ね~」
一方そんな横島達も実は結構目立っていた。
参拝客の人混みの中なので振袖は珍しくはないのはずなのだが、どうも横島とタマモは目立つらしい。
特にタマモは横島に抱き抱えられているので、あちこちに友達を見つけては楽しげに手を振っている。
加えてよく写真も撮られていて、まるでちょっとした芸能人のようだった。
「マスター、お年玉ちょうだい!」
「アホか! お前らみんなにお年玉あげてたら破産するわ! 店に来たらサービスするから勘弁してくれ。」
ただ横島の顔を見た店の常連の少女達はかなりの確率でお年玉をねだっていた。
無論冗談半分であるが依然として横島は金持ちだと周りから思われているので、あわよくばと考えない訳ではないようだ。
「明日菜ちゃんもそんな心配そうに見んでもお年玉はばらまかないから。」
そして明日菜は横島がお年玉をねだられる度に心配げに横島を見ている。
自分は貰っているので強くは言えないらしいが、店の常連なんかにお年玉をあげるとキリがないのは考えなくても分かる。
特に朝からお酒を飲んでるだけに、酔っぱらって大盤振る舞いしないか気が気でないらしい。
その後、振袖を着て髪も見事に結い上げた明日菜達と一緒に年賀状を出して初詣に行くことにするが行き先は龍宮神社であった。
初詣の行き先には特に理由がなく麻帆良で一番大きくメジャーな神社だからで、本来の形式であれば恵方にある神社に行くべきなのだろうが麻帆良の住人はたいていは龍宮神社か近くの神社に行くようである。
まあ横島が恵方など気にするはずもなく、一行はごくごく自然に龍宮神社に向かっていた。
「これ本当に歩きにくいですよ。 昔の人はよくこんなの着てましたね。」
「でも本当によく似合ってるよ。 もっと早くに着せておくべきだったかな。」
移動方法は路面電車に乗って行くことにしたが、お正月とはいえ振袖はさほど着てる人帆良では多くなく明日菜達三人は結構目立っている。
横島は人前でも相変わらず恥ずかしげもなく明日菜達をべた褒めにしており、タマモはともかくさよと明日菜は若干恥ずかしげな様子であった。
特に明日菜は恥ずかしさからか着なれない振袖は歩きにくいとぼやいているが、横島のみならず高畑も似合ってると褒めるとそれはそれで嬉しそうである。
「タクシーでも良かったんだぞ。」
「勿体ないですよ。」
実のところ横島は当初は明日菜達を気遣ってタクシーで行こうかと言っていたが、それは当然ながら明日菜とさよに却下されていた。
横島としてはそのくらいは必要経費なのだが明日菜達からすると受け入れられないらしい。
「うわ~、混んでますね。」
そのまま一行は龍宮神社に到着するが、龍宮神社はすでに神社の近くから初詣の参拝客で混雑しているし例によって屋台などの出店も数多く並んでいる。
流石にここまで来ると振袖も珍しくはないのだが、人混みで歩くのがやっとという状態だ。
横島はタマモを抱き抱えて高畑と共に明日菜達とはぐれないようにそれとなく気遣いつつ参道を歩いてゆく。
「また、仕事してるよ。 人混みあるところに超鈴音アリってか。」
「本当ね。 一体いつ休んでるのかしら?」
参拝客の人混みの流れに乗りながら歩く一行であるが、ふと出店の中に見知った路面電車型の屋台があり中では超鈴音が忙しそうに働いている。
最早麻帆良において超包子の路面電車型屋台は珍しくはないが、横島はただただ呆れるばかりで明日菜とさよは中学生の超が一体いつ休んでるのかと素朴な疑問を抱くことになる。
「あっ、タマちゃんだ! 綺麗な振袖ね~」
一方そんな横島達も実は結構目立っていた。
参拝客の人混みの中なので振袖は珍しくはないのはずなのだが、どうも横島とタマモは目立つらしい。
特にタマモは横島に抱き抱えられているので、あちこちに友達を見つけては楽しげに手を振っている。
加えてよく写真も撮られていて、まるでちょっとした芸能人のようだった。
「マスター、お年玉ちょうだい!」
「アホか! お前らみんなにお年玉あげてたら破産するわ! 店に来たらサービスするから勘弁してくれ。」
ただ横島の顔を見た店の常連の少女達はかなりの確率でお年玉をねだっていた。
無論冗談半分であるが依然として横島は金持ちだと周りから思われているので、あわよくばと考えない訳ではないようだ。
「明日菜ちゃんもそんな心配そうに見んでもお年玉はばらまかないから。」
そして明日菜は横島がお年玉をねだられる度に心配げに横島を見ている。
自分は貰っているので強くは言えないらしいが、店の常連なんかにお年玉をあげるとキリがないのは考えなくても分かる。
特に朝からお酒を飲んでるだけに、酔っぱらって大盤振る舞いしないか気が気でないらしい。