平和な日常~冬~4
「私こういう着物始めてなんだけど……」
「大丈夫ですよ。 よく似合ってますから。」
それからおせち料理とお酒でゆっくりとした正月を過ごしていた横島達であるが、タマモの年賀状が書き上がると初詣と年賀状を出しに行くことになった。
その際にせっかくだからと横島はさよとタマモと明日菜に振袖を着るように勧めており、明日菜は若干渋ったものの最終的にはさよとタマモに流されるように振袖を着ることなってしまう。
着付けに関しては例によって横島しか知らないので横島がタマモの着付けで実演しながら着付けを教えて、さよと明日菜は互いに着付けをすることになったので少々時間がかかっているが。
「というか、なんで横島さんが着物の着付けなんか出来るんですか?」
「そりゃ、着付け出来んと脱がせられ……、って冗談だよ!」
今更な感じもあるが何故横島は着物の着付けなど出切るんだと興味ありげに尋ねる明日菜に、横島は少し緩んだ表情で脱がせられと口走るが当然のごとく明日菜に冷たい視線を向けられて慌てて否定する。
ただ明日菜も話の流れで冷たい視線は向けるが、横島の場合は日頃から似たような発言は時々するので本当のところ全くと言っていいほど信じてない。
まあ横島も男性だし、そんな願望はあるんだろうなとしか思わなかった。
「実際のところ横島君は料理といい着物の着付けといい本当に器用だね。 それでいて勉強を教えるのまで上手いんだから僕の立場がないよ。」
「横島さんの場合は長所は本当に凄いですからね。 でも一人にすると絶対に失敗するタイプですよ。 高畑先生は何でも一人で出来ますけど。」
そのまま着物の着付けから髪型のセットまで何故か出来る横島は酒を飲みながら陽気にやっていたが、高畑はそんな横島を見て素直に羨ましそうな表情を見せている。
かつての高畑と同じく若くして幼子の育ての親となった横島には何かと考えさせられるものがあるらしい。
尤も明日菜は個々の技術なんかはともかく全体として横島は一人にすると失敗するタイプだと言い切っていたが。
実際現在の横島は表の生活は明日菜や木乃香達に支えられているし、影では土偶羅に支えられているので明日菜の意見はあながち間違いではない。
「俺だってやれば出来るんだぞ!」
「はいはい、やれば出来ますよね。 でも横島さんやらないじゃないですか。 適材適所とか言って。」
基本的に明日菜は横島には厳しく高畑には甘いので珍しく弱気な高畑を励ますように語るが、今度は横島が少し拗ねた様子でやれば出来ると言う。
しかし明日菜達からするとやらないのは出来ないのと一緒だった。
日頃から屁理屈を言って自身を正当化する横島の本音を明日菜はかなりの確率で理解している。
正直なところ横島自身には自覚はないが、今の横島は気分や天気次第で仕事をしなくなる令子に似てる部分が多々あった。
まあ令子ほどワガママでも我が強くもないが、仕事に対するスタンスは共通点も多い。
そういう意味では高畑は常に真面目であり、例え不器用でも自身を見てくれなくても明日菜の評価は高かった。
一方高畑は当然のように横島に本音をぶつける明日菜の姿に、やはり複雑な感情を抱いてしまう。
横島が何を何処まで意識してるのか高畑には分からないが、現状で自分には気遣いをして横島には本音をぶつける姿は少し寂しいと感じてしまうようである。
もちろん随分と放置した自分の責任であることは承知の上であるが。
「大丈夫ですよ。 よく似合ってますから。」
それからおせち料理とお酒でゆっくりとした正月を過ごしていた横島達であるが、タマモの年賀状が書き上がると初詣と年賀状を出しに行くことになった。
その際にせっかくだからと横島はさよとタマモと明日菜に振袖を着るように勧めており、明日菜は若干渋ったものの最終的にはさよとタマモに流されるように振袖を着ることなってしまう。
着付けに関しては例によって横島しか知らないので横島がタマモの着付けで実演しながら着付けを教えて、さよと明日菜は互いに着付けをすることになったので少々時間がかかっているが。
「というか、なんで横島さんが着物の着付けなんか出来るんですか?」
「そりゃ、着付け出来んと脱がせられ……、って冗談だよ!」
今更な感じもあるが何故横島は着物の着付けなど出切るんだと興味ありげに尋ねる明日菜に、横島は少し緩んだ表情で脱がせられと口走るが当然のごとく明日菜に冷たい視線を向けられて慌てて否定する。
ただ明日菜も話の流れで冷たい視線は向けるが、横島の場合は日頃から似たような発言は時々するので本当のところ全くと言っていいほど信じてない。
まあ横島も男性だし、そんな願望はあるんだろうなとしか思わなかった。
「実際のところ横島君は料理といい着物の着付けといい本当に器用だね。 それでいて勉強を教えるのまで上手いんだから僕の立場がないよ。」
「横島さんの場合は長所は本当に凄いですからね。 でも一人にすると絶対に失敗するタイプですよ。 高畑先生は何でも一人で出来ますけど。」
そのまま着物の着付けから髪型のセットまで何故か出来る横島は酒を飲みながら陽気にやっていたが、高畑はそんな横島を見て素直に羨ましそうな表情を見せている。
かつての高畑と同じく若くして幼子の育ての親となった横島には何かと考えさせられるものがあるらしい。
尤も明日菜は個々の技術なんかはともかく全体として横島は一人にすると失敗するタイプだと言い切っていたが。
実際現在の横島は表の生活は明日菜や木乃香達に支えられているし、影では土偶羅に支えられているので明日菜の意見はあながち間違いではない。
「俺だってやれば出来るんだぞ!」
「はいはい、やれば出来ますよね。 でも横島さんやらないじゃないですか。 適材適所とか言って。」
基本的に明日菜は横島には厳しく高畑には甘いので珍しく弱気な高畑を励ますように語るが、今度は横島が少し拗ねた様子でやれば出来ると言う。
しかし明日菜達からするとやらないのは出来ないのと一緒だった。
日頃から屁理屈を言って自身を正当化する横島の本音を明日菜はかなりの確率で理解している。
正直なところ横島自身には自覚はないが、今の横島は気分や天気次第で仕事をしなくなる令子に似てる部分が多々あった。
まあ令子ほどワガママでも我が強くもないが、仕事に対するスタンスは共通点も多い。
そういう意味では高畑は常に真面目であり、例え不器用でも自身を見てくれなくても明日菜の評価は高かった。
一方高畑は当然のように横島に本音をぶつける明日菜の姿に、やはり複雑な感情を抱いてしまう。
横島が何を何処まで意識してるのか高畑には分からないが、現状で自分には気遣いをして横島には本音をぶつける姿は少し寂しいと感じてしまうようである。
もちろん随分と放置した自分の責任であることは承知の上であるが。