平和な日常~冬~4
「大晦日に押しかけてすまないね。」
「いや、一緒に酒を飲む相手が欲しかったんっすよ。」
そして大晦日も夕暮れを迎える頃になると横島達はおせち作りも無事に終わり、高畑が前日のエヴァ宅と同様にお酒を手土産にやって来ていた。
流石に大晦日に他人の家に来るのは少々抵抗感があるようではあるが、明日菜のこともあるし断るほどではないらしい。
ちなみに余談ではあるが横島は完成したおせち料理をエヴァと近右衛門にだけ差し入れをしている。
両者共に事前に頼まれた上でのことではあるが、正直なところ作る量がいくらか増えても調理の手間はあまり大差ないので今回は楽なものであった。
さて横島宅の今夜の夕食は手巻き寿司をメインに唐揚げやフライドポテトやバーニャカウダなどである。
もちろん年越し蕎麦に関しても手打ちでつい先程横島が打っていて、後は茹でるだけの状態にしていた。
高畑や明日菜達はともかくタマモはいつまで起きてられるか微妙なので、いつでも食べれるように下準備をしておいたのである。
「そういえば手巻き寿司は初めてね。」
「てまきずし?」
「自分で食べたい具を好きなように巻いて食べるのよ。 どれがいい?」
そんな訳で横島・タマモ・さよ・明日菜に高畑を加えた五人は今年最後の夕食にするが、二階のリビングのテーブルにはいつもより見た目からして華やかな料理の数々が並んでいた。
特に手巻き寿司とバーニャカウダは共に選ぶ具が多いので、人数の割りに並ぶ皿は多い。
横島は高畑とさっそく酒を飲み始めるが、タマモは始めてみる手巻き寿司に不思議そうにしつつも瞳を輝かせている。
どうもタマモとさよは手巻き寿司自体をを知らなかったようで、明日菜はそんな二人に手巻き寿司を作って見せていた。
「おおっ!!」
自分で食べたい具を好きなように巻いて食べれる手巻き寿司がタマモにとっては衝撃だったようで、若干興奮した様子で明日菜の真似をして自分も手巻き寿司を作っていく。
魚介類に野菜やツナマヨなど具の種類は普通のものばかりであるが、味はもちろん横島が仕込んだので普通の家庭よりはひと味もふた味も違うものばかりであろう。
特にマグロのヅケや焼き穴子やコハダなんかは普通に握り寿司にしてもいいような仕込みをしている。
「君は相変わらず料理が上手いな。 僕なんか明日菜君と一緒に住んでいた頃に何年かやったけどあんまり上達しなくってね。 今じゃほとんど外食だよ。」
「俺も一人の時は料理なんてしませんよ。 タマモとさよちゃんが来る前はレトルト食品ばっかりでしたし。」
そのまま何を巻いて食べようかと楽しげにおしゃべりしながら手巻き寿司を頬張る明日菜達を見た高畑は、楽しげな明日菜の姿に昔を思い出したのか少し懐かしそうな表情をすると料理について語り出した。
高畑自身もそれなりに努力をして現在は人並み程度には作れるようになったらしいが、本人的には苦手意識があるようで現在は作ることがないらしい。
「そういえば横島さん以前はレトルトとかカップメンばっかり買ってましたね。 高畑先生もレトルトとかばっかりなんですか?」
対する横島も一人の時は料理なんてしないと笑っていたが、ここでタマモが来る前にスーパーでレトルトやカップメンを大量にまとめ買いしていたことを思い出した明日菜が心配そうに話に加わる。
レトルトや外食ばかりではどう考えても身体に良くはないのは明らかであり、忙しい高畑をよく知る故に心配にもなるのだろう。
「一応食生活には気を付けているよ。 野菜も取るようにしてるしね。」
明らかに心配そうな明日菜に高畑は当然ながら食生活には気を付けていると語るが、明日菜はあまり信じてないらしく半信半疑といった感じだ。
この点に関しては高畑という人物をよく知る明日菜だけに素直に信じられないのだろう。
「いや、一緒に酒を飲む相手が欲しかったんっすよ。」
そして大晦日も夕暮れを迎える頃になると横島達はおせち作りも無事に終わり、高畑が前日のエヴァ宅と同様にお酒を手土産にやって来ていた。
流石に大晦日に他人の家に来るのは少々抵抗感があるようではあるが、明日菜のこともあるし断るほどではないらしい。
ちなみに余談ではあるが横島は完成したおせち料理をエヴァと近右衛門にだけ差し入れをしている。
両者共に事前に頼まれた上でのことではあるが、正直なところ作る量がいくらか増えても調理の手間はあまり大差ないので今回は楽なものであった。
さて横島宅の今夜の夕食は手巻き寿司をメインに唐揚げやフライドポテトやバーニャカウダなどである。
もちろん年越し蕎麦に関しても手打ちでつい先程横島が打っていて、後は茹でるだけの状態にしていた。
高畑や明日菜達はともかくタマモはいつまで起きてられるか微妙なので、いつでも食べれるように下準備をしておいたのである。
「そういえば手巻き寿司は初めてね。」
「てまきずし?」
「自分で食べたい具を好きなように巻いて食べるのよ。 どれがいい?」
そんな訳で横島・タマモ・さよ・明日菜に高畑を加えた五人は今年最後の夕食にするが、二階のリビングのテーブルにはいつもより見た目からして華やかな料理の数々が並んでいた。
特に手巻き寿司とバーニャカウダは共に選ぶ具が多いので、人数の割りに並ぶ皿は多い。
横島は高畑とさっそく酒を飲み始めるが、タマモは始めてみる手巻き寿司に不思議そうにしつつも瞳を輝かせている。
どうもタマモとさよは手巻き寿司自体をを知らなかったようで、明日菜はそんな二人に手巻き寿司を作って見せていた。
「おおっ!!」
自分で食べたい具を好きなように巻いて食べれる手巻き寿司がタマモにとっては衝撃だったようで、若干興奮した様子で明日菜の真似をして自分も手巻き寿司を作っていく。
魚介類に野菜やツナマヨなど具の種類は普通のものばかりであるが、味はもちろん横島が仕込んだので普通の家庭よりはひと味もふた味も違うものばかりであろう。
特にマグロのヅケや焼き穴子やコハダなんかは普通に握り寿司にしてもいいような仕込みをしている。
「君は相変わらず料理が上手いな。 僕なんか明日菜君と一緒に住んでいた頃に何年かやったけどあんまり上達しなくってね。 今じゃほとんど外食だよ。」
「俺も一人の時は料理なんてしませんよ。 タマモとさよちゃんが来る前はレトルト食品ばっかりでしたし。」
そのまま何を巻いて食べようかと楽しげにおしゃべりしながら手巻き寿司を頬張る明日菜達を見た高畑は、楽しげな明日菜の姿に昔を思い出したのか少し懐かしそうな表情をすると料理について語り出した。
高畑自身もそれなりに努力をして現在は人並み程度には作れるようになったらしいが、本人的には苦手意識があるようで現在は作ることがないらしい。
「そういえば横島さん以前はレトルトとかカップメンばっかり買ってましたね。 高畑先生もレトルトとかばっかりなんですか?」
対する横島も一人の時は料理なんてしないと笑っていたが、ここでタマモが来る前にスーパーでレトルトやカップメンを大量にまとめ買いしていたことを思い出した明日菜が心配そうに話に加わる。
レトルトや外食ばかりではどう考えても身体に良くはないのは明らかであり、忙しい高畑をよく知る故に心配にもなるのだろう。
「一応食生活には気を付けているよ。 野菜も取るようにしてるしね。」
明らかに心配そうな明日菜に高畑は当然ながら食生活には気を付けていると語るが、明日菜はあまり信じてないらしく半信半疑といった感じだ。
この点に関しては高畑という人物をよく知る明日菜だけに素直に信じられないのだろう。