平和な日常~冬~4
冬の近衛本家の屋敷は寒かった。
古い屋敷なので当然断熱材など入ってないし、とにかく一つ一つの部屋が広いのでなかなか暖まらないのだ。
尤も木乃香にとっては慣れ親しんだ実家なのでさほど気にしてなかったが。
結局父である詠春からの突然の告白から木乃香は一時間ほど話をしたが現状で理解したのは、世の中には魔法という不思議な力があることと身近な横島が魔法を知る存在だということくらいだ。
何故今魔法の存在を明かすのかという木乃香の問い掛けに対し詠春は、一言では話せないが木乃香の将来の為だと答えている。
それはあまりに抽象的な答えであり木乃香は正直判断に迷ったが、両親が魔法を使ってみせると信じざる負えなかった。
「今まで隠しててごめんね。」
「ええよ。 話せない訳があったんやろ? ウチもそのくらいは分かってる。」
父との話は魔法の存在を確認したとこでひとまず終わっており具体的な魔法協会などの話はまだしてなく、木乃香が自ら確認するように尋ねたのは横島も魔法使いなのかということだけだ。
魔法に関する基本的な知識や常識は元よりこれからどうなるのかすら話してないが、それは年末年始の間に少しずつ話すということになっている。
両親との話が終わり自室に戻った木乃香は、クリスマスに横島から貰った水晶のネックレスを眺めながら過去を思い返していた。
「びっくりしたけど、隠し事をするのも楽やないもんな。」
しばらくすると部屋には母である穂乃香が来て今まで隠していたことを謝るが、木乃香は母を一切責めずに逆に笑顔を見せている。
「ねえ、お母様。 魔法はただの夢がある力やないんよね?」
「ええ、そうよ。」
魔法という不思議な力があると理解した木乃香が真っ先に理解したのは、横島は絶対に魔法を使えるだろうということだった。
正直今まで感じていた横島に対する疑問や違和感の大部分が魔法という存在によりある程度理解出来た気がする。
そしてそれと同時に魔法は決して夢や希望だけの力ではないと確信が持てていた。
「やっぱりそうなんや。 お父様もお母様もお祖父ちゃんも苦労してるもんな。」
両親も祖父も苦労しているのは木乃香も理解しているし、横島に関しては過去に何か辛いことがあるのは周りは知っているのだから。
仮に魔法が夢のような力ならみんなもっと幸せになってるだろうと木乃香はしみじみと思う。
「あんまり心配しなくてもいいわよ。 魔法のことを知っても具体的に日常生活が変わる訳じゃないから。 お父様や横島君とも相談して明日菜ちゃん達にも年明けには魔法の存在を教える予定になってるの。 木乃香と横島君の周りはそのまま身内にしてしまうのよ。」
「それ、横島さんのアイデアやないん?」
「そうね、彼は最初からそんな感じだったわ。 秘密がバレそうな人は味方にしちゃえばいいって。」
結局はこの先自分はどうなるのだろうと少しだけ不安を感じる木乃香だが、そんな娘に穂乃香は日常生活は変わらないということと明日菜達にも同じく秘密を明かすと告げると木乃香はそれが横島の考えだろうとすぐに悟っていた。
基本的に横島の考え方はシンプルで分かりやすい。
今までは娘にすら隠していた秘密を一気に何人にも明かすのは両親のやり方じゃないだろうと考えると、そんな大胆なことを平然とするのは横島しかいない。
「やっぱり横島さんや。」
「彼のことは麻帆良に戻ったら直接聞くといいわ。 正直、彼は私達魔法使いの中でも彼は特殊だから。」
「横島さんに任せると問題が大きくなるから気をつけた方がええよ。」
「そうね。 でもそれは私もお父様もすでに身を持って体験したわ。 結果的には助かってるけど。」
そのまま木乃香は母とゆっくりと話していき両親や祖父が思った以上に横島と協力してることに驚きつつも、横島の欠点を忠告するとすでに手遅れだと言われ思わず笑ってしまった。
今年一年散々横島に振り回された自分達と両親や祖父が同じかもしれないと思うと何故か可笑しくてたまらない。
無論今後に不安がない訳ではないが、横島や明日菜達みんなと一緒ならなんとかなる気がした。
古い屋敷なので当然断熱材など入ってないし、とにかく一つ一つの部屋が広いのでなかなか暖まらないのだ。
尤も木乃香にとっては慣れ親しんだ実家なのでさほど気にしてなかったが。
結局父である詠春からの突然の告白から木乃香は一時間ほど話をしたが現状で理解したのは、世の中には魔法という不思議な力があることと身近な横島が魔法を知る存在だということくらいだ。
何故今魔法の存在を明かすのかという木乃香の問い掛けに対し詠春は、一言では話せないが木乃香の将来の為だと答えている。
それはあまりに抽象的な答えであり木乃香は正直判断に迷ったが、両親が魔法を使ってみせると信じざる負えなかった。
「今まで隠しててごめんね。」
「ええよ。 話せない訳があったんやろ? ウチもそのくらいは分かってる。」
父との話は魔法の存在を確認したとこでひとまず終わっており具体的な魔法協会などの話はまだしてなく、木乃香が自ら確認するように尋ねたのは横島も魔法使いなのかということだけだ。
魔法に関する基本的な知識や常識は元よりこれからどうなるのかすら話してないが、それは年末年始の間に少しずつ話すということになっている。
両親との話が終わり自室に戻った木乃香は、クリスマスに横島から貰った水晶のネックレスを眺めながら過去を思い返していた。
「びっくりしたけど、隠し事をするのも楽やないもんな。」
しばらくすると部屋には母である穂乃香が来て今まで隠していたことを謝るが、木乃香は母を一切責めずに逆に笑顔を見せている。
「ねえ、お母様。 魔法はただの夢がある力やないんよね?」
「ええ、そうよ。」
魔法という不思議な力があると理解した木乃香が真っ先に理解したのは、横島は絶対に魔法を使えるだろうということだった。
正直今まで感じていた横島に対する疑問や違和感の大部分が魔法という存在によりある程度理解出来た気がする。
そしてそれと同時に魔法は決して夢や希望だけの力ではないと確信が持てていた。
「やっぱりそうなんや。 お父様もお母様もお祖父ちゃんも苦労してるもんな。」
両親も祖父も苦労しているのは木乃香も理解しているし、横島に関しては過去に何か辛いことがあるのは周りは知っているのだから。
仮に魔法が夢のような力ならみんなもっと幸せになってるだろうと木乃香はしみじみと思う。
「あんまり心配しなくてもいいわよ。 魔法のことを知っても具体的に日常生活が変わる訳じゃないから。 お父様や横島君とも相談して明日菜ちゃん達にも年明けには魔法の存在を教える予定になってるの。 木乃香と横島君の周りはそのまま身内にしてしまうのよ。」
「それ、横島さんのアイデアやないん?」
「そうね、彼は最初からそんな感じだったわ。 秘密がバレそうな人は味方にしちゃえばいいって。」
結局はこの先自分はどうなるのだろうと少しだけ不安を感じる木乃香だが、そんな娘に穂乃香は日常生活は変わらないということと明日菜達にも同じく秘密を明かすと告げると木乃香はそれが横島の考えだろうとすぐに悟っていた。
基本的に横島の考え方はシンプルで分かりやすい。
今までは娘にすら隠していた秘密を一気に何人にも明かすのは両親のやり方じゃないだろうと考えると、そんな大胆なことを平然とするのは横島しかいない。
「やっぱり横島さんや。」
「彼のことは麻帆良に戻ったら直接聞くといいわ。 正直、彼は私達魔法使いの中でも彼は特殊だから。」
「横島さんに任せると問題が大きくなるから気をつけた方がええよ。」
「そうね。 でもそれは私もお父様もすでに身を持って体験したわ。 結果的には助かってるけど。」
そのまま木乃香は母とゆっくりと話していき両親や祖父が思った以上に横島と協力してることに驚きつつも、横島の欠点を忠告するとすでに手遅れだと言われ思わず笑ってしまった。
今年一年散々横島に振り回された自分達と両親や祖父が同じかもしれないと思うと何故か可笑しくてたまらない。
無論今後に不安がない訳ではないが、横島や明日菜達みんなと一緒ならなんとかなる気がした。