平和な日常~春~

その日の夕方、横島は木乃香・夕映・明日菜・のどかと麻帆良祭期間中の相談を始めていた

いろいろ悩んだ横島だったが、最終的には営業する事を選択していたのだ

まあ横島としては休みたかったのが本音なのだが、近所の商店の人などにそれとなく話を聞いたところ休むのは難しそうだったのである

商店街とまではいかない裏通りなのだが、それなりに店もあるし麻帆良祭期間は一応賑やかにイベントなどをするらしい

新参者の横島の店に何か特別な事を望んだ訳ではないが、気軽に入れる喫茶店が休むのは周りの不評を買いそうな雰囲気だった


「バイトの件ですが、割と簡単にと言うかうちのクラスで募集したところあっさり集まったです」

麻帆良祭期間中営業するに辺り、横島はバイトを木乃香達にどのくらい集めれるか頼んでいたのだ

当初実行委員会を通して一般に募集する事も考えた横島だったが、木乃香と夕映が割と乗り気だったのでバイト集めを任せていた


「この前のパーティーでみんなの評判良かったのよねー それに麻帆良祭で楽しむには、おこづかいだけじゃちょっと厳しいし……」

夕映がバイト参加メンバーを書いたノートを横島に見せる中で明日菜は事情を説明するのだが、先日のパーティーが思わぬ副産物を産んだ結果だった

先日の横島のサービスで2ーAの生徒達の横島への評判が良かったところに、短時間で収入が入るバイトが出来るとあっては参加者が増えるのも当然だろう

横島にバイト集めを頼まれた夕映は最短二時間でもいいとして、加えてその日の日払いでバイト代を渡すことを説明すると参加者がすぐに集まったのである


「面接とかするん? みんな忙しいから希望日時とかあるみたいなんよ」

集まったメンバーは二十人を越えていた

と言うか2ーAの生徒の大半が参加者希望者らしい

横島は半ば驚きながら参加者希望者の名簿を見るが、中には茶々丸や桜子達のみならず雪広あやかや那波千鶴と言ったメンバーまで名前を連ねている

ちなみにバイト参加希望してない者は、刹那・エヴァ・さよ・美空・朝倉・千雨・真名・サジ・葉加瀬の九名だった

事情や理由はそれぞれにあるようだが、木乃香いわくほとんどは簡単な小遣い稼ぎのつもりで参加するらしい


「面接はいいや。 ただ時間の調整は必要だな」

「その辺りは必要人数を教えて頂ければ、私達でするですよ」

最低限面接を必要かと尋ねた木乃香に、横島はあっさりそのままでいいと告げる

元々時間的に合わない者以外採用するつもりなのだ

人数の調整に関しては夕映がやると言うので、横島は丸投げして全部任せてしまう


「ああ、超さんと四葉さんからは相談も頼まれてるです。 彼女達はバイト代よりお料理研究会で講師をして欲しいとの事です」

バイト希望者の中には先日パーティーで料理を作った超と五月の名前もあり、彼女達はバイト代よりも講師を希望しているらしい


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