平和な日常~冬~3
次の日である二十七日の夜には横島達三人はエヴァの別荘を訪れていた。
少し遅れたがエヴァの解放祝いということと少し話しておきたいことがあったからだ。
「今日はフグか」
「調理師免許ないけど気にしないだろ?」
「ああ、構わん」
いつもと同じく食材を持って現れた横島達をエヴァは出迎えつつ今日のメインは何かと興味深げに食材を見つめるが、発泡スチロールに入った新鮮なふぐを見るとニヤリと笑みを浮かべる。
横島は一応免許がないことを告げるも、エヴァも横島に普通など求めてないので気にしない様子だった。
「おさんぽにいこう!」
そのまま横島は別荘内の厨房に入り茶々丸が手伝いをする中、タマモはさよとチャチャゼロを連れて別荘内の散歩というか探検に向かう。
高い塔のようなエヴァの別荘の中は広く、そこはまるで図書館島の地下のように別世界である。
幽霊が出そうだとさよが怖がるほど暗い部屋もあるし、図書館島の地下のように本ばかりの部屋もある。
タマモやさよにとってそこは未知の世界であり、危ないから迂闊に触ってはダメだと図書館島の地下探検のように張り切るタマモは好奇心に瞳を輝かせていた。
「そろそろいいぞ」
そしてこの日のメニューはてっちりとてっさ、いわゆるトラフグの鍋と刺身が基本であり唐揚げなんかも作っている。
相変わらず別荘には不釣り合いな純和食のメニューだが、今回のポイントは魔法によってフグの毒を浄化したことだろう。
いわゆる魔鈴が得意だった魔法料理の一種で卵巣や肝も食べれるので鍋に入っていたりする。
「お前、これ肝だろ? 大丈夫なのか?」
ただし横島は例よって事前の説明などしないのでエヴァは普通に鍋に入っている肝や卵巣を見て若干引きつっていたが。
エヴァ自身は真祖の吸血鬼なのでフグの毒でも死にはしないが、全く影響がない訳でもないらしい。
「大丈夫だぞ。 ぶっちゃけこれ魔法料理の一種だからな。 毒は浄化してるから無毒なんだよ。」
「魔法料理……?」
基本的に疑うことを知らないタマモとさよは美味しそうにてっちりを食べているが、横島は自身も食べ始めるとてっちりは魔法料理だと暴露する。
エヴァは自身ですら聞いたことがない魔法料理という言葉に興味深げな表情になるが、とりあえずは大丈夫そうだと横島達に続き料理を食べ始めた。
「これは……」
横島が普通じゃないのは今更な感じもあるが、横島自身もすでにエヴァの前で魔法を使ったことにより遠慮というか隠すことが完全に不要になったので当たり前のように魔法料理を披露していた。
まあ厳密にはてっちりは魔鈴のレシピではなく魔法料理の技術を用いて横島が作ったオリジナルとも言える料理だったが。
その味は既存の料理を上回る上質な味と何より身体が活性化するほどの効果もある。
正直横島は今まで魔法料理は隠して来た為にまともに他人に食べさせたのは始めてであり、料理の効果が思った以上に高くなってしまった。
「もうちょっと魔法の加減が必要か?」
「下手な魔法薬より効果があるからな。 これなら一般人でも気付くぞ。」
料理としては味も効果も抜群だが、それはかつて横島自身が浄化されかけた時と同じく少し魔法の効果が強すぎるものである。
食べるだけで身体が活性化して気や魔力が充実していく効果は高いが、料理としては些かやり過ぎだと横島とエヴァは感じた。
少し遅れたがエヴァの解放祝いということと少し話しておきたいことがあったからだ。
「今日はフグか」
「調理師免許ないけど気にしないだろ?」
「ああ、構わん」
いつもと同じく食材を持って現れた横島達をエヴァは出迎えつつ今日のメインは何かと興味深げに食材を見つめるが、発泡スチロールに入った新鮮なふぐを見るとニヤリと笑みを浮かべる。
横島は一応免許がないことを告げるも、エヴァも横島に普通など求めてないので気にしない様子だった。
「おさんぽにいこう!」
そのまま横島は別荘内の厨房に入り茶々丸が手伝いをする中、タマモはさよとチャチャゼロを連れて別荘内の散歩というか探検に向かう。
高い塔のようなエヴァの別荘の中は広く、そこはまるで図書館島の地下のように別世界である。
幽霊が出そうだとさよが怖がるほど暗い部屋もあるし、図書館島の地下のように本ばかりの部屋もある。
タマモやさよにとってそこは未知の世界であり、危ないから迂闊に触ってはダメだと図書館島の地下探検のように張り切るタマモは好奇心に瞳を輝かせていた。
「そろそろいいぞ」
そしてこの日のメニューはてっちりとてっさ、いわゆるトラフグの鍋と刺身が基本であり唐揚げなんかも作っている。
相変わらず別荘には不釣り合いな純和食のメニューだが、今回のポイントは魔法によってフグの毒を浄化したことだろう。
いわゆる魔鈴が得意だった魔法料理の一種で卵巣や肝も食べれるので鍋に入っていたりする。
「お前、これ肝だろ? 大丈夫なのか?」
ただし横島は例よって事前の説明などしないのでエヴァは普通に鍋に入っている肝や卵巣を見て若干引きつっていたが。
エヴァ自身は真祖の吸血鬼なのでフグの毒でも死にはしないが、全く影響がない訳でもないらしい。
「大丈夫だぞ。 ぶっちゃけこれ魔法料理の一種だからな。 毒は浄化してるから無毒なんだよ。」
「魔法料理……?」
基本的に疑うことを知らないタマモとさよは美味しそうにてっちりを食べているが、横島は自身も食べ始めるとてっちりは魔法料理だと暴露する。
エヴァは自身ですら聞いたことがない魔法料理という言葉に興味深げな表情になるが、とりあえずは大丈夫そうだと横島達に続き料理を食べ始めた。
「これは……」
横島が普通じゃないのは今更な感じもあるが、横島自身もすでにエヴァの前で魔法を使ったことにより遠慮というか隠すことが完全に不要になったので当たり前のように魔法料理を披露していた。
まあ厳密にはてっちりは魔鈴のレシピではなく魔法料理の技術を用いて横島が作ったオリジナルとも言える料理だったが。
その味は既存の料理を上回る上質な味と何より身体が活性化するほどの効果もある。
正直横島は今まで魔法料理は隠して来た為にまともに他人に食べさせたのは始めてであり、料理の効果が思った以上に高くなってしまった。
「もうちょっと魔法の加減が必要か?」
「下手な魔法薬より効果があるからな。 これなら一般人でも気付くぞ。」
料理としては味も効果も抜群だが、それはかつて横島自身が浄化されかけた時と同じく少し魔法の効果が強すぎるものである。
食べるだけで身体が活性化して気や魔力が充実していく効果は高いが、料理としては些かやり過ぎだと横島とエヴァは感じた。