平和な日常~冬~3
「この後どうします? 泊まって行きます?」
「せっかくじゃが、年末で皆忙しいからのう」
「元来た時間に戻しますよ。 ゆっくりしていきませんか?」
そのまま魔法世界のマジックアイテムなんかを見ていた近右衛門達だが、時間も遅いことからこの後どうするか話し合うことになった。
横島はさらっと元の時間に戻すと告げたがバベルの塔で感覚が麻痺してる近右衛門達は驚くことはなく考え始める。
まあ時間移動は不可能な世界だが、エヴァの魔法球のように時間の流れを変える魔法はない訳ではないので驚きはしないのだろう。
「休みたいとこだけど、仕事納めが近いからなぁ」
「出来れば正月休みを増やしてくれると有りがたいんだが」
横島としては忙しい近右衛門達故に一日くらいは視察をしなごらゆっくりしてほしいと思ったのだが、学園も雪広・那波両グループも仕事納めを目前にしていつも以上に忙しいらしい。
特に社長として実質的に会社を取り仕切る雪広政樹と那波衛の二人としては、ここで休みを挟んでも落ち着かないようであった。
「じゃあ、日を改めますか」
結局この日は帰ることになり、次回は年明けの正月休みにでも異空間アジトで会合を開くことにして可能ならば事情を説明した詠春も呼ぶことにする。
尤も正月休みとはいえ本当に暇なのは横島くらいであり、誰が来れて誰が来れないかは今のところはっきりしなかったが。
ただし近右衛門達の異空間アジトの出入りに関してはどのみち土偶羅による強制転移で移動するので、必ずしも一ヵ所に集まる必要はなく今後は京都の詠春や穂乃香も会合に気軽に参加出来るし近右衛門達も下手に会合のアリバイ作りをしなくていいので会うのが楽になることは確かだろう。
正直近右衛門はともかく雪広家と那波家は極秘の会合のアリバイ作りが意外と大変だったりする。
ちなみに横島達は現在バベルの塔の中にある謁見の間に来ていた。
そこはかつてのアシュタロス戦において横島と令子がアシュタロスと対決した場所と同じ造りで、横島が勝手に謁見の間と呼んでいた。
次回の話をしながらハニワ兵が運んできたお茶を飲んでいたのだが、広い謁見の間の真ん中でぽつんと数人がお茶を飲むことに近右衛門達は少し微妙な表情をみせる。
まるで神殿や神社のような聖域でお茶を飲むようであまり落ち着かないのだろう。
横島は慣れてることと深く考えてないだけだが。
「それと確認なんだが、ここの存在や君の素性は何処まで娘に話していいんだい?」
一通り話が終わると後は帰ろうかという話になるが、ふと千鶴の父である衛は横島の件を娘にどう説明すべきかと考え悩み始めたようだ。
この年末年始に木乃香達に秘密を明かすことは決定していて魔法関連の話ならば話すべき内容と隠すべきことは決まっているが、横島に関しては正直どうすればいいのか分からないのだろう。
「何処までって、全部話していいんじゃないっすか? まずいですかね?」
はっきり言えば穂乃香も千鶴とあやかの両親も魔法より横島の説明の方が難しく悩みの種だった。
魔法すら知らなかった少女達に異世界やら魔王やらどう話してどう理解してもらえばいいか分からない。
一方の横島は当事者ながらその件についてはなるようになるとしか考えてなかった。
ぶっちゃけ横島自身は嘘をつき続けるのもあまり得意ではないし、木乃香達に魔法のことがバレると遅かれ早かれ異空間アジトの存在や自身が異世界出身だということはバレると思っている。
まあそれ以上の余計な過去は話す気は相変わらずないが。
「横島君の件に関しては自分で説明してもらう方がいいじゃろ。 下手な誤解を生んでも困るしのう。 どうせ綾瀬君達には君が自分で話さねばならんのだ」
真剣に考え悩む側とお気楽な本人との温度差は激しかった。
横島は逆にまずいかと尋ねる始末であり見るに見かねた近右衛門が、横島の件は簡単に特殊だが魔法関係者だと伝えて後は横島自身で夕映達と一緒に説明してくれということになる。
「まあ、俺は別にいいですけど……」
何か近右衛門に問題を丸投げされた気分になる横島であるが、流石に自分の説明が面倒だとは言えなかった。
実は面倒な説明は全部刀子に頼もうと思って居たなどとは流石に口に出さなかったらしい。
正直近右衛門はそんな横島の思惑を半ば見抜いていたが、どうせ横島をコントロール出来るのは木乃香達しかいないのだから後は仲良くやってもらうお膳立てをするしかないというところだろう。
ともかく横島の会合参加と近右衛門達の異空間アジト訪問は無事に終わった。
「せっかくじゃが、年末で皆忙しいからのう」
「元来た時間に戻しますよ。 ゆっくりしていきませんか?」
そのまま魔法世界のマジックアイテムなんかを見ていた近右衛門達だが、時間も遅いことからこの後どうするか話し合うことになった。
横島はさらっと元の時間に戻すと告げたがバベルの塔で感覚が麻痺してる近右衛門達は驚くことはなく考え始める。
まあ時間移動は不可能な世界だが、エヴァの魔法球のように時間の流れを変える魔法はない訳ではないので驚きはしないのだろう。
「休みたいとこだけど、仕事納めが近いからなぁ」
「出来れば正月休みを増やしてくれると有りがたいんだが」
横島としては忙しい近右衛門達故に一日くらいは視察をしなごらゆっくりしてほしいと思ったのだが、学園も雪広・那波両グループも仕事納めを目前にしていつも以上に忙しいらしい。
特に社長として実質的に会社を取り仕切る雪広政樹と那波衛の二人としては、ここで休みを挟んでも落ち着かないようであった。
「じゃあ、日を改めますか」
結局この日は帰ることになり、次回は年明けの正月休みにでも異空間アジトで会合を開くことにして可能ならば事情を説明した詠春も呼ぶことにする。
尤も正月休みとはいえ本当に暇なのは横島くらいであり、誰が来れて誰が来れないかは今のところはっきりしなかったが。
ただし近右衛門達の異空間アジトの出入りに関してはどのみち土偶羅による強制転移で移動するので、必ずしも一ヵ所に集まる必要はなく今後は京都の詠春や穂乃香も会合に気軽に参加出来るし近右衛門達も下手に会合のアリバイ作りをしなくていいので会うのが楽になることは確かだろう。
正直近右衛門はともかく雪広家と那波家は極秘の会合のアリバイ作りが意外と大変だったりする。
ちなみに横島達は現在バベルの塔の中にある謁見の間に来ていた。
そこはかつてのアシュタロス戦において横島と令子がアシュタロスと対決した場所と同じ造りで、横島が勝手に謁見の間と呼んでいた。
次回の話をしながらハニワ兵が運んできたお茶を飲んでいたのだが、広い謁見の間の真ん中でぽつんと数人がお茶を飲むことに近右衛門達は少し微妙な表情をみせる。
まるで神殿や神社のような聖域でお茶を飲むようであまり落ち着かないのだろう。
横島は慣れてることと深く考えてないだけだが。
「それと確認なんだが、ここの存在や君の素性は何処まで娘に話していいんだい?」
一通り話が終わると後は帰ろうかという話になるが、ふと千鶴の父である衛は横島の件を娘にどう説明すべきかと考え悩み始めたようだ。
この年末年始に木乃香達に秘密を明かすことは決定していて魔法関連の話ならば話すべき内容と隠すべきことは決まっているが、横島に関しては正直どうすればいいのか分からないのだろう。
「何処までって、全部話していいんじゃないっすか? まずいですかね?」
はっきり言えば穂乃香も千鶴とあやかの両親も魔法より横島の説明の方が難しく悩みの種だった。
魔法すら知らなかった少女達に異世界やら魔王やらどう話してどう理解してもらえばいいか分からない。
一方の横島は当事者ながらその件についてはなるようになるとしか考えてなかった。
ぶっちゃけ横島自身は嘘をつき続けるのもあまり得意ではないし、木乃香達に魔法のことがバレると遅かれ早かれ異空間アジトの存在や自身が異世界出身だということはバレると思っている。
まあそれ以上の余計な過去は話す気は相変わらずないが。
「横島君の件に関しては自分で説明してもらう方がいいじゃろ。 下手な誤解を生んでも困るしのう。 どうせ綾瀬君達には君が自分で話さねばならんのだ」
真剣に考え悩む側とお気楽な本人との温度差は激しかった。
横島は逆にまずいかと尋ねる始末であり見るに見かねた近右衛門が、横島の件は簡単に特殊だが魔法関係者だと伝えて後は横島自身で夕映達と一緒に説明してくれということになる。
「まあ、俺は別にいいですけど……」
何か近右衛門に問題を丸投げされた気分になる横島であるが、流石に自分の説明が面倒だとは言えなかった。
実は面倒な説明は全部刀子に頼もうと思って居たなどとは流石に口に出さなかったらしい。
正直近右衛門はそんな横島の思惑を半ば見抜いていたが、どうせ横島をコントロール出来るのは木乃香達しかいないのだから後は仲良くやってもらうお膳立てをするしかないというところだろう。
ともかく横島の会合参加と近右衛門達の異空間アジト訪問は無事に終わった。