平和な日常~春~
中高生の定期テストが終わると麻帆良の街は麻帆良祭一色に染まる
気の早いサークルはカウントダウンイベントと証して土日にイベントを開催するなどしており、すでに祭りの気配が街を支配していた
そんなこの日の早朝、横島はコブラに乗り世界樹前広場を訪れている
日中ならばたくさんの市民や学生が自由な時間を過ごす憩いの場所だったが、早朝のこの時間は朝市が行われていたのだ
ちなみにこの朝市は歴史が古く、昔から学園都市として栄えていた麻帆良に周辺の農家などが野菜などを売りに来ていたのが始まりらしい
横島は店の常連の近所の住人に朝市の話を聞きやって来たのである
「へ~、結構賑わってんな」
広い世界樹前広場に所狭しと並ぶ野菜や果物の数々に、横島は少し驚きつつ見物していく
季節の野菜からハウス物などまで様々あるらしく種類も豊富である
「おはようございます。 買い出しですか?」
「おっ? 意外な場所で会ったな~」
そのまま新しい品種らしきトマトなど珍しい野菜を三種類ほど買ってぶらぶらと朝市を歩いていた横島だったが、突然人混みを抜けて来た茶々丸に声をかけられた
どうやら彼女は野良猫へご飯をあげに来たようで、手にはキャットフードが入った袋を持っている
「買い出しって訳でもないけど、珍しい食材なんか見つけたからつい買っちゃったんだよね」
買った野菜を見せたりしながら一緒に歩く横島と茶々丸だが、茶々丸はやはり麻帆良中の猫達を見て歩いてるらしい
近くにも猫が集まる場所があるからと言うので横島も一緒に向かうのだが、そこは立派な教会の敷地内の庭であった
「勝手に入っていいんか?」
「大丈夫なようです」
割と敷地内も気にせず入っていく茶々丸に横島は少し驚くが、どうやら許可を得てるらしい
「随分立派な教会だな~」
「そうですか?」
「ああ、俺の知り合いにも神父が居たけどさ。 貧乏だったからボロボロの教会でさ~」
庭に入ると茶々丸を待っていたかのように野良猫達が集まってくる
茶々丸はそんな野良猫達にご飯を上げつつ横島の話を聞いていたのだが、何か不思議な感覚を感じてしまう
「貴方は変わってますね」
茶々丸はふとそんなことを言ってしまったが、何故自分がそんなことを言ったのか疑問に感じる
もしかして自分は故障したのかとセルフチェックプログラムを起動するが異常はない
「あははっ、昔っからよく言われるよ。 おかげで女の子にモテた経験がないからな~」
茶々丸は横島が気を悪くしたかと少し心配になるが、横島は笑い飛ばして済ませてしまう
何故それほど面白そうに笑うのか茶々丸は少し疑問に感じるが、どこか心地いい感覚があることも感じていた
この時誕生したばかりの茶々丸の魂が確実にガイノイドの身体に定着して、順調に成長していたことに茶々丸自身は気付いてない
すでに人格などの主要プログラムに影響を与えるほどに成長しているのであった
気の早いサークルはカウントダウンイベントと証して土日にイベントを開催するなどしており、すでに祭りの気配が街を支配していた
そんなこの日の早朝、横島はコブラに乗り世界樹前広場を訪れている
日中ならばたくさんの市民や学生が自由な時間を過ごす憩いの場所だったが、早朝のこの時間は朝市が行われていたのだ
ちなみにこの朝市は歴史が古く、昔から学園都市として栄えていた麻帆良に周辺の農家などが野菜などを売りに来ていたのが始まりらしい
横島は店の常連の近所の住人に朝市の話を聞きやって来たのである
「へ~、結構賑わってんな」
広い世界樹前広場に所狭しと並ぶ野菜や果物の数々に、横島は少し驚きつつ見物していく
季節の野菜からハウス物などまで様々あるらしく種類も豊富である
「おはようございます。 買い出しですか?」
「おっ? 意外な場所で会ったな~」
そのまま新しい品種らしきトマトなど珍しい野菜を三種類ほど買ってぶらぶらと朝市を歩いていた横島だったが、突然人混みを抜けて来た茶々丸に声をかけられた
どうやら彼女は野良猫へご飯をあげに来たようで、手にはキャットフードが入った袋を持っている
「買い出しって訳でもないけど、珍しい食材なんか見つけたからつい買っちゃったんだよね」
買った野菜を見せたりしながら一緒に歩く横島と茶々丸だが、茶々丸はやはり麻帆良中の猫達を見て歩いてるらしい
近くにも猫が集まる場所があるからと言うので横島も一緒に向かうのだが、そこは立派な教会の敷地内の庭であった
「勝手に入っていいんか?」
「大丈夫なようです」
割と敷地内も気にせず入っていく茶々丸に横島は少し驚くが、どうやら許可を得てるらしい
「随分立派な教会だな~」
「そうですか?」
「ああ、俺の知り合いにも神父が居たけどさ。 貧乏だったからボロボロの教会でさ~」
庭に入ると茶々丸を待っていたかのように野良猫達が集まってくる
茶々丸はそんな野良猫達にご飯を上げつつ横島の話を聞いていたのだが、何か不思議な感覚を感じてしまう
「貴方は変わってますね」
茶々丸はふとそんなことを言ってしまったが、何故自分がそんなことを言ったのか疑問に感じる
もしかして自分は故障したのかとセルフチェックプログラムを起動するが異常はない
「あははっ、昔っからよく言われるよ。 おかげで女の子にモテた経験がないからな~」
茶々丸は横島が気を悪くしたかと少し心配になるが、横島は笑い飛ばして済ませてしまう
何故それほど面白そうに笑うのか茶々丸は少し疑問に感じるが、どこか心地いい感覚があることも感じていた
この時誕生したばかりの茶々丸の魂が確実にガイノイドの身体に定着して、順調に成長していたことに茶々丸自身は気付いてない
すでに人格などの主要プログラムに影響を与えるほどに成長しているのであった