平和な日常~冬~3

その後落ち着いた横島と少女達は、この一年を振り替えるようにアルバムを見ながら写真を撮った時の話を始めた。

タマモは相変わらず横島が泣いてしまった訳を理解出来ないようだったが、同時に本当に嬉しそうに泣いていた事も確かでありキョトンとしていた。

まあ横島がタマモの事を強く抱きしめたことも相まって、喜んで貰えたことは理解出来たらしい。


「まさか一緒に住んでるタマモとさよちゃんの行動に気付かんとはなぁ」

「さよちゃんといっしょにがんばったもんね!」

一方の横島はと言えば落ち着くと流石に少し恥ずかしそうではあったが、一度落ち着くとタマモ達の行動に全く気付かなかった自分に何とも言えない様子でもあった。

タマモとさよはサプライズが成功して嬉しそうに笑っていたが、横島とすれば二人は少し親離れを始めた子供のようで嬉し くもあり寂しくもある。


「それにみんなからも貰ったから、大人が一番プレゼント貰ったなんて変なクリスマスだな」

「何言ってんの。 私達とそんな年変わらないじゃない」

「そうだよ」

「横島さんは自分の理想の大人がありますから。 まあ正直な話他人から見た印象と理想の間にはギャップがあるです」

尤もタマモ達からはアルバムと女性陣からは洋服を貰った横島は当然ながら嬉しそうであり、それは落ち着いた後も変わらなかった。

子供のように喜んだかと思えば少しデレデレしたりと、完全にいつもの調子である。

まあ横島本人からすると大人としてクリスマスを迎えたはずが、いつの間にか子供の側になっていたことにはつい苦笑いがでてしまうが。

ただ美砂達からすると横島は大人と言うよりは身近な感じらしく、それは木乃香達はもちろんのことあやかや千鶴も同じようだった。

夕映いわく横島の考える理想の大人と今の横島は結構ギャップがあるらしい。

横島本人はそんな少女達の言葉に少し複雑な心境もあるようだったが、それ以上に今このときを楽しんでいたようである。




65/100ページ
スキ