平和な日常~冬~3
「先生達もお酒どうぞ」
「そうそう、飲んで飲んで」
さて後から合流した刀子と高畑は木乃香達に勧められるままに横島と同じシャンパンを飲んでいた。
二人は生徒が多いのでノンアルコールにするつもりだったようだが、せっかくだからと勧められて飲むことにしたようだ
元々二人は生徒の前では基本的にはお酒は飲まないのだが、今日はクリスマスだからと特に木乃香とハルナと美砂達が勧めている。
残る夕映達やあやか達なんかは二人の教師としての立場を考慮して気を使っているが、逆に木乃香達は今は教師と先生ではなく友人のような感覚で接している結果なのだろう。
特に木乃香は刀子とも高畑とも中等部に上がる以前からの知り合いであり、教師というよりは年の離れた友人のような感覚があるようである。
(二つの世界を一つにか)
そんな少女達にお酒を勧められて飲み始めた高畑だったが、タマモ達で作ったケーキを見て偶然とはいえ感慨深いものを感じていた。
二つ並んだケーキを一つのデコレーションとして完成させたこと自体が珍しくもあるが、同時にそれは地球と魔法世界という二つの世界の真実を表しているように感じてしまったのだ。
長い歴史の中で争い対立して来た異なる世界だが、これから大人になる子供達にそれが何の関係があるだろうかとつい考えてしまう。
「高畑先生とマスターって、時々どっかにトリップしちゃうとこ似てるよね」
それはほんの僅かな時間だけであったが、ニコニコと笑顔だった桜子は二つの世界について考えていた高畑を見て徐に横島と似てると口にする。
「確かに……」
賑やかに料理を味わいおしゃべりを楽しんでいた少女達は、桜子の何気ない一言に思わず横島と高畑に視線が集まるとその通りだと納得したり笑ったりしてしまう。
もちろん桜子には特に考えも悪気もなにもなくただ感じたことを口にしただけだが、意外な一面が似ているなと笑う友人達を見つつも何故か明日菜だけは固まったように表情が変わらなかった。
その瞬間ほんの一瞬だが何かが明日菜の頭の中を過ぎった気がしたのだが、明日菜はそれがなんだったのか思い出せない。
「明日菜さん?」
「ううん、なんでもない。 ただ何か引っ掛かるような……」
大人になれば多かれ少なかれ何かあるのだろうと少女達は単純に思うが、そんな中でも横島と高畑には他の人にはない何かがあるのかもしれないとも木乃香や夕映や千鶴なんかは思う。
一方少女達の中であやかだけは桜子の何気ない一言で固まったような明日菜に気付いて声をかけていた。
元々高畑は明日菜にとって特別な存在であり、あやかがとっさに明日菜に視線を向けたことはおかしなことではない。
恐らく無意識に明日菜を心配したのだろうが、あやかは明日菜が何に引っ掛かったのかが少し気になっていた。
「似てるか?」
「う~ん……」
そして似てると言われた横島はと言えば本人には全く自覚はないようで、膝の上に座っていたタマモに似てるかと尋ねていた。
しかしタマモが似てるかどうかを判断する基準は見た目と匂いなので、タマモには横島と高畑が似てるとは思えない。
二人揃って首を傾げる横島とタマモに少女達は微笑ましいものを見たように再び笑い出すことになる。
「そうそう、飲んで飲んで」
さて後から合流した刀子と高畑は木乃香達に勧められるままに横島と同じシャンパンを飲んでいた。
二人は生徒が多いのでノンアルコールにするつもりだったようだが、せっかくだからと勧められて飲むことにしたようだ
元々二人は生徒の前では基本的にはお酒は飲まないのだが、今日はクリスマスだからと特に木乃香とハルナと美砂達が勧めている。
残る夕映達やあやか達なんかは二人の教師としての立場を考慮して気を使っているが、逆に木乃香達は今は教師と先生ではなく友人のような感覚で接している結果なのだろう。
特に木乃香は刀子とも高畑とも中等部に上がる以前からの知り合いであり、教師というよりは年の離れた友人のような感覚があるようである。
(二つの世界を一つにか)
そんな少女達にお酒を勧められて飲み始めた高畑だったが、タマモ達で作ったケーキを見て偶然とはいえ感慨深いものを感じていた。
二つ並んだケーキを一つのデコレーションとして完成させたこと自体が珍しくもあるが、同時にそれは地球と魔法世界という二つの世界の真実を表しているように感じてしまったのだ。
長い歴史の中で争い対立して来た異なる世界だが、これから大人になる子供達にそれが何の関係があるだろうかとつい考えてしまう。
「高畑先生とマスターって、時々どっかにトリップしちゃうとこ似てるよね」
それはほんの僅かな時間だけであったが、ニコニコと笑顔だった桜子は二つの世界について考えていた高畑を見て徐に横島と似てると口にする。
「確かに……」
賑やかに料理を味わいおしゃべりを楽しんでいた少女達は、桜子の何気ない一言に思わず横島と高畑に視線が集まるとその通りだと納得したり笑ったりしてしまう。
もちろん桜子には特に考えも悪気もなにもなくただ感じたことを口にしただけだが、意外な一面が似ているなと笑う友人達を見つつも何故か明日菜だけは固まったように表情が変わらなかった。
その瞬間ほんの一瞬だが何かが明日菜の頭の中を過ぎった気がしたのだが、明日菜はそれがなんだったのか思い出せない。
「明日菜さん?」
「ううん、なんでもない。 ただ何か引っ掛かるような……」
大人になれば多かれ少なかれ何かあるのだろうと少女達は単純に思うが、そんな中でも横島と高畑には他の人にはない何かがあるのかもしれないとも木乃香や夕映や千鶴なんかは思う。
一方少女達の中であやかだけは桜子の何気ない一言で固まったような明日菜に気付いて声をかけていた。
元々高畑は明日菜にとって特別な存在であり、あやかがとっさに明日菜に視線を向けたことはおかしなことではない。
恐らく無意識に明日菜を心配したのだろうが、あやかは明日菜が何に引っ掛かったのかが少し気になっていた。
「似てるか?」
「う~ん……」
そして似てると言われた横島はと言えば本人には全く自覚はないようで、膝の上に座っていたタマモに似てるかと尋ねていた。
しかしタマモが似てるかどうかを判断する基準は見た目と匂いなので、タマモには横島と高畑が似てるとは思えない。
二人揃って首を傾げる横島とタマモに少女達は微笑ましいものを見たように再び笑い出すことになる。