平和な日常~冬~3
一方この日の木乃香は母である穂乃香と一緒に東京に来ていた。
「これなんかどう?」
「ええな~」
特に用事があって来た訳ではないが穂乃香も今日一日は予定を入れてなく、久しぶりに親子水入らずでショッピングに来たらしい。
穂乃香が麻帆良に来るのは年に二回ほどだが、その度に二人で東京に出掛けることを親子はいつも楽しみにしている。
無論京都でも親子でショッピングをすることはあるが、特に穂乃香は麻帆良に来た時は近衛家の女としての重圧から解放される数少ない機会であり貴重な時間だった。
「あらこれも可愛いわね」
ただ今回のショッピングでいつもと少し違うのは、買う物がいつもの自分達家族の分ばかりではなくタマモの服や小物なんかも見てることだろう。
お土産大好きなタマモに何を買って帰るかと二人は楽しそうに見て歩いているし、ついでにタマモの子供服もいろいろ見ている。
現状でタマモの服が十分あるのは木乃香も知っているが、育ち盛りの子供の服は多少多くても困るものではない。
ちょっと大きめの服を買えば来年も着れるだろうと、二人はまるで自分の子供の服を選ぶように楽しそうであった。
「本当にいい子よね。 初めて会った時には、木乃香のこといろいろ教えてくれたのよ」
何故か自分達の服よりタマモの服を真剣に探してしまう二人だが、ふと穂乃香はタマモと初めて会った先日のことを思い出す。
あの時タマモは穂乃香に対し木乃香との思い出をたくさん話していたが、それが離れて暮らす家族は寂しいだろうとタマモが感じたからに他ならない。
タマモ自身は横島やさよと離れるなど想像も出来ないだけに、少しでも穂乃香に木乃香のことを教えてあげたかったのだろう。
穂乃香にはそんなタマモが、いかに木乃香を大好きかということがよく伝わっていた。
「タマちゃんはホンマに優しい子なんや」
「少し不思議な関係だけどね。 あの子にとって木乃香は母親であり姉であり友達なんだもの」
タマモが優しくいい子なのは今更なことだが、同時にタマモは木乃香を求めておりそれは母親とも姉とも友達とも言える。
特に子育てという側面から考えると、放任主義のような横島と世間に疎いさよの出来ないことを木乃香達が担っているのは穂乃香も気付いていた。
客観的な本音を言えば他人のしかも妖怪の子供に対し少し関わり過ぎかと感じなくもないが、タマモ本人を見てると構ってあげたくなる気持ちになることも十分理解している。
「なんだかおばあちゃんになった気分よ」
母親として娘が幼い子を大切にし愛情を注ぐ姿は見ていても気持ちがいいが、同時にあまりに木乃香に懐くタマモの姿になんだか本物の孫が出来たような心境になる穂乃香は少しだけ複雑だった。
まあその割に今も楽しそうにタマモの服を選んでいる辺り、穂乃香はすでにタマモを受け入れているのだろうが。
正直幼いタマモを見ていると、穂乃香は木乃香と同様にその将来が心配になる気持ちが大きい。
最近魔法世界の極秘情報をいろいろ知らされただけに、タマモのような幼い子の将来を考えるとどうしても不安になるようである。
同じく知らされた横島の力に関しては確かに頼れる存在ではあるが、それでも個人で出来ることは限られているし横島の持つ力を生かすにはどうしても信頼出来る仲間が必要になる。
(木乃香が未来を担う鍵になるのかも知れないわね)
麻帆良や二つの魔法協会の未来の鍵は、もしかすると娘が握っているかもしれないと考えると穂乃香は楽しそうに服を選ぶ娘が頼もしく感じた。
「これなんかどう?」
「ええな~」
特に用事があって来た訳ではないが穂乃香も今日一日は予定を入れてなく、久しぶりに親子水入らずでショッピングに来たらしい。
穂乃香が麻帆良に来るのは年に二回ほどだが、その度に二人で東京に出掛けることを親子はいつも楽しみにしている。
無論京都でも親子でショッピングをすることはあるが、特に穂乃香は麻帆良に来た時は近衛家の女としての重圧から解放される数少ない機会であり貴重な時間だった。
「あらこれも可愛いわね」
ただ今回のショッピングでいつもと少し違うのは、買う物がいつもの自分達家族の分ばかりではなくタマモの服や小物なんかも見てることだろう。
お土産大好きなタマモに何を買って帰るかと二人は楽しそうに見て歩いているし、ついでにタマモの子供服もいろいろ見ている。
現状でタマモの服が十分あるのは木乃香も知っているが、育ち盛りの子供の服は多少多くても困るものではない。
ちょっと大きめの服を買えば来年も着れるだろうと、二人はまるで自分の子供の服を選ぶように楽しそうであった。
「本当にいい子よね。 初めて会った時には、木乃香のこといろいろ教えてくれたのよ」
何故か自分達の服よりタマモの服を真剣に探してしまう二人だが、ふと穂乃香はタマモと初めて会った先日のことを思い出す。
あの時タマモは穂乃香に対し木乃香との思い出をたくさん話していたが、それが離れて暮らす家族は寂しいだろうとタマモが感じたからに他ならない。
タマモ自身は横島やさよと離れるなど想像も出来ないだけに、少しでも穂乃香に木乃香のことを教えてあげたかったのだろう。
穂乃香にはそんなタマモが、いかに木乃香を大好きかということがよく伝わっていた。
「タマちゃんはホンマに優しい子なんや」
「少し不思議な関係だけどね。 あの子にとって木乃香は母親であり姉であり友達なんだもの」
タマモが優しくいい子なのは今更なことだが、同時にタマモは木乃香を求めておりそれは母親とも姉とも友達とも言える。
特に子育てという側面から考えると、放任主義のような横島と世間に疎いさよの出来ないことを木乃香達が担っているのは穂乃香も気付いていた。
客観的な本音を言えば他人のしかも妖怪の子供に対し少し関わり過ぎかと感じなくもないが、タマモ本人を見てると構ってあげたくなる気持ちになることも十分理解している。
「なんだかおばあちゃんになった気分よ」
母親として娘が幼い子を大切にし愛情を注ぐ姿は見ていても気持ちがいいが、同時にあまりに木乃香に懐くタマモの姿になんだか本物の孫が出来たような心境になる穂乃香は少しだけ複雑だった。
まあその割に今も楽しそうにタマモの服を選んでいる辺り、穂乃香はすでにタマモを受け入れているのだろうが。
正直幼いタマモを見ていると、穂乃香は木乃香と同様にその将来が心配になる気持ちが大きい。
最近魔法世界の極秘情報をいろいろ知らされただけに、タマモのような幼い子の将来を考えるとどうしても不安になるようである。
同じく知らされた横島の力に関しては確かに頼れる存在ではあるが、それでも個人で出来ることは限られているし横島の持つ力を生かすにはどうしても信頼出来る仲間が必要になる。
(木乃香が未来を担う鍵になるのかも知れないわね)
麻帆良や二つの魔法協会の未来の鍵は、もしかすると娘が握っているかもしれないと考えると穂乃香は楽しそうに服を選ぶ娘が頼もしく感じた。