平和な日常~冬~3
「彼はモテモテね」
「皆さんで事前に順番を決めてましたから」
その頃雪広姉妹はすでに何人かに誘われて踊っていたが、ちょうど揃って休憩していた。
身内とも言える親しい少女達と続けて踊る横島に姉のさやかは微笑ましいものを見るような表情で笑みを浮かべているが、あやかは少し困ったような微妙な表情である。
身内だけで固まる横島達の行為は社交界のマナーとしては正直あまり褒められたものではないが、このクリスマスのダンスパーティーは参加人数が多い代わりに未経験者も多いのでマナーなどはほとんど気にしないラフなパーティーになっていた。
世代を超えた交流が目的でもあるし社交界やダンスパーティーを生徒に経験させる目的もある。
実際横島達のように顔見知りと少し踊って楽しみたいだけの生徒は結構多かった。
そして横島達に関しては最初の木乃香や千鶴の頃はかなり注目を集めていたが現状ではそれほどでもない。
学園長の孫娘がパーティー初参加だということで裏表問わず注目は集めたが、木乃香自身は友人達と一緒にダンスパーティーの空気を楽しんでる程度なのだ。
近右衛門には本格的な社交界デビューさせる気はまだないのだと分かると、注目はされても木乃香に近付く者は今のところいなかった。
千鶴に関しては木乃香や友人達と行動を共にすることで那波家の娘とではなく個人として参加してると受け取った関係者が多いらしく、こちらも遠慮して近付く者はいない。
というか木乃香達の周りにはクラスメートや店の常連の少女達がよくやって来るので、メンバーは変わるが常に二十人以上の未成年の少女達が集まっている状態である。
はっきりいうとそこまで固まると男性の側からは誘いにくく、横島以外で近付く男性は店の常連である豪徳寺と仲間達が少女達から誘われて近付いて軽く話をした程度だった。
木乃香に関しては自覚があるかないかは不明だが、千鶴はもちろん確信犯でありあえて声がかけられない環境から離れようとはしない。
雪広家はまだ姉妹が二人居るからいいが、千鶴は那波家の娘として行動すると一人なので大変だというのが本音なのだろう。
(やはり貴方は私の前に立ち塞がるようネ)
そして会場内に居た超鈴音は顔見知りの大学生や関係者と踊っていたが、横島が視界に入るとその立ち位置が学園側に近くなっていることを感じていた。
横島本人が魔法協会に所属したとの情報はないが、横島と関係が深い芦コーポレーションは魔法協会の支援企業に加わっている。
超自身は料理大会の優勝者として今日は活動していたので横島が関係者に挨拶周りをした件などを直接見ていた訳ではないが、その情報は当然ながらすでに耳に入っていた。
魔法協会関係者の多くが横島が魔法協会に加わるのは時間の問題だと見ているし、超もまた同じで横島は現状でも魔法協会の側に立っていると認識した。
(敵に回したくはないが味方にするのも難しい。 厄介な人ネ)
自身の全てを賭けた世界を変える計画に横島は確実に障害だった。
そして横島の厄介なところは、人を使うのが上手いということだろう。
高畑にしろ刀子にしろ実力のある者が力で止めに来るならば対応出来る自信があるが、今のところ超から見た横島はそんな単純な真似をするタイプではない。
(まだ時間はあるネ)
横島をどうするべきか悩む超だが、この日で結論が出ることはなかった。
「皆さんで事前に順番を決めてましたから」
その頃雪広姉妹はすでに何人かに誘われて踊っていたが、ちょうど揃って休憩していた。
身内とも言える親しい少女達と続けて踊る横島に姉のさやかは微笑ましいものを見るような表情で笑みを浮かべているが、あやかは少し困ったような微妙な表情である。
身内だけで固まる横島達の行為は社交界のマナーとしては正直あまり褒められたものではないが、このクリスマスのダンスパーティーは参加人数が多い代わりに未経験者も多いのでマナーなどはほとんど気にしないラフなパーティーになっていた。
世代を超えた交流が目的でもあるし社交界やダンスパーティーを生徒に経験させる目的もある。
実際横島達のように顔見知りと少し踊って楽しみたいだけの生徒は結構多かった。
そして横島達に関しては最初の木乃香や千鶴の頃はかなり注目を集めていたが現状ではそれほどでもない。
学園長の孫娘がパーティー初参加だということで裏表問わず注目は集めたが、木乃香自身は友人達と一緒にダンスパーティーの空気を楽しんでる程度なのだ。
近右衛門には本格的な社交界デビューさせる気はまだないのだと分かると、注目はされても木乃香に近付く者は今のところいなかった。
千鶴に関しては木乃香や友人達と行動を共にすることで那波家の娘とではなく個人として参加してると受け取った関係者が多いらしく、こちらも遠慮して近付く者はいない。
というか木乃香達の周りにはクラスメートや店の常連の少女達がよくやって来るので、メンバーは変わるが常に二十人以上の未成年の少女達が集まっている状態である。
はっきりいうとそこまで固まると男性の側からは誘いにくく、横島以外で近付く男性は店の常連である豪徳寺と仲間達が少女達から誘われて近付いて軽く話をした程度だった。
木乃香に関しては自覚があるかないかは不明だが、千鶴はもちろん確信犯でありあえて声がかけられない環境から離れようとはしない。
雪広家はまだ姉妹が二人居るからいいが、千鶴は那波家の娘として行動すると一人なので大変だというのが本音なのだろう。
(やはり貴方は私の前に立ち塞がるようネ)
そして会場内に居た超鈴音は顔見知りの大学生や関係者と踊っていたが、横島が視界に入るとその立ち位置が学園側に近くなっていることを感じていた。
横島本人が魔法協会に所属したとの情報はないが、横島と関係が深い芦コーポレーションは魔法協会の支援企業に加わっている。
超自身は料理大会の優勝者として今日は活動していたので横島が関係者に挨拶周りをした件などを直接見ていた訳ではないが、その情報は当然ながらすでに耳に入っていた。
魔法協会関係者の多くが横島が魔法協会に加わるのは時間の問題だと見ているし、超もまた同じで横島は現状でも魔法協会の側に立っていると認識した。
(敵に回したくはないが味方にするのも難しい。 厄介な人ネ)
自身の全てを賭けた世界を変える計画に横島は確実に障害だった。
そして横島の厄介なところは、人を使うのが上手いということだろう。
高畑にしろ刀子にしろ実力のある者が力で止めに来るならば対応出来る自信があるが、今のところ超から見た横島はそんな単純な真似をするタイプではない。
(まだ時間はあるネ)
横島をどうするべきか悩む超だが、この日で結論が出ることはなかった。