平和な日常~冬~2
「くるま!くるま!」
「食券!食券!」
さて横島達とすれ違いで喫茶スペースを出たタマモ達だが、生徒主催のイベント会場に戻りビンゴ大会が始まるのを今か今かと待ちわびていた。
特にタマモと桜子の二人はビンゴカードを手に握り気合いが入っている。
「参加者が三百人か。 宝くじよりは確率いいのよね」
この会場には相変わらず学生が多く、ビンゴ大会参加者もほとんどが学生か子供であった。
無論OBや企業関係者なんかもそれなりに会場には居たりするが、流石に学生のビンゴ大会に参加する者はほとんどはいない。
もちろんタマモと桜子だけではなく仕事に戻った木乃香とのどかを抜いた明日菜・美砂・円の三人がビンゴ大会に参加しており、明日菜達も確率的に当たる可能性が高いと期待に胸を膨らませていた。
「楽しんでるか?」
そしていよいよビンゴ大会が始まろうとする頃、パーティールームに横島達が現れる。
先程挨拶周りが終わった横島は、後は夜のメインイベントであるダンスパーティーに顔を出すのみでしばらく時間があったのだ。
「うん!」
人混みの中やって来た横島達だが、やはりタマモがいち早く気付き嬉しそうに駆け寄る。
明日菜達と一緒にパーティーを心から楽しんでいるタマモだが、やはり横島も一緒の方がもっと楽しいのだろう。
「みんな綺麗だな~ ほんとよく似合ってるよ」
タマモを抱き抱えた横島はそのままこの日初めて見た明日菜達のドレス姿を当然のように褒めるが、美砂達は元より明日菜でさえも満更でもなさそうである。
その言葉が決して特別ではないと理解してても褒められて悪い気がするはずはない。
「どう? 今日は子供扱いなんてさせないわよ!」
そんな少女達だが日頃横島の子供扱いに不満な美砂や桜子がここぞとばかりにドレス姿を強調すると、横島はやはり困った様子で笑ってごまかすしか出来ない。
そもそも横島は時々周りの少女達を子供扱いするが、悪気がある訳でも意識して子供扱いしてる訳でもないのだ。
「みんな、あっという間に大人になるな。 本当にさ」
それに美砂はまだ自重するが桜子などはあからさまに抱き着くので、横島は相変わらず対応に困るがそれでも少女達の成長する姿には感慨深げである。
最近いろいろ周りの成長を実感するだけに自分達を大人だと認めさせようとする美砂達に、横島は懐かしいような寂しいような少し複雑な感情が込み上げてしまう。
別に感情に浸るつもりなどないが、少女達の成長の早さは横島に過去と未来を考えさせるには十分だった。
横島は少女達の幸せを心から願っているが、同時にいずれそれぞれの道を歩み離れていくのかと思うと寂しく感じるのも本音である。
「……タマモ、痛いんだけど」
「そんなかおしちゃだめだよ」
それはほんの僅かな瞬間考えていただけだったが、横島は何故か抱き抱えていたタマモに頬を引っ張られていた。
その行動の意味が理解出来ない横島は不思議そうにタマモに声をかけるが、タマモは少し不満そうに横島を見つめている。
いやタマモだけではなく美砂達に夕映や千鶴ばかりでなく明日菜も同じだ。
少女達はあえて何も言わないが、気持ちは同じなのだろう。
時々横島が苦しみや悲しみを飲み込むような瞬間があり、それを一人で抱える横島にみんな不満だった。
「いや、ゴメンゴメン」
タマモの言葉にハッとした横島はすぐに申し訳なさそうに謝るが、タマモを含めた少女達は横島が肝心なことを話してくれないことを不満に思うのは変わらなかった。
「食券!食券!」
さて横島達とすれ違いで喫茶スペースを出たタマモ達だが、生徒主催のイベント会場に戻りビンゴ大会が始まるのを今か今かと待ちわびていた。
特にタマモと桜子の二人はビンゴカードを手に握り気合いが入っている。
「参加者が三百人か。 宝くじよりは確率いいのよね」
この会場には相変わらず学生が多く、ビンゴ大会参加者もほとんどが学生か子供であった。
無論OBや企業関係者なんかもそれなりに会場には居たりするが、流石に学生のビンゴ大会に参加する者はほとんどはいない。
もちろんタマモと桜子だけではなく仕事に戻った木乃香とのどかを抜いた明日菜・美砂・円の三人がビンゴ大会に参加しており、明日菜達も確率的に当たる可能性が高いと期待に胸を膨らませていた。
「楽しんでるか?」
そしていよいよビンゴ大会が始まろうとする頃、パーティールームに横島達が現れる。
先程挨拶周りが終わった横島は、後は夜のメインイベントであるダンスパーティーに顔を出すのみでしばらく時間があったのだ。
「うん!」
人混みの中やって来た横島達だが、やはりタマモがいち早く気付き嬉しそうに駆け寄る。
明日菜達と一緒にパーティーを心から楽しんでいるタマモだが、やはり横島も一緒の方がもっと楽しいのだろう。
「みんな綺麗だな~ ほんとよく似合ってるよ」
タマモを抱き抱えた横島はそのままこの日初めて見た明日菜達のドレス姿を当然のように褒めるが、美砂達は元より明日菜でさえも満更でもなさそうである。
その言葉が決して特別ではないと理解してても褒められて悪い気がするはずはない。
「どう? 今日は子供扱いなんてさせないわよ!」
そんな少女達だが日頃横島の子供扱いに不満な美砂や桜子がここぞとばかりにドレス姿を強調すると、横島はやはり困った様子で笑ってごまかすしか出来ない。
そもそも横島は時々周りの少女達を子供扱いするが、悪気がある訳でも意識して子供扱いしてる訳でもないのだ。
「みんな、あっという間に大人になるな。 本当にさ」
それに美砂はまだ自重するが桜子などはあからさまに抱き着くので、横島は相変わらず対応に困るがそれでも少女達の成長する姿には感慨深げである。
最近いろいろ周りの成長を実感するだけに自分達を大人だと認めさせようとする美砂達に、横島は懐かしいような寂しいような少し複雑な感情が込み上げてしまう。
別に感情に浸るつもりなどないが、少女達の成長の早さは横島に過去と未来を考えさせるには十分だった。
横島は少女達の幸せを心から願っているが、同時にいずれそれぞれの道を歩み離れていくのかと思うと寂しく感じるのも本音である。
「……タマモ、痛いんだけど」
「そんなかおしちゃだめだよ」
それはほんの僅かな瞬間考えていただけだったが、横島は何故か抱き抱えていたタマモに頬を引っ張られていた。
その行動の意味が理解出来ない横島は不思議そうにタマモに声をかけるが、タマモは少し不満そうに横島を見つめている。
いやタマモだけではなく美砂達に夕映や千鶴ばかりでなく明日菜も同じだ。
少女達はあえて何も言わないが、気持ちは同じなのだろう。
時々横島が苦しみや悲しみを飲み込むような瞬間があり、それを一人で抱える横島にみんな不満だった。
「いや、ゴメンゴメン」
タマモの言葉にハッとした横島はすぐに申し訳なさそうに謝るが、タマモを含めた少女達は横島が肝心なことを話してくれないことを不満に思うのは変わらなかった。