バレンタイン2019
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「やっほー、青江さん。今おヒマ?」
「おや、君か。どうしたのかな?」
廊下に青江さんの姿を見つけて後ろからそっと近づいた。背中をトンと叩いて声をかける。
「えーとね、青江さんに言いたいことがあるんだけど」
笑顔でうん?と首をかしげる青江さん。
「どうしたんだい?改まって、何か大切な話かな?」
聞上手の青江さんはいつものように話を聞く姿勢に入ってくれる。彼にはいつもいろんな話を聞いてもらっている。他の人には言えないことも、彼には自然と相談するようになっていた。私の良き相談相手だ。
「うん。あのね、青江さん。いつもありがとう!いろんな話聞いてくれて、仲良くしてくれて、これからもその……よろしくお願いします!」
いうのと同時に彼にチョコを差し出す。
「フフッ、まるで愛の告白か何かみたいだねぇ……これは妬かれてしまいそうだ」
「えぇ!?ちがっ、そんなつもりじゃ……!」
確かに、今の渡し方はまるで告白シーンのようだったかもしれない。いつものように含んだ笑顔でそういう青江さんは完全に私をからかっているようだ。
「いらないならいいけどね!他の人にあげるからね!」
クツクツと笑って、受け取ろうとしない。ならばとチョコを引っ込めようとすれば、その手はしっかり止められる。
「ごめんごめん、君からの大切な気持ちだからね。しっかりと受け取らせてもらうよ」
そう言って私の手からチョコの小箱を取り上げていく。なんだか青江さんがいうといやな言い回しに聞こえてしまう。
「言っておくけど、告白じゃなくて感謝だからね」
「わかってるよ。それに、君に告白なんかされたら命を狙われかねないからねぇ」
声を小さくして言った最後のほうが聞き取れず、首をかしげるが「独り言だよ」と流される。
「これは本丸のみんなに配ってるのかい?」
「うん、今日はバレンタインっていって、チョコを渡して感謝を伝える日なの」
へぇ、チョコレート。と小箱を開ける青江さん。一つつまんで口の中に放り込んだ。
「うん、美味しい。フフッ、君からの甘い気持ちだ」
「甘いのはチョコだから!ね!」
わかってはいると思うが、一応念をおす。
青江さんの意味深な物言いに、最初こそ戸惑ったものだが、今となってはすっかり慣れてしまった。彼は特に他意なくああいう物言いになってしまうようで、気にするだけ無駄だとわかったからだ。
「君にこうして贈り物をもらうって言うのは存外嬉しいものだね。きっとみんなも喜ぶだろうねえ」
「ほんと?喜んでもらえるかな!」
「あぁ、きっと喜ぶよ。他でもない、君からの贈り物だからね」
青江さんからの励ましで自信がついた。少しだけ、私の自己満足なんじゃないかと思っていた節があった。でもこうして嬉しいと直接言ってもらえるのは私の方も嬉しくなる。
「じゃあ、他の皆さんにも配ってきます!」
まだまだチョコは残っている。他の刀たちにも渡すべく、青江さんに手を振ってその場を去る。
「あぁ、走ると歌仙くんにまた怒られるよ」
そう言いながら、青江さんも手を振り返してくれる。
「全く、主は可愛いことをするねぇ……。他のみんなはどんな反応をするのかな」
2019.2.5
「おや、君か。どうしたのかな?」
廊下に青江さんの姿を見つけて後ろからそっと近づいた。背中をトンと叩いて声をかける。
「えーとね、青江さんに言いたいことがあるんだけど」
笑顔でうん?と首をかしげる青江さん。
「どうしたんだい?改まって、何か大切な話かな?」
聞上手の青江さんはいつものように話を聞く姿勢に入ってくれる。彼にはいつもいろんな話を聞いてもらっている。他の人には言えないことも、彼には自然と相談するようになっていた。私の良き相談相手だ。
「うん。あのね、青江さん。いつもありがとう!いろんな話聞いてくれて、仲良くしてくれて、これからもその……よろしくお願いします!」
いうのと同時に彼にチョコを差し出す。
「フフッ、まるで愛の告白か何かみたいだねぇ……これは妬かれてしまいそうだ」
「えぇ!?ちがっ、そんなつもりじゃ……!」
確かに、今の渡し方はまるで告白シーンのようだったかもしれない。いつものように含んだ笑顔でそういう青江さんは完全に私をからかっているようだ。
「いらないならいいけどね!他の人にあげるからね!」
クツクツと笑って、受け取ろうとしない。ならばとチョコを引っ込めようとすれば、その手はしっかり止められる。
「ごめんごめん、君からの大切な気持ちだからね。しっかりと受け取らせてもらうよ」
そう言って私の手からチョコの小箱を取り上げていく。なんだか青江さんがいうといやな言い回しに聞こえてしまう。
「言っておくけど、告白じゃなくて感謝だからね」
「わかってるよ。それに、君に告白なんかされたら命を狙われかねないからねぇ」
声を小さくして言った最後のほうが聞き取れず、首をかしげるが「独り言だよ」と流される。
「これは本丸のみんなに配ってるのかい?」
「うん、今日はバレンタインっていって、チョコを渡して感謝を伝える日なの」
へぇ、チョコレート。と小箱を開ける青江さん。一つつまんで口の中に放り込んだ。
「うん、美味しい。フフッ、君からの甘い気持ちだ」
「甘いのはチョコだから!ね!」
わかってはいると思うが、一応念をおす。
青江さんの意味深な物言いに、最初こそ戸惑ったものだが、今となってはすっかり慣れてしまった。彼は特に他意なくああいう物言いになってしまうようで、気にするだけ無駄だとわかったからだ。
「君にこうして贈り物をもらうって言うのは存外嬉しいものだね。きっとみんなも喜ぶだろうねえ」
「ほんと?喜んでもらえるかな!」
「あぁ、きっと喜ぶよ。他でもない、君からの贈り物だからね」
青江さんからの励ましで自信がついた。少しだけ、私の自己満足なんじゃないかと思っていた節があった。でもこうして嬉しいと直接言ってもらえるのは私の方も嬉しくなる。
「じゃあ、他の皆さんにも配ってきます!」
まだまだチョコは残っている。他の刀たちにも渡すべく、青江さんに手を振ってその場を去る。
「あぁ、走ると歌仙くんにまた怒られるよ」
そう言いながら、青江さんも手を振り返してくれる。
「全く、主は可愛いことをするねぇ……。他のみんなはどんな反応をするのかな」
2019.2.5